第5話 常に自分に最適な距離で戦いましょう

意識を取り戻した後

フェルのことをみんなに説明(ステータスについては言えなかった)

当初の予定通り魔物との腕試しが始まった


ケース1 アレスさんの場合

「しゃあっ!」

素早く突撃し、剣を横に凪ぐ

三体のゴブリンを一斉に倒した

確かに、昔みた王様みたいだった

あの人、横に凪いで地面抉ってたけど


ケース2 ウィルさんの場合

ハイブレイズ上級位火炎魔法

手を地面につけ、そこから巨大な火柱が上がり、前方にいた3体のコボルドが包まれ、焼かれていった。

アレンジされているのか、火柱が拡散し他の敵を巻き込んでいく


ケース3 エリスさんの場合

「ウォーリスの戦鎚よ」

その声と共に天より光が落ちてくる

その光に飲み込まれゴブリンが消え去った

(戦闘用法術ってあんな感じなんだ、流石司祭様)

魔法とは違う、神々の力を借りる法術

神の祝福を受けた人間なら誰でも使えるが

自分の聖印の神以外に力を借りることは相当難しいらしい(近所の神父さんがいってた)


ケース4 サリアさんの場合

「ほな、いくでぇ」

懐から取り出したのは、二つの鉄扇

その一つを投げつつ

もう片方でコボルドを叩いていく

しまいには、二枚とも投げ拳で倒していく

(戦闘じゃ、私と同じ立ち位置だと思ったのに……)


ケース5 ティアちゃんの場合

オーガの攻撃を盾で防ぎ

手に持った槍で確実にダメージを与えていく

ハイウォール上級防護魔法

ときおり、魔法を唱え

オールラウンダーな活躍をしていた


「それじゃあ、エルお前の番だぞ」

アレスさんに呼ばれ

私は、ゴブリン相手に戦闘態勢をとる

左手に持った斧を肩に担ぎ

右手を相手に向ける

と言っても、私は戦闘用の魔法は知らない

使えるのはいくつかの日用系だけだ。

そしてもちろん、木を倒したことはあっても

魔物を倒したことはない。

そんな私がとれる手段として、母に教えて貰ったコンタクトだが、フェルの実力は姫モンスターということで折り紙つき。

ということは、私自身の力でコイツを倒さなきゃいけない。

(どうすればいいの……助けて、お父さんー)

その時、ふとひらめいた

(そういえば、お父さんが一回だけ教えてくれたっけ)

一度だけ、木こりの仕事を手伝ってくれたときにお父さんが、やったこと

(そのせいで、二度とお父さんは木こりのお手伝い禁止になったっけ)

懐かしんでる場合じゃない

両手で斧を握り、一旦息を吐く

斧を持ち上げ

足を上げて、

(一気に踏み込むッ)

大地が揺れ、スライムが体勢を崩す

その隙に、叩き割るように斧を振り下ろす


両断


(か、勝ったぁ~)

崩れ落ちそうになるのを堪え

みんなの方を振り向く


ティアちゃんとフェル以外が倒れていた

ティアちゃんいわく

「いきなり……やったから……」

皆さんには後でごめんなさいって言っておかなきゃ


フェルにみんなを運ぶ手伝いをして貰って、今日はここで野営をすることになった。

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