これまでとこれからと
僕と彼女の出会いは別に特別なことではなかった。高校の同じクラスでたまたま席が隣で話して見たら会話が弾んだ。そこからお互いに惹かれあって僕から告白をして付き合うことになった。
それが1年前。
付き合い始めはデートに行ったりしたが、2人ともインドア派だったためすぐにそういうこともなくなり、たまに映画に行く程度だった。
お互い毎日が楽しかったし、このまま幸せな時間がずっと続くものだと思っていた。
その年の冬、彼女が倒れた。彼女の家に遊びに行った時のことだった。
すぐに病院に運ばれ、意識を取り戻した。原因はお医者さんにも分からないらしい。
それからというもの彼女は入退院を繰り返し、遊びに行くこともなくなってしまった。
彼女のとこには時間がある時は毎日行くようにした。ほんとは毎日行きたかった。そのため部活を辞めると言ったら、彼女は時間がある時でいい、毎日電話くらいならできるから。部活に一生懸命なユウキが好きだから。と。
そういえば名前を言うのは初めてかな?僕はユウキって言う。陸上で長距離をしていて、彼女は時々見に来てくれていた。
まぁそんなことはさておき、そんなこんなで僕は部活のない水曜日と日曜日に彼女のとこに足を運んでいた。
そしてあの日、いつもよりも元気な彼女を見て、幸せな時間を過ごして病院を出た。今思えばあれはカラ元気だったのかもしれない。
そして病院を出て少し歩いた交差点で僕は居眠り運転した車に行かれたらしい。
そして…
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ほんとに君が、いや君の内臓が僕の中にあるの?」
「えぇそうよ。なんで意思疎通できるようになったかは知らないけど。 」
彼女の内臓が僕に移植可能だったらしく、死んだ彼女からいただいて僕に移植したんだとか。ドラマみたいだね。
結局彼女の死因は分からなかったらしい。ただ、彼女はそれが運命だからとあっさり受け入れていた。まぁサバサバした性格だったからな。
しかし、意思疎通できるとなるとこれからの生活楽しくなりそうだ。
その考えは間違っていたと彼はいずれ分かる。
臓器と恋、してみた @kakechai
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