第13話いつも行くお蕎麦屋さんは決まっている
いつも行くお蕎麦屋さんは決まっている小さい頃から、浅草はちょくちょくお参りにいくところ。浅草寺からはじまり、周辺の神社やお地蔵様など、とにかく小銭を大量に持参して、お参りする。願いごとは、いまだにたくさんある。この年になると、なおさら、お願いごとが増えていく。ただし、それは長生き、ではないことを主張しておく。
参道には、色々なお店が立ち並ぶ。おもちゃ屋さん、おみやげ屋さん、雷おこし屋さん、おせんべ屋さん、犬のお洋服屋さん等々。小さい頃、兄は欲しいと思ったおもちゃを、お参りしてから帰りにね、と大人に約束させられていた。お参りした後、どこのおもちゃ屋でもいいだろうと大人は思うだろうが、レアだったのだろうか、なかなか他では見つからず、結局最初見たお店までまたもどる、という定番のこだわり少年だった。疲れるし、面倒だからなんだっていいじゃん、と子ども心にうんざりしていた。一方私は、出店にあるプラスチックのおままごとや、カラフルなひよこの置物を勝手もらうのが好き。あのどぎつい色合いは他では売ってない、特別感があった。が、今思うと、安上がりな子だった。
さて、母方の祖父母は、浅草はたくさんお店があるにもかかわらず、入るお店はこのお蕎麦屋さん、に決めていた。決して他のそば屋には行かない。いつも混んでいるが、2店舗あるからどちらかに入る。
それに、食べるのはたいてい天ぷらそば。なぜだかわからないが、冷たいおそばをたべずに夏でも温かい方。ただし、今年はあまりの暑さに耐えられず、冷たいおそばにした。立派な海老に、子どものころから大満足!当然そばもおつゆもおいしい。
先日、久しぶりに、父と子どもと行ったら、やはり混んでいて2階へと案内されかかったが、腰の曲がった父の様子を見て、「どうぞ。」と1階の席を案内してくれた。次に来たお客さんは、赤ちゃん連れのご家族だったが、1階が満席だったため2階に案内されたが、奥にエレベーターがあるらしく(見えなかった)、「そちらをお使いください。」と、案内していた。
この年になると、こういうさりげない気配り、本当にうれしく思う。やはり下町は人情の街だからだろうか。こういうの、いいなぁ。
古き良き町浅草とはいえど、新しいビルやマンションがにょきにょき建っていて、街も変わってきている。なにせ、銀座線の駅から地上へは階段でしか上がれなかったのに、エレベーターもできていた。階段も新しくなっていて、低い天井やその飾りがなくなっていて、ちょっぴりさみしかったが、飾りは別のところに展示されていた。
最後に浅草文化観光センターに行き、展望テラスから浅草寺の参道から境内を眺める。ビバ浅草!
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