ギルド誕生

「そりゃあギルドが出来たら人も来るし活気も出るから大賛成だよ。」

 ディオは案の定賛成してくれた。

「ただ、王国の許可も欲しいんだよなぁ。何か色々言われて許可が出ない、という事もあり得るんじゃないか?」

「あの王様だったらあり得るな。田舎嫌いだし、発展するのも気に入らないみたいだからな。」

 そこまで目の敵にする理由があるのかね?

 発展したら国の利益になるはずなんだけどなぁ。

「それでしたら、私が一筆書きましょうか?」

「セイラ姫、良いんですか?」

「えぇ、一部の王族だったらギルド設立の許可を出す事が出来るんです。」

 サラサラと手紙を書いていくセイラ。

「この書状をお父様に渡してください。多分、問題無く許可が出ますよ。」

 ニッコリと笑うセイラだったが何か黒い物を感じたのは気のせいだろうか?

 その書状を持ってミハエルは一旦王国へと戻って行った。


 戻って来たのはそれから二日後で、無事にギルド設立の許可が出たらしい。

「何か知らないが書状を見た王様が即効で役人に指示を出したらしい。」

「セイラ、何を書いたんだ?」

「『私が許可を出しました、不服があるのなら全精霊を引き上げます。』て書いたんです。今、多分農作物が採れなくなって影響が出始めている頃だと思うので。」

 舌をちょっと出していたずらっ子みたいな笑顔をしてるが、それは脅しではなかろうか?

 うん、姫様は意外と逞しい。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る