第4話 ◆プロジェクト会議
◆プロジェクト会議
次の日、俺は屑山課長から聞いたメンバー全員にダメ元でメールを出した。
・・・・・
2053/05/01
各位
技術部1課の桃島です。
本日、以下の通りプロジェクト推進会議(第一回)を開催しますので
遅れないよう参集ください。
時間:13:00~15:00
場所:3階 第三会議室
以上
・・・・・
会議の5分前に会議室へ行くと予想外にも、犬居、猿渡、雉田の3人は既に来ていた。
おおっ、お前たち俺と一緒にこのプロジェクトをやってくれる気になったのか。
何を言ってるんだ、桃島にあんなに美味い物もらったら断れないじゃないか。 なあ、みんな。
そうだな。 あれは実に美味だった。
???
先輩、後でどこで買ったのか教えてくださいよ。
雉田が俺の手を握って、じっと目を見つめて来る。
あ、ああ。 うん、分かった。
・・・ そうか、あの菓子・・・ ただの菓子じゃなかったのか。
あっ、しまった。
俺は手元にもう1個残っていたのをハッと思い出す。
あれは・・・佐々木つぐみの分だったのか。
き、君たち。 ココでちょっと待っててくれ。 直ぐに戻る。
そう言って俺は自分の席にダッシュで戻り、紙袋を持って5階の営業3課へ向かった。
佐々木つぐみは、俺の顔を見るなり露骨に嫌な顔をして、自分の席から立ち上がろうともしない。
俺はそれにめげずに受付カウンターから、大きな声で叫んでやった。
お~い。 ノルマ達成のために危険を無視して火星物資搬送の仕事を受注した佐々木つぐみさんは、いらっしゃいますか~!
いらっしゃいましたら、至急受付カウンターまでお越しくださ~い。
ダダダダッ 佐々木が鬼の形相で駆け寄って来た。
ちょっと、やめてください! みんな見てるじゃないですか!
おや~? だって本当の事だろ!
今日は、いったい何しに来たんですか!
何しにって、おまえメール読んでないのかよ!
あたしは、フレックスで今出社したとこですよ。
ちぇっ、いいご身分だな。 いいから、これを食ってから第三会議室に来てくれ。 おまえの仲間が待ってる。
なんですか、これ?
この世の中一番美味しいと言われているお菓子だよ。 じゃあ、よろしく!
あっ、ちょっと!
俺は営業3課を後にして、第三会議室に向かった。
あとは、佐々木が例のお菓子を食べるかだが、俺は何となく上手く行きそうな予感がしていた。
次回へ続く・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます