6話 書庫

目を開く

周りを見渡す

たくさん本棚が私の周りを漂っていた


「おはようございます、マイマスター」

「お、おはよう……ございます?」


あの時の声が聞こえた方をみてみると

いかにも文学少女と言った風貌の女性がいた


「なにか聞きたいことはありますか?」

「ここがどこか、さっきの状況からどうしてここに居るのか、ここから出る方法はあるのか……大体これくらいでしょうか」

それだけ伝えると

「ここは書庫。ありとあらゆるモノを納めた場所」

「貴女は、魔装の名を解放したことでこの書庫に呼ばれました」

「簡単に出るコトが出来ますが……今出たところで先ほどの閃光に飲み込まれて終わりです」

答えが返ってきた

「そして、ワタシは司書、この書庫の管理者」

「ワタシは貴女に智識を貸し出し、貴女はワタシを楽しませること」


それが、ワタシ達の契約です


その言葉を聞いて

私は理解した


「なら、どうしたら良いの?ヴァナルティア」


その一言を聞いて

微笑みを返す彼女


「ただ、探すだけで良いです」

「貴女が必要だと思うもの」

「書庫には全てが納まっています」


「ん、わかった」

「じゃあ、司書さん」

「本を探すの手伝ってくれる?」


「えぇ、それがワタシの仕事ですから」

「さぁ、契約者マスター


「なにを、お探しですか」


「決まってるよ」

「反撃の狼煙をね」


今度は少しおかしそうに笑う

彼女の性格が少しずつわかってきた


「ならば、見せてください」

「ワタシを扱い、ワタシを楽しませる」


「最高のご主人様マスターの姿を」

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