やって来たのは聖女?
村には使われていないが教会がある。
村一番の大きい建物で、ある意味シンボルの様な存在だ。
だが、それも昔の話で今はボロボロになってしまっている。
時間を見つけては修繕をしていて、ちょこちょこ直している。
そんなある日、村に一人の少女がやって来た。
「私、『セントリア教会』でシスターをしている『メラニア・ルーノ』と申します。神のお導きでこの村に住む事になりました。」
「セントリア教会て、言ったら結構でかい所じゃないか。」
セントリア教会と言うのはこの世界では最大の宗教で、政治的な発言力がある。
勇者の選定もセントリア教会がやっていて、ミファを勇者にしたのはセントリア教会だ。
「ミファ様の件に関しましては私は関与してませんよ。その地域事に選定者が違いますので。」
「まぁ、そうだよな。選定者は男だったし。」
「凄い偉そうにしていて上から目線で命令してきて嫌いなタイプだった。」
お陰でミファは教会に対して不信感を持っている。
「それは・・・・・・、申し訳ありませんでした。教会の内情も複雑でして。」
申し訳なさそうにメラニアが言うので、慌ててフォローした。
「いや、別にメラニアが悪い訳じゃないから。」
「教会の中には教えを自分勝手に解釈してる者がいます。しかも幹部にいるんですから困っています。ですから、ミファ様が魔王を討伐してくれたのはありがたい、と個人的には思っているんです。」
「どういう意味だ?」
「実は教会からも魔王討伐の兵隊を派遣させていて私も同行していたんです。名目は『世界救世』の旅、として『聖女』をリーダーとして兵士は聖女の護衛、私は聖女の世話係として。」
「教会が武力持ってるのかよ・・・・・・。」
どんだけ力を持ってるんだ、教会て。
「世界救世と言えば聞こえは良いんですが、実質は御布施をもらうのが目的なんです。この『免罪符』という札を持っていたら、この世で犯した罪は帳消しになり安らかに極楽に行ける、という物なんですが。」
「何か怪しい・・・・・・。」
「はい、何にも効力は無いただの紙です。」
そう言ってメラニアは免罪符を破いた。
「ぶっちゃけ詐欺みたいな物です。訴えられたら確実に負けます。今の教会はこういう現状なんです。情けない話ですが。」
「そうなると聖女、って言うのも胡散臭くなってくるな。」
「そう思われても仕方がありませんが、聖女は実在しますよ。・・・・・・まぁ、多分私なんですけど。」
『へっ?』
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