一話
「(・・・懐かしい夢を見てしまった・・・)」
まぁ、と言っても
あれから数日程しか経っていないし
懐かしいという程の年月が経っている訳ではないのだが
だけど、なんというか。
アニメとかで回想みたいな感じで
過去の夢を見る事というのはあるけど。
まさか、実際に自分でそれを体験する日が来ようとは
夢にも思わなかった・・・。
考えてみれば
夢っていうのは、記憶を整理する際に見るものとは聞くし
それが関係しているというのなら
強ち、否定も出来ない現象なんだろうけど。
でも・・・、その・・・、なんというか。
・・・こうして実際に見てみると・・・
・・・なんだか、照れるな・・・
・・・いや、照れるのも、おかしい気もするけどその・・・
「 Onii-chan!! ohayou!!! 」
「 お、ユメカ、オハヨー! 」
「 オハヨー! 」
「 オハヨウ、ユメカ! 」
「 おはようございます、皆さん。
フローラさんも、おはようございます!。 」
怪談を降りると奥にあるテーブルに
皆は既に集まっていた。
先程、真っ先に覚えたての日本語で挨拶してくれた人が
フローラさん。
褐色がかった肌に黒目。
そして、ややブロンドがかった髪を持つ女の子です。
フローラさんに続いて
これまた明るく挨拶を帰してくれたのはマリアさん。
フローラさんのお母さんで
後述説明するジョニーさんの奥さんで
メアリーさんのお姉さんでもある。
眩い金色の髪と碧い瞳
そして、白い肌を持った美しい女性です。
次に、体をかなり後ろに反らせて
物凄い体制で顔を覗かせながら
壁際からユニークな挨拶をしてくれた人が
ジョニーさん。
フローラさんのお父さんで
先程紹介したマリアさんの旦那さん。
メアリーさんの一応・・・
義兄さん?でもあります。
大きな体に褐色の肌
そして、黒い瞳を持った男性です。
最後に微笑みながら
落ち着いた挨拶を返してくれたのが
メアリーさん。
先程から、何度か名前を出していたと思うけど
マリアさんの妹さんで
ジョニーさんの義妹さん。
フローラさんの叔母さんでもあります。
白い肌に碧い瞳。
そして、綺麗な金色の髪を持った女性です。
こう見えて、元軍人さんで
力も凄いです。
僕とフローラさんを
同時にひょいひょい持ち上げちゃいます。
まだ小さくて女の子なフローラさんならまだしも
それなりに成長していて男の子の僕が
片腕でひょいひょい女性に持ち上げられちゃうってどうなの?
って思われちゃうかもしれないけど
自分でも分かってるんです。
身長小さくて細くて力も無いって事くらい。
・・・せめて、フローラさんを軽々と持ち上げられるくらいには
鍛えておいた方が良いのかな・・・
(ユメカ!。ユメカのオカーサンって説明は入ってない!!!)
ま、マリアさん・・・!?
(こ、この人・・・直接脳内に・・・ッ!?)
「 ユメカ!
This...あー...
Breakfast...アサゴハン...!
出来テルから、イッショにぃ~・・・食べよう? 」
「 はい!、分かりました 」
僕は、適当な席に腰を掛けて
並んでいく食卓を眺める。
今日の朝ご飯はサンドイッチ。
ソースとスライスしたトマトとレタスを挟んだ
シンプルかつ
ソースによって味は変わるけど、サッパリとしたもの。
「 Onii-chan!! 」
びくッ!?
「・・・」
「(やっぱり、お兄ちゃん呼びって・・・慣れないなぁ・・・)」
『 それじゃあ、頂きましょうか 』
・・・皆が、祈りを捧げている。
其処まで、深く信仰しているという訳ではないが
切っ掛けは、ジョニーさんがまだ幼い頃。
よく教会に御世話になったそうだ。
教会の神父も、別に信者になって欲しくて
親切にしていた訳ではなかったのだが
ジョニーさんは、その時
純粋に人間の為に、直向きに頑張って。
人間の様に、総てを救う為にと
その為に自分が出来る精一杯の事をと
理を守り続けてくれている。
こういった巡り合わせも
神様が、縁や人と人との惹き合う力
その理を守って維持し続けてくれているからなんだと
そう感じたそうだ。
神からの恵みだあああ!!!、とか
神は総てをおおお!!!!、とか
そういうのではなくて。
ただ、ありがとう、と。
そう、伝えたくて。
言いたかったそうだ。
それから、軽くではあるが
習慣的に、こういった祈りの場を設ける様になったみたいだ。
そして、娘も、愛する人も、家族も増え、出来た今。
彼ら彼女らにも、加護が与えられますようにと。
こうして祈っているのだ。
ジョニーさんだけではない。
メアリーさんも
マリアさんも
フローラさんも
互いを思いあって
神に、祈っている。
「(僕は、どうしたら良いのだろう。)」
「(僕には、この地の神に対する知識も
彼ら彼女らとの思い出も少ない。)」
「(生半可な切っ掛けで祈ったとしても
それは、違う。
きっと、多くのものを怒らせてしまうだろう。)」
彼は、両手の平を合わせ。
目を瞑り。
深く、感謝した。
そして、強く願い。
そして、硬く誓った。
力を託してくれる命たちへの感謝と
安らかに眠れる様に。
世界中の総てのものが幸せになれますようにという願い。
そして、絶対に彼ら彼女らをも救って見せるという誓い。
幸せにしてみせるという。
強い、強い誓いを。
その為に、最善を尽くし続けると。
そう感謝し、願い、誓った。
「 ・・・いただきます 」
そう、一言告げ
瞼を開いた。
瞼を開くと、皆が待っていてくれていた。
「 あ・・・、すみません。 」
『 良いのよ、このくらい。 」
「 Onii-chan, cool 」
「 へ・・・!? 」
「 照れてる 」
「 Shy Boy 」
「 あ、また顔アカクなってる 」
「 ふふッ、それじゃあ
いただきましょうか 」
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