第4話 戦闘では、消耗を抑えることが肝心です

城門を出て、南へ向かう

そこは平原で、ちらほらと動く影が見える


少し歩いた所で、アレスさんが止まり

「ここら辺で、少し魔物と戦ってみるか」

と言って剣を抜いた

「僕も賛成だ、みんながどれだけの実力を持っているか知りたいしね」

「少々、不得意ではございますが……」

「準備運動にはええかなぁ」

「……やってみる」


皆さん、結構武闘派なんですね

この流れだと、私も戦闘参加ですよね

左目にディティクトをかけて周りの様子を探る

どうやら、スライムが一体居るようですね

見つけたスライムにテレパスで話しかける


『そこのスライムさん』

『(だれ?)』

テレパスは便利ですね

言葉が通じなくても思いで伝わるんですから

『ただの人間ですよ』

『(でも、まおーさまににてる)』

『魔王様にですか?』

『(うん、にてる)』

今の魔王に似てるのかしら

『(アルスフィアさまににてるー)』

『あ、あぁー』

アルスフィアと言えばうちの母だ

ということは、この子には魔王が代替わりしたことが伝わってないのでしょうか?

『あ、そんなことより今あなたを周りの人が倒そうとしてます』

『(ええー、こわーい。たすけてー)』

『はい、もちろんいいですよ。ただ、私も助けて欲しいので契約しませんか?』

『(けーやく?うん、いいよ!)』

『では、あなたの名前はなんと言いますか?』

『(フェルだよ!)』

『フェル、よろしくね』

『(うん!)』

スライムとコンタクト契約魔法を交わす


コンタクトとは、互いに決めたルールを破れないよう魔力による枷で繋がる魔法だ。その枷を通じて魔力を譲渡したり、テレパス無しの意思疎通が可能になる。と、とても便利な魔法だ。

もちろんどんな相手でも効くわけではなく

相手の魔物に知性があり

相手に同意の意思があり

相手が自分と同格以下の実力

でないと成功しない……はずなんだけど……


フェル(クイーンスライム) LV5

STR 320(人間の筋力B)

VIT 380(人間の耐久B+++)

MAT 450 (人間の魔力A+)

RES 510 (人間の対魔S)

DEX 560 (人間の器用S++)

AGI 600 (人間の素早さSS)

LUK 470 (人間の幸運A+)


おかしい

特に素早さSSって……

城の外ってこんな魔物がごろごろいるの!?

(おねーちゃん!)

フェルが話しかけてきた……って

私の体にぷよぷよした物がぶつかってきた

なにが……どうなって……

とびそうになった意識をつなぎ止め

痛みを感じる場所を見る

青色のぷるぷるとした幼女が抱きついていた

(うそだぁ……姫モンスターって……)

姫モンスターとはそのエリアのモンスターの中で一番強く、何故か女の子の姿をしている存在。見た目に騙され餌食になった冒険者は数知れず、出会ったらまず逃げろと言われている筆頭格だ。

まぁ、でも可愛いことには変わりないので頭を撫でてあげた。


「エルフィール?どうか……した……」

ウィルさんが近づいてきた

あー、この状況マズいかもなぁ

ぼーっとしてきた頭に流されないように

「この子は……フェル。私の……コンタクト相……手」

(よろしくー!)

フェルがお辞儀したのを見てよく出来ましたの頭なでなでをしてあげた

「……とりあえず、ティア呼んでくるね」

「たのみ……ました……」

その声と共に意識を手放した




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