幻の素材

「あぁ、エラコンドね。確かに俺も聞いた事があるよ。確か、この村の上の方に採掘場があって取っていたんだ。」


 あの後、多分詳しい話を知っているだろうディオに来てもらった。」


「元々この村が出来たのはその採掘場の休憩所がきっかけなんだ。それが大きくなって村になっていった、て爺ちゃんから聞いた事がある。」


「その採掘場は今もあるんですか?」


「確かあるはずだけど……、数十年前に閉鎖されてから使われてないからなぁ。」


「あの、そのエラコンドが流通されてないのは何故なんですか? エメナルよりも固いんですよね?」


 そういえばそうだ、だったらエラコンドが流通していてもおかしくはないはずだ。


「当時の技術では加工は難しかったんですよ。頑丈なのは調査でわかっていたんですが、それを利用できなかったんです。研究を重ねていればもっと広まっていたかもしれません……。」


 残念そうにモハンは語る。


 翌日、俺達は採掘場跡へとやって来た。


「ここ、昔お兄ちゃんと遊びに来た事あるよね?」


「あぁ、そういえばそうだった。」


 当時は此処に貴重な物があるとは思わなかったな。


 早速中に入り壁を調べていく。


 モハンは小型ナイフで壁を削りそれを持ってきた鑑定機にかける。


「間違いないです。ここにあるのはエラモンドですよっ!」


 興奮した様にモハンは叫んだ。


「全部は取り切ってなかったんだな。」


「もしくは、利用価値が無くなったから採掘を止めちゃったんだろうな。」


「出来れば鎧一つ分ぐらいは持ち帰りたいんですが……。」


「ランシュ、頼めるか?」


「任せてください。」


 こういう時の為にランシュを連れてきた。


 ランシュは壁に手を当てると、ボコンボコン

という音共にブロックがあっという間に出来上がった。


「なるほど、土魔法ですか。」


 モハンは感心していた。


「土魔法って初めて見ましたけど凄いですねぇ。」


 タハールも感嘆の声を上げた。


 出来上がったブロックは転移魔法で移動させる。


 その土からエラコンドを取り出して、鎧を作るそうだ。

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