聖女とは?

「なんで、そう思うんだ? じゃあ聖女と名乗っていたのは?」

「まぁ、そうなりますよね。」

 メラニアは苦笑いをしていた。

「まず、私には妹がいるんですが妹が聖女なんです。」

「て言うか、聖女て、自分で名乗って良いの?」

「勿論、条件があります。神の声が聴こえる、とか特殊な力、魔物を近寄らせない、汚れた土地を浄化する等・・・・・・。私にはその条件が当てはまるんです。」

「じゃあ、なんで妹が聖女て名乗ったんだ?」

「それは妹にも特殊な力がありまして・・・・・・、それが『魅了』の力なんです。」

「それ、聞いた事あるよ。確か相手を虜にさせて言う事を聞かせる能力、だよね?」

「えぇ、その通りです。妹は幼い頃から両親や周りの大人を魅了の力で虜にしてきたんです。それは聖女の指名を受ける時もです。」

 聖女というより悪女だな、そりゃ。

「ですから、私はほとんど相手にされていなかったんです。相手をしてくれるのは精霊、もしくは女神様なんですが、基本、普通の人には見えませんから周りからは気味悪がられていました。」

「女神は何も言わなかったのか?」

「女神様は言ってましたが女神様の声を聴けるのはごく一部の人間だけだったんですよ。しかも上層部にはいなかったんです。だから完全無視状態でした。」

 それで大丈夫なのかよ、教会・・・・・・。

「ただ今回、魔王が討伐された事で女神様の介入が少しだけ出来る事になりましたから。まぁ、今までの鬱憤が溜まってますから・・・・・・、どうなるか。」

 ・・・・・・ろくな事にならない様な気がするのは俺だけか?

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