第4話 きつね寿司

お寿司屋さんだけど、うちの親族がここで買うのはおいなりさんのみ。生魚がのっているのは買わなかった。

おあげが濃いめに煮られていて、甘くて濃い茶色のおいしいおいなりさん。

いつも注文してから作っているのか、しばらく待たされる。待っている間、すぐ食べたくなるが、お店ではいただかず、いつもお家に帰ってから。

美味しさを想像するとじゅわっとくる。

お家に帰って、キツネの絵がついた包みを開け、美味しいおいなりさんをいただく。ああ、中にレンコンの刻んだのがはいっていて、しゃりしゃりこれまたおいしい。

駅前の一等地で、バブルの地上げの時もまだあった。が、最近行ったらなくなっていた。

その後も、色々なお店でおいなりさんをいただき、それぞれ美味だけど、あの濃いジュワッとくる皮にはもう出会えない。きつね寿司さん、どこか別の場所で営業されていたら、また行きたい。


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