第6話 野宿の場合、火はなるべく絶やさず、見張りをキチンとつけましょう
私の見様見真似でやった烈震脚もどき(本来は純粋な体術なのを魔力によるブーストで無理矢理したから)で気絶してしまったみんなをティアちゃんと、2人で設置したテントに運び込んだ。
「もうすぐ日も落ちそうだし、みんなの夕食用意するね!」
「手伝うね」
「わたしもー」
フェルに枯れ枝や枯れ草を集める仕事を任せて、ティアちゃんと2人で夕食の準備をし始めた
ストレージから食材と調理器具を取りだしたするとティアちゃんが、苦い目をしてこちらを見て
「エル、あんまりそれやらないでね」
「ん、どうして?」
「モノ入りすぎ」
「え、コレでも少ない方だよ?お母さんなら店開くくらいの量の魔法薬とかしまってたよ?」
「多分、術式いじってる」
ほら、と言ってティアちゃんがストレージを使うと槍と盾、それと鎧が窮屈そうにしまわれていた
「へぇー、ってことはテレパスやディティクトとかも改造してるのかな?」
「かも」
「……今度ちょっと調べてみようかな」
そんな話をしていると
「えだとくさとってきたよー」
フェルが大量に拾ってきたソレの一部をストレージにしまい
「フェルは、火系統の魔法って使える?」
「うん、できるよー」
「じゃあ、この薪に火をつけて」
わかったー、と言って彼女は魔法を唱えた
その言葉と同時に、薪が大爆発を起こした
煙が晴れると、薪があったはずの場所が黒く焦げていた
「……」
「……」
ティアちゃんと二人でため息をついたのは言うまでもない
その爆発で、意識を取り戻したみんなと薪を組んで、火はウィルさんに頼んだ。
「お、うめーなこのシチュー」ムシヤムシャバクバク
「うん、絶品だね」ソレトキミハオチツイテタベタラドウダ
「うちの家のヤツより、おいしいわ」
「……エルの味」
私が作ったシチューは、どうやらみんなのお気に召したようだ……あれ?
「エリスさん、お口に合いませんでした?」
彼女のスプーンがあまり進んでない
「いえ、大変おいしいです……ですが、作って貰っている身分で言える事ではないのですが……」
彼女の皿を見てみた……あぁなるほど
「そのシチュー、肉は使ってませんよ」
「えっ、そうなのですか?じゃあこのお肉は……」
「豆を固めて味をつけたものですよ」
「え、肉じゃねぇのかこれ!」
「はい、そうですが?」
ユイリス教の聖職者は、お肉食べること・強い匂いを纏うこと・賭け事する事
この3つを三禁として、禁じている
だから、それに合わせてエリスさんのために用意したんですよ
「私のために……ありがとうございます」
喜んで貰えて嬉しいな
「……いつもの、人たらし」
「それじゃ、メシも食ったし交代で寝るか」
私とティアちゃん、ウィルさんとサリアさん
エリスさんとアレスさんのコンビで見張りをしつつ(フェルは、私の膝を枕にして寝ている)
今日は寝ることになった
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