お姫様の友達はお姫様

「ダイナ、これ見たか?」

 ディオが新聞を持ってやって来た。

「なんか、面白い記事でもあったか?」

「隣国『スグラム王国』の王女様と『ハシマラ王国』の王子様の婚約解消で揉めているらしい、て。」

「えぇ、国同士だったら外交にも影響が出てくるんじゃないか? 原因はなんだ?」

「何でも王子が自国の男爵令嬢と恋仲になって、公の場で王女様に一方的に婚約破棄を宣言したらしい。」

「・・・・・・馬鹿だろ、その王子。何で公の場でやらかしたんだ?」

「さぁな。ただ、その後の王女の行動が凄かったらしい。その場で王子と男爵令嬢をボッコボコにして、逃げたらしい。」

 なんともアクティブな王女様だ。

 でも、そんな事したら確かに問題になるな。

 その王女様、大丈夫なんだろうか?

 ここまでは他人事だと思っていたのだが事態は一変する事になる。


「え? セイラの友達て、そのボッコボコにした王女様なのか?」

「はい、決して手を出すタイプではないんですが・・・・・・。」

 その後、無事に婚約破棄されたそうだが、王子は王位継承権を剥奪されたうえに平民に落とされ、男爵令嬢も勘当されたらしい。

 王女様は、お城で謹慎されていたがお咎めは無かった。 

 まぁ、被害者なんだから仕方がない。

 しかし王女様自らが『それではハシマラ王国に申し訳が立たない』と王に掛け合い、この国に来る事が決まった。

 そして友人であるセイラの元に身を寄せたい、と言ってきたそうだ。

 セイラも意外だったらしい。

 という訳で村の入口で待っている。

 暫くして馬車がやって来て、俺達の前で止まった。

「セイラーッ!久しぶりっ!」

「お久しぶりです。『レイカ』様。」

 馬車から降りてきたのはショートカットの活発そうな女の子だった。

「レイカ様!髪の毛短くされたんですね。」

「うん、自分で切ってきたのっ!過去の私と縁を切るためにねっ。」

「あっ、紹介しますね。こちらが『レイカ・スグラム』様です。こちらは勇者様のお兄様のダイナ様です。」

「スグラム国第一王女のレイカと言います。よろしくね♪」

「ダイナだ。よろしく。」


 

 

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