第13話 僕とっても大事な時間

最近は、文化祭の準備ため僕は放課後によく学校に残るようになった。

本当はすぐに帰って1月のピアノコンクールの練習をしたかったのだが、僕は実行委員のためすぐ変えることができなかった。

やっぱり実家委員なんてやるべきではなかった…。

そして実行委員の仕事はクラスの出し物の準備だけでなく、学校全体の文化祭の準備もするので普通の生徒たちよりも更に遅くなってしまう。

あの時早川さんの頼みを断って入れば実行委員にならなくてよかったのに…と性根が腐っている僕はそのことをずっと考えていた。

まぁそんなことを考えても現実は変わらないのだが…



授業が終わり今日は放課後に各クラスの文化祭実行委員たちが集まりスローガンを決めることになった。


「何かいいスローガンはありませんか?」

司会の3年のメガネの男が言った。

だがその質問が聞こえてないぐらいまわりが騒いでおり司会のメガネの声が聞こえない。


僕が見るにこの実行委員を真面目にやろうとしている人は片手で数えられるぐらいの数しかいないだろう。

僕も真面目にやらないグループの一人ではあるので「真面目にやろうよ」なんて言わないが、全然話が進まないで変えるのが遅くなるのは嫌だった。

早く帰りたいなと思っていたら、

隣に座っていた早川さんが手を上げて言った。

「スローガンは、さあ野郎ども祭りをサイコーに盛り上げよー!!でどうですか?」

そのセンスはないんじゃないかなと思ったが意見を言えばそれに決定して早く帰れるかもだし、この中で意見を言える早川さんはすごいと思ったので言うのは辞めた。


その後も早川さん以外意見がなかったのでスローガンは早川さんので決まった。


会議が終わり、メガネの人が早川さんのとこに来てお礼を言っていた。



その日水野あかりから、メールが来ていた。

手紙以来ちょくちょく連絡を僕たちは取っていた。

「やっほー元気?私は今、東関東コンクールで君なんてギッタギタにできるぐらい演奏できるようにピアノ頑張ってるよー笑笑

あと凪から聞いたけど実行委員やってるんでしょ。いつの間にそんなリア充イベントを頑張ろうと思えるようになったのかなー笑笑

文化祭見に行くからクラスの出し物とか超期待してるね!」

メールの文から相変わらずバカな文章を書くなと思いながら返信をした。



文化祭まであと1日まで迫って来て、学校も授業をなくし文化祭の準備の時間になり、本格的に準備できるようになった。

クラスのみんなも何だかんだで、最後の文化祭を楽しもうと準備に頑張っていた。

去年は屋上の前の扉のとこで準備もサボっていたのでこんなみんなが頑張って準備をしてるなんて知らなかった。

そんな光景をみて「僕もやらないとな」思った。


放課後になり最後の実行委員会議があり、僕と早川さんは最初と最後にある体育館でのパフォーマンスの進行などを管理する役職に就いた。


「明日は楽しもうね!七瀬君!」

ニッコリととても綺麗な笑顔で僕にそう言って帰っていた。

僕は今まで文化祭に思い入れがなかったけど最後の最後でいい思い出ができたなと思った。

明日は高校最後の文化祭なんだなと今更実感が湧いて来た。








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