王国は爆発寸前

「……と言う事らしいんだ」

 俺はセイラに相談しよう、と思ったがその前にクラウスに先に話をしてみる事にした。

「ダイナさん、セイラに話をしないで正解でしたよ。もし話をしたら間違いなくブチギレてますよ」

「やっぱりそうか……」

「えぇ、父達のやり方に散々口を出してきましたけど全く無意味でしたからね。だからこそこうして距離を置いたんですが、どうやらその意味を父達は理解してないみたいですね」

 クラウスははぁ~とため息を付いた。

「ぶっちゃけ今王都は爆発寸前です。やる事なす事裏目に出てますからね。こないだの他流試合も結局騎士団の責任にされましたから一部の騎士達は不満が溜まって来ています。……実はここだけの話、騎士団の中にはクーデターを計画している者もいるみたいです」

「マジか……」

「その筆頭は騎士団の団長です。散々文句言われて更に騎士団の予算も削られたそうです」

「そりゃあ不満も出るわな……、そもそもあの鎧だって王族が勝手に作らせたんだろ?」

「えぇ、もう忠誠のかけらも無いみたいですよ。出来れば平和的に退陣してもらいたいんですが……」

「誰か止められる奴はいないのか?」

「父達の暴走を止めれるのは母だけなんです。セイラの性格は母譲りなんです」

「そういえば王妃の話は出てこないよな」

「母は今療養中なんです。体調が著しくなくて……、原因不明の病に侵されてるみたいなんですが……、僕はそれもちょっと怪しんでいます」

「どういう事だ?」

「どんなに薬を飲んでも効かないんです。まるで何らかの呪いを受けているみたいで……」

 呪いか……。

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