第19話 愛
ホテルの前に着いた
一ノ瀬ひかるは 静かに頷く
二人は ホテルの部屋に入ると ドアを閉めたと同事に熱いキスを交わした
一ノ瀬の舌が 俺の舌と絡まる
二人は 浴槽にお湯を入れ その間煙草を吸った
まるで深呼吸のように・・・
『秀 好き』
「あぁ 俺も」
『言ってみたくなるよね 隣にいると つい』
俺は ホテルの冷蔵庫から瓶ビールを取り出した
栓抜きで栓を抜くと 一ノ瀬が用意したグラスに注いだ
俺は 一気にグラスの中のビールを飲み干した
紫煙が ゆらゆらと部屋を彷徨う
一ノ瀬が服を脱いだ
俺も 一ノ瀬に合わせるように 服を脱いだ
一ノ瀬の胸のほくろが 怪しくほのめく
二人 湯船に浸かるとお湯が ザーッとこぼれ落ちた
風呂から上がると 俺は もう一度ビールを飲んだ
一ノ瀬が抱きついてきた
二人は そのままベットになだれ込むと 熱い抱擁を交わし 互いを愛撫しあった
『ぁ・』
一之瀬から吐息が漏れる
さらに俺は 舌を使い 一ノ瀬の花心をまさぐった
『ぃぃ・』
やがて俺と一ノ瀬は ひとつになった
熱いソテーが こんがりやけるように 俺は 一ノ瀬の体を突く
『う・』
やがて落ち葉が舞い降りるかのように 俺は軽やかにからだを躍動させ 激しく突いた
まるで濡れる花心を弄ぶかのように
『ぁ・・ ぃぃ・・』
二人は 花畑を飛び交う蝶になり 互いに感じあった
俺は さらに激しく貫く
その度に 一ノ瀬がからだをのけぞる
一ノ瀬の両手が俺の背中をなぞる
それが合図だったのか 俺は 最後の力を振り絞り 激しさを増し 貫いた
二人は 果てた
『秀 煙草吸う?』
「うん」
『今日 いつもと違った いつもと何か・・・』
俺は 煙草を吸いながら ビールを飲んだ 喉がギュッとしまり 爽快感が脳へと突き出す
『ねぇ 結婚とか考えたことある?』
「まだないよ どうして?」
『私は 考える 駄目?』
「駄目じゃないよ むしろいいことかもしれない」
『秀 じゃぁ結婚して 嫌?』
「え? だって俺たち まだ未成年だぜ」
『ふふ 冗談 ごめん』
二人 ベットに腰かけ 紫煙を見ていた
『帰ろうか ね』 一之瀬が笑みを浮かばながら呟く
「うん 今日は楽しかったね」 俺も微笑み返した
『うん 秀といられて よかった』
二人は 着替えると 池袋の駅に向かった
爽やかな皐月の風が 心地良い
一ノ瀬の長い黒髪から いい匂いがした
俺たちは 一緒の電車に乗ると 赤羽まで向かった
『じゃぁ ここで おやすみ 秀』
「おやすみ」
長い一日が終わりを告げようとしている
今日も大人の世界を垣間見た 知らず知らずのうちに 俺も大人になっていると実感した
その日の夜は 何も考えないで深い眠りについた
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