謝罪と制裁
「ダイナ! 本当にごめんなさい! 一方的に別れを告げてしまって!」
ミファ達と色々話した後、俺はユミカと二人っきりになった。
二人っきりになった瞬間、ユミカは俺に土下座してきた。
「いやいや、土下座しなくて良いよ。 昔の話だし。」
「それでも、これからこの村で生活していく為に、私自身のケジメとして謝罪させてほしいの。貴方の心を傷つけてしまったのは事実なんだから。」
まぁ、確かに手紙を読んだ時はショックで暫く何にも手はつけれなかった。
まだ旅に出る前で自宅でボーッとしててミファに心配されてたな。
それでも何とか時間と共に薄れていった。
「まぁ、でも引きずってるかもしれないな。お陰で未だに恋人はいないけどな。」
「本当にごめんなさい!」
「だから、土下座するなって! まぁ、ずっと旅していたから中々出会いが無かっただけだからっ!」
再び、土下座しそうになったから慌てて止めた。
「私、あの時プロポーズされて凄く浮かれて、ダイナの事、何にも考えてなかったの。本当にあの時の私をぶん殴ってやりたいよ。別れるにしてもちゃんと私の口から言わなきゃいけなかったのに・・・・・・。」
今にも泣きそうなユミカに流石に責める事は出来なかった。
「まぁ、これからは子供と一緒に生活するんだろ。俺も出来る限りは協力するよ。」
「ありがとう・・・・・・、変わらないね、ダイナは。」
「良いんだか悪いんだかな。」
苦笑いしながら返事をした。
俺達はそれでこの話を終わろう、と思っていた。
「へぇ~、お兄ちゃんとユミカお姉ちゃん、そう言う関係だったんだ。」
背後から声がしてビクッとなり俺達はギギギと振り向いた。
ニッコリ笑うミファがいました。
目は笑ってないけど。
「詳しい話、聞かせてね♪」
「「はい・・・・・・。」」
素直に聞くしか無かった。
それから数分後、俺とユミカは正座していた。
ミファは腕を組みながら仁王立ちしている。
「・・・・・・という訳です。」
「あの、本当にごめんなさい・・・・・・。ミファちゃんも裏切る事になっちゃって。」
ミファは、はぁ~とため息をついて、
「とりあえず、ユミカお姉ちゃんはデコピンで許してあげる。」
「で、デコピン?」
「うん、それで終わり。」
そう言ってユミカのおでこに指を・・・・・・、
ゴツッ!
「~~~~~~~~~ッ!?!?」
ユミカはでこを抑えて声にならない悲鳴を出してジタバタしていた。
いやいやいやッ!?
デコピンで、あんな固い物とぶつかる音するかっ!?
「で、お兄ちゃん? なんでユミカお姉ちゃんと交際していたの言わなかったのっ!? 言ってくれていたら私、応援していたよっ!?」
「えっ!? お前、俺が女性と付き合うの嫌じゃなかったのかっ!?」
「あのね、私にとってお兄ちゃんの幸せは私の幸せなんだよ。お兄ちゃんが幸せになってくれるなら私はお兄ちゃんの恋を応援するよ。お兄ちゃんを泣かしたり裏切ったりしたら敵認定するけど。それにお兄ちゃんは『家族』として好きなんだから。私だって『好き』と『愛』の違いはわかってるから。」
何かミファから意外な本音が出てきたのは驚いた。
まぁ、その後もミファの説教は続いた。
ユミカもミファは今まで通り接していたけど『お姉ちゃん』から『ユミカさん』と呼び方が変わったのがユミカにはかなり効いていたみたいだ。
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