元仲間と再会しました
「今日は雨かぁ・・・・・・。」
雨の日は特にやる事も無く暇だ。
ミファは現在出掛けていていない。
「まぁ、たまにはこうしてのんびりするのも良いか。」
この村に帰って来てからは激動の日々だったから久しぶりにのんびり出来る。
と、玄関のドアを叩く音がした。
「はいはい、どちら様ですか?」
俺は玄関を開けた。
カッパを来ていて顔はわからないが男女というのはわかった。
「・・・・・・ダイナ、久しぶりだな。」
その声でピンと来た。
「もしかしてケエルか? という事は隣にいるのはマリンか?」
二人は顔をあげた。
やっぱりかつての仲間だったケエルとマリンだった。
「とりあえず入れ。ミファはいないから安心してくれ。」
俺は二人を家の中に入れた。
「二人とも疲れた顔をしてるな。」
俺の言葉に二人は苦笑いをする。
「城での仕事が上手く行かなくてな・・・・・・、ダイナすまなかった。」
「は?」
「私達、貴方の事を一方的に見下してしまって蔑ろにしていた。それを謝りたかったの・・・・・・。」
いきなり頭を下げられ動揺した。
旅の最中でも俺に対して頭を下げて来なかった二人が素直に頭を下げる日が来るとは・・・・・・。
「いや、別に本当にミファの兄てだけで着いてきただけだから、実際に役には立たなかったし・・・・・・。」
「それでも君の功績を認めるべきだった。君が裏で色々やっていたのを気づいていなかった・・・・・・。」
「裏でやってた、て宿の手配とかギルドの手続きとか、か?」
それは冒険者時代にやっていた事をやっていた訳だし・・・・・・、俺的には当たり前の行動なんだけどなぁ。
「私達がどんなに冷たい態度をとっても貴方は決して文句も言わずに着いてきてくれた、私達は貴方を認めるべきだったのよ・・・・・・。」
「まぁ・・・・・・、それはそれで嬉しいよ。とりあえず野菜スープ作ってあるから飲んでくれ。元気が無さそうだからな。」
俺は二人に野菜スープを出した。
「これは・・・・・・、旅の最中に良く飲んでいた味だ。」
「これはお袋が良く作ってくれていた思い出の味なんだ。ミファも大好きでなぁ、旅の最中でも作っていた。」
「素朴な味・・・・・・、だけど心に染み渡る・・・・・・。」
ケエルもマリンも涙ぐんでいる。
そこから漸く二人は現状を話し出した。
今、王都は財政危機に陥っている、という事。
それでも国王達は楽観的である、という事。
正直、心が折れた、という事。
「この村の事は耳には聞いていた。しかし、国王達は無視しているんだ。」
「セイラ達もいる、て言うのにか?」
「えぇ、優秀な人材が流出しているにも関わらず。」
「世代交代が上手く行ってない証拠だよな。」
どうやら国はどうも上手くいっていないらしい。
此処はセイラに相談してみるべきだな。
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