『俺は怪獣 / I, Kaiju』コメンタリー⑤
■カメ侍推参!
「ガメラがギロンの生首を大剣として装備している」図だけでもはや奇想天外を超えた何かだと思うが、妄想上とはいえギロン剣がずーっと喋りかけてくるシーンが書いてて面白すぎた。
当初はまったく想定していなかった展開で、この話を書いて本当によかったなーと思えた場面。
■ユグドラシル
ワイバーン、甲殻類、節足動物、魚類、擬態生物ときて六体目は植物怪獣の登場である。
花からフェロモンを出して怪獣をコントロールするというアイデアは当初からあったが、東京スカイツリーと合体したことでスケールがデカくなり、物語上でも怪獣事件の中心的な役割を果たすことになった。
東京スカイツリーは2012年開業で、特撮ファンの間では「最初にスカイツリーを破壊するのは誰(どの怪獣)だ?」と注目の的になったが、『電エース』で武器になったくらいで『シン・ゴジラ』でも壊されなかった(商用作品への画像使用料がバカ高いとかいろいろ噂はある)。
画像使用料が発生しない小説でスカイツリーを破壊する作品は数あれどスカイツリー自体を怪獣に仕立てたのは本作が唯一ではないかと。もっとも植物怪獣の芯になっていてほぼ原型がないので映像化しても使用料を請求されないかも。
■セルフレイティングとは
本作のセルフレイティングは「残酷描写」「暴力描写」「性描写」が全部「有り」で設定してある。内容が怪獣同士のガチ殺し合い&喰らい合いなので「残酷描写」と「暴力描写」がてんこ盛りなのは当然。
しかし「性描写有り」とは――?
密かな期待を寄せていた読者の皆様、お待たせしました!
そして残念でした!
フハハハハハハッ!
今回のための設定だったんだよ!
夢オチ嘘ネタバレシーンで何かエロいのが来ると思ってた!?
まあ真面目な話をすると本作はカフカの『変身』の他にジェイムズ・ティプトリー・Jrの『愛はさだめ、さだめは死』のオマージュも入っているので、理性を失い本能に支配されるのは死亡フラグに他ならないのだが――
■銀色のあいつ
「自分が怪獣になった時に一番嫌なのは?」
という設問にはいくつもの回答があると思うが、
「一番戦いたくない相手は?」
に対してトップにくる回答はおそらくこれであろう――ということで、ある意味で必然、そして間違いなく最強最悪のラスボスの登場と相成った。
というわけで今回はここまで。
次回――最終決戦篇。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます