第8話 ◆萌えキャラAI

◆萌えキャラAI


おいっ 一条!  いったいなんなんだこれは!


すみません。 前のキャプテンがカスタマイズしたようで、これはあたしの責任ではありません。


大型スクリーンには、アニメの萌えキャラのような女の子が飛び回っている。


おい、AI聞こえてるか?


ハイハーイ。 初めまして、本艦のスーパーAI、あかねちんで~す。  よろぴくね~。


一条君、この船すぐにあの解体業者へ返品してきなさい!


ああっ ちょっ。  ちょっと待ってください。


あかねは、超優秀なAIですよ。  ご主人様には必ずご満足いただけると思いますデス。


なに、このAI?  ご主人様だとお!


だって、だってですよ!  前のご主人様がパラメータでこのキャラを設定したんですぅ。


だから基本、あかねに責任はありませんよデス!


俺は、すぐに基本とか言い出すヤツは大嫌いなんだよ!


そんなぁ・・・  あかねが今までに集めたキャラ情報とかは、どうするんですかぁ。


一条、今直ぐ初期化しろ!


あのー それが設定にロックが掛かっていて・・・


それなら解体業者に確認すればいいじゃないか。


いや、流石にあたしも初期化しようとして、昨日業者にメールしたんですけど、もともと解体する予定だったので知らないと。


あ゛っ?  つまりこのまま変更できないと?


はい、すみません。


ちくしょう。  もう別の船を探してる時間なんて無いぞ!


おい AI!  少しずつでもいいから、そのキャラ設定を初期値に近づける努力をしろっ。


・・・


・・・


・・・


桃島さん。 すごいです。 AIが拗ねてます。   一条マリエが妙なところに感心している。 


くそっ!  このボロ船め。  新しいキャプテンの指示に従えや!


いいんですか?  あかねが拗ねたら火星なんて行けませんよ!


AI、なんでおまえが行先を知っているんだ。


なんでって、マリエさんから昨日聞きましたデスよ。


ちっ この件はいったん保留だ。


ではAI、明日から荷物の積み込みを開始するから、今日中に倉庫の片づけと清掃をしておけ。


俺はAIに指示を出して操舵室の出入り口へ向かおうとしたが、一条に後ろから袖を掴まれた。


なんだ?


桃島さん、スクリーンを見てください。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


AIじゃなくて、あかねって呼んで。 あかねって呼んで。 あかねって呼んで。 あかねって呼んでくれなきゃヤダ。


あかね あかね あかね あかね あかね



うわっ あかねがスクロールしてます。


めんどくせー  おれ、もうやだーーー


次回へ続く・・・

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