第3話 社会では、人は区別されるものです

次の日

私たちは、教会にやってきていた


聖印というものがある

ユイリス教には主神である女神ユイリスの他にも多数の神様が存在する

そして人間はその中の神様の誰かから祝福を与えられていて

聖印として右手の甲に浮かび上がる


…実際は、人間以外にも与えられていて

人間のように決まった場所に出ないだけというのは、母の話



とまぁ、旅に出る者は聖印ともう一つを持たなければ

国外に出られず、国中に入ることもできなくなるため

二つとも持っていない私のために、皆さんが外で待ってくださっています

…困ったときのために、ティアちゃんが側にいますが


「おかしいですね…」

「どうしたんですか、司祭様?」

「そろそろ浮かんできてもよい時間なのですが…おっと出て来ました…」

(あれこれって…)

私の右手に浮かんできたそれは

まぎれもなく、母の背中にある聖印

しかし、半分になったソレだった

(ま…魔王候補の証だぁぁぁぁ!!!)

私の後ろから見ていた、ティアちゃんも心なしか顔を青くしている

「初めて見る聖印ですね。おや?どうしたんですか顔いろが悪いですよ?」

「ハハハ,ナンデモナイデスヨ」

苦笑いでごまかしその場を離れた私はふと左手の甲に違和感を感じた

まさかと思ってみてみると、父の聖印の半分がそこにあった

「こっちが見られなくてよかった……のかな?」

「どっちもだめだと思う」

「やっぱり?そうだよね…」


教会外に出た私たちはみんなと合流し、次の目的地へ向かった


もう一つ必要なものは、ステータススクロールである

本人の強さや装備・犯罪歴などを魔力を紙に通すことで浮かび上がらせる

特殊な魔法紙である

これが有るのと無いのでは、入国審査にかかる時間が倍以上変わってくるらしい


ウォーデン商会で買ったスクロールを片手ににらみっこ

魔力を通して、文字が浮かんできたが…

「ハァ、やっぱり嫌な予感がしたんだよね」

「…何かいてあるか読めない」


エルフィール=クARラスTンド LV1

筋tk 2+

vi久 B8

魔力 S50

r魔s A8

器用 44

素gi 23

LUC E


よくわからない

試しにティアちゃんのを見せてもらうと


ティア=カタレット LV25

筋力 A

耐久 S+

魔力 B-

対魔 A++

器用 C--

素早さ B+

幸運 C


項目は当てはめれば、何とかわかる

でも、数字の意味が…

(困ったときは母に相談だね)

テレパス交信魔法を唱え母に聞いてみる

『それは、多分魔族表記と混ざってるわね』

『何とかならない?』

デモンシール封魔魔法自分にかけたら?あれなら魔族の魔力封じれるし』

『やってみるね』


デモンシールを唱え、再度挑戦!

エルフィール=オブライアン LV1

筋力 A+

耐久 B+

魔力 S++

対魔 S

器用 B+

素早さ A+

幸運 E-


「なんとか、人間のステータスになったね」

「LV1のステータスじゃないのと、おじさんの名字が出てる点除けばね」

盛大なため息が出つつ、これ以上できることはないので

諦めてこれをストレージでしまった


外門にて

「お待たせしました…」

「やっと来たなぁ」

「なんだかお疲れのご様子ですけれど?」

「ほな、さっそく出発しようや」

「すみません」

「…ごめんなさい」

「別に、怒ってるわけではないですよ、それでアレスどこから向かうんだい?」

「南の森越えて、エルフの里を目指すぜ!」


そうして、私たちの旅はグダグダながら始まった

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