幕間2
「次の目的地は何処になるんですか?」
「何処にしようかしらねえ」
空港の行き先表示を見ながらメアリーは歌うように言った。
「……え? まさか未だ何も決めていないだとか」
「だって、帝国とロマも剣を狙っているのよ。これ以上の争いは出来ることなら避けておきたかったけれど、致し方ないと言えばその通りじゃない? だから、私としては数を稼いで貰おうかな、って」
「メアリー。あなた……オール・アイや帝国に数を稼いで貰って、それを根こそぎ奪い取るつもりね?」
「その方が楽でしょう? はっきり言って、私はリニック、あなたを戦闘要員と認識していないわけだし。……それくらいは分かって貰えるかしら? あなたは確かに必要な存在よ。けれど、戦闘が出来ない以上、あなたは『荷物』になっている」
「総帥、それは言い過ぎじゃあ……!」
レイニーがリニックの前に出る。
「言い過ぎでは無いなら、何になるのかしら?」
「……レイニー。確かにその通りだ。僕は弱い人間だ。何も出来ない人間だ」
「リニック!」
「だから、僕に教えてください。皆を守ることの出来るぐらい、強い力を」
「……無理よ」
メアリーははっきりと言い放った。
「えっ?」
「だから、あなたには無理。私たちが代わりに守って上げなくては成らないのだから。……とは言っても、その剣の使い方を学ぶ必要があるわよね」
剣。
いつの間にか手に入れていたそれは、マグーナ基地の祠で得た力の象徴だった。
「それをどう使うことが出来るか、それがあなたの中で一番重要な要素になりそうね」
「でも、問題としてはそれをどうするか、ですけれど……」
「いい修行場をしっているわ。少数民族が住んでいる場所なのだけれど。そこは強者を求める種族が住んでいる。トライヤムチェンという少数民族は聞いたことがあるでしょう? 彼らが分裂した、もう片方の民族……それがリードヤムチェン族。そして、その場所はトロワと呼ばれる小さな島と広大な海によって構成された星よ」
飛行機の行き先表示板に、トロワ行きの飛行機が表示される。
そしてそれを見つけたメアリーは、そこに掲示された入り口へと向かう。
メアリーを追いかけるように、レイニーたちもそれを追いかけていくのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます