第4話

『転生計画書』

 下記のトレーニングは、転生者に自信をつけさせるものである。

 高校生の能力の差は、一か月程度かんずめで合宿すれば簡単に詰められる差である。理由は簡単である。みんな、さぼっているからである。

 ウサギと亀。ウサギは自信の能力におぼれ、昼寝をして亀に敗北するという童話がある。人間社会では、能力のない亀が昼寝をしている。だから一向に差が埋まらない。

 言いたいことは一つ、とりあえず努力してみよう。

「今泉さん、とりあえずが口癖なのか。文章にも出ている」

 再度、トレーニングメニューを確認する。腕立て、腹筋、スクワット。一応、運動部に所属しているが、ここまでの回数をやった覚えはない。そもそも、やっていたらこんな体になってない。

「騙されてみるか」

 とりあえず、やってみることにした。

 一度捨てた命。学校から一時的とは解放されたせいか、頭がすっきりしている。

 僕は、黙々とトレーニングを開始した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る