第四話
ピー・・・ピー・・・
『 後は、暫く安静にしていれば大丈夫です。 』
『 ありがとうございます、先生。 』
『 ・・・いや、その・・・ 』
『 ・・・? 』
『 ・・・確かに、あの大量の出血。
後、ほんの少しでも処置が遅ければ
命を落としていた危険性もあったでしょう。 』
『 然し・・・ 』
『 ・・・外傷の、その全てが、急所に至っていない。
それどころか、急所となる血管の切断すら必要無かった。
オペとしては、本当に、ただ
損傷した部分の縫合だけで・・・ 』
『 骨にも、ヒビは入っていましたが
どれも、自然回復で賄えるくらいの外傷のみ・・・。 』
『 警察から聞いた、その状況から鑑みても
最早、神業としか、言い様がない・・・ 』
『 ・・・一体、あの子は・・・ 』
『 息子です。 』
『 ただの、普通の、人間の 』
『 私の、息子です。 』
『 自慢の、私の息子です。 』
『 ・・・なるほど。 』
『 さて、私たちも、頑張らねばなりませんね 』
―――――――――――――――――――――――
「(あれ・・・此処は・・・?)」
「(病・・・院・・・?)」
「 オニーチャン・・・?
オニーチャン! 」
『 パパ!、お兄ちゃんが起きたよ! 』
「 WowWOW!?、ゆ、ユメカ!
Hou・・・だ、だだだだダイジョウブぅ!?
え、エートぼでい!、あ、カラダ! 」
「 はい、大丈夫・・・みたいです。
お蔭様で。 」
「 オニーチャン! 」
「 はは、フローラさん
えっと・・・お久し・・・ぶり・・・?、です。 」
『 先生、夢火くんが目を覚ましました。 』
『 分かった、すぐ行く。 』
「 Hello, Yumeka 」
「 えっと・・・、こんにちはー! 」
「 おぉー!、元気だネー!
ヨカッタ、ヨカッタ! 」
「 じゃあ、チェックするねー! 」
「 はい!、よろしくお願いします! 」
~~~~~~~~
「 うん、ダイジョーブ! 」
「 Ah...、シバラク!
アンセーにしていれば!
タイイン出来るよ! 」
「 ・・・良かった。 」
「 それじゃあ、オカラダ、ダイジ、ね! 」
「 はい!、ありがとうございました! 」
~~~~~~~~~~~~~~~
「 ユメカー!、一緒に御飯食べよー! 」
「 皆さん・・・! 」
「 え・・・、でも
良いんですか!?
その・・・ 」
「 先生には、先にオハナシしておいたから
大丈夫だよ! 」
「 ああ、そうですか、
分かりました・・・! 」
「 はい!、ユメカにはSUSHI! 」
「 え!、良いんですか!?
こんなに沢山 」
「 大丈夫大丈夫! 」
「 ほらほら、オサカナ
沢山、食べないと!
元気でないよ! 」
「 あぁー・・・、なるほど!
では、・・・いただきます 」
「「「 いただきます! 」」」
もぐもぐ・・・
「 美味しい・・・! 」
「 (・・・でも、なんだか和風って感じがしないな。
酢が日本のものじゃないとか・・・、なのかな。) 」
「 おみそしるもどーぞ! 」
「 ありがとうございます! 」
「 ・・・美味しい! 」
~~~~~~~~~~~~~~
てくてく、と町を進んでいく。
「( 道が複雑だな・・・ )」
「( ・・・これ、もしかしたら
地図無い方が覚えやすいんじゃ・・・ )」
一人の男性が前方から走って来る。
男性は、僕の隣を通り過ぎた。
足音は、其処で止まり
「 あ・・・、あの!、ユメカさん! 」
少年の名を呼んだ。
彼が振り返ると
深く、頭を下げて
開口一番。
「 俺と・・・、友達になってくれませんか! 」
「 ・・・ひょえ? 」
WORLD IN LIVER 下園 悠莉 @Yuri_Simozono_2017
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