ユミカの仕事

「大丈夫だったか?」

「まだヒリヒリする・・・・・・。受けた瞬間、記憶が飛んだわ。勇者の力て凄いわね・・・・・・。」

 翌日、ユミカのおでこは真っ赤になっていた。

 後、二、三日はかかるだろうなぁ。

「で、仕事はどうするんだ?」

「食堂をやろう、と思ってるの。王都で働いていた事もあるから、それなりに腕には自信あるし。」

 確かにユミカの料理の腕は確かだ。

 何回か手作り弁当を作ってくれたけど、旨かった。

 それから準備は早かった。

 調理器具等はモハン商店で購入、初めての客という事でかなり安くしてもらった。

 モハン曰く『地元の客を大事にするのが商売の鉄則』だそうだ。

 食材は野菜はセイラの畑から、その他は王都の市場で購入、ギルドがオープンしたら依頼をするらしい。

 店舗はユミカが住んでいた家をリフォームした。

 2階建てにして、1階は食堂、2階は自宅にした。

 店の名前は『レイグース食堂』となった。

 食堂オープン前に試食を作ってもらい、試食会を行った。

 どの料理も美味しかった。

「私は料理は簡単な物しか作れないからユミカさんみたいに素材の味を引き出して美味しい料理を作ってくれる方がいらっしゃってくれて嬉しいです。」

「私なんてまだまだですよ。セイラ様が作ってくれた野菜が美味しいだけです。」

「私もまだまだ研究段階ですから。でも、ユミカさんの子供さん達はきっと好き嫌いせはしてないんでしょうね。」

「そうなんですよ! 長男は4歳、長女は3歳なんですけど、『お母さんの作る料理は美味しい!』て言ってくれるのが凄く嬉しいんです。」

「母親の味て、基準みたいなもんだからな。」

「私の場合は、母は基本料理はしなかったんですけど、簡単なサラダは作ってくれたのが忘れられなくて・・・・・・。」

セイラの野菜好きは母親の影響だったのか   

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