他流試合

 完成した鎧は耐久テストが行われた。


 ミファが木刀で何度か打ち込んだんだけど傷一つも無かった。


 意地になったミファが必殺技を繰り出そうとしたが必死に止めた、流石にそれはマズイ。


「うぅ……、私の攻撃が効かないなんて。」


「凹むな凹むな、まぁ、此処まで頑丈だったら大丈夫だろう。」


「全力で戦えます!」


「師匠、折角の晴れ舞台ですから見に行きましょう!」


「う~ん、見に行きたいのは山々なんだが……。」


 何せ国に入る為には金を払わなきゃいけないからなぁ……。


「あっ! そういえば私、他流試合に来賓として呼ばれてたんだ。」


 まじかっ!?


「興味ないから放って置いていたんだけど……、私の護衛だったら無料で入れてくれるんじゃないかな?」


「そういえば、私やクラウスも呼ばれてました。行くつもりは無かったんですけど、今回の話を聞いたら行くしかありませんね。」


 全員の思いはただ一つ、『ざまぁされる瞬間を見てみたい』


 それだけだった。



 そして、他流試合当日の日がやって来た。


 やはり、ミファの名前は凄くて身内と言う事で入国税は払わずに済んだ。


 何年振りかに入って来た王都はやはり繁栄しているというか、かなり変わっていた。


 ミファやセイラ達は来賓席で見る、と言う事で俺やディオ達は普通の一般席で見る事になった。


「来賓席の方は王族の関係者がいるな。」


「そういえば、外で各国の鎧の展示がされていたけど……。」


 会場の外では各国の鎧の展示や名産品が販売されていてちょっとしたお祭りになっている。


 それでこの国の鎧も展示されていたが、俺の第一印象は『実戦向きではない』だった。


「間違いなく兄のデザインですよ。兄は機能性より見た目を重視していますからね。来賓席にいますよ。」


 何か小太りの男が国王と談笑しているのが見える。


「モハンとは似ても似つかない奴だな。」


「昔は痩せてたんですけどね……。」


 モハンは苦笑いをした。

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