第34話 オタクの大掃除
「うーん、疲れたー!!」
リビングのソファーに腰を下ろすと同時にボクはそんな声を出した。
今年もあと僅か歳の瀬も近いこともあってか年末大掃除と称して
自分の部屋を中心とした自宅の普段出来てない部分の掃除を
始めたのだが・・・
これが思ってたよりも難敵だった。
普通の掃除なら苦もなかったのだけども普段は動かさない物まで
動かすことになることもあってか日頃からの運動不足などが
祟って想像以上に時間が掛かってしまったのだ。
気づいたらもうお昼も13時を過ぎていたのを今更知る。
「お疲れ様。はい、とりあえず一息ということで」
「ああ~ありがとう~!!」
労いの言葉を掛けながらヨメが冷えた麦茶を差し出してきたので
ボクは感謝の言葉を言いながら受け取り、一口で飲み干す。
「クゥ~!冬場でも喉が渇くと冷たいものは骨身に染みて効くねぇ~!!」
「大袈裟だね~、お昼はどうする?今日はチャーハンだけどすぐ食べる?」
「うん、おねがい~」
力の抜けた声でそう答えたボクに合わせる様にキッチンへと引っ込むヨメ。
それに入れ替わる様に愛情がノコノコと姿を現し、ソファーで溶けてるボクを
見た後、おもむろにボクの膝の上に飛び乗ってきた。
「おっと、どうした?ごはんか?」
ニャアと鳴く愛猫とひょんな会話をしながら、
ほんの少しの間の時間を潰していた。
しばらくするとヨメがチャーハンを作り上げてリビングのテーブルに運んできた。
「はいお待たせ~!今日はコンビニのチャーシューも使った肉増々チャーハンだよ~」
「珍しいね、ここまで肉盛りとは」
「まあ今日は肉の日ということでね・・・ちょっと贅沢したくて」
照れくささも混じった様子を見せるヨメにボクは微笑みを浮かべながら愛猫にも
ご飯を上げるべく立ち上がり、猫の方も付いていく。
お昼ご飯を済ませ、しばし腰を落ち着せていたが
そろそろ作業を再開すべく、立ち上がる。
「掃除再開するの?」
「うん、流石に今日中には片づけておかないと年末は色々忙しいからね。
キミの方は大丈夫なのかい?」
「資料とかの片づけやまとめは終わらせてるよ。あとはまあ普段手を付けてない所の
掃除だけかな?あとはおせちの用意とかだね」
ボクの問いにヨメはそう答える。
それを聞いたボクは負けてられないなと妙に対抗心を燃やしていたが
既に負けている気がするのもあるがそこは気にしてはいけないとも思った。
「とりあえず、頑張って片づけよう。お正月は羽を伸ばしてぐうたら三昧する為にも」
「だね。ゲーム配信とかするにしてもしっかり終わらせないとね!」
お互いにエールを送り合いながらボクとヨメはそれぞれ残った“今年のやるべきこと”を
片づけるべくお互いの持ち場に向かっていく。
ドタバタは年末の風物詩ではありますが今年も何事もなく健やかに過ごせたことを
感謝しつつ、来年もまた良きことが起きることを祈りつつ、大掃除を続けてきます。
「あ、そうだ。宝くじもちゃんと見ないとね」
それでは良いお年を・・・
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