第33話 オタクの半纏(はんてん)
『半纏というかドテラ着た女の子って何というかいいよね・・・』
寒い日が出始めた晩秋の日々に友人でもある“おっぱいソムリエ”の
彼女は眼鏡をクイっと持ち上げてキランという擬音を鳴らしそうな感じで
そんなことを言い出してきた。
ちなみに現在はリモートによる会話で彼女の仕草も一部始終見ることは
できるので彼女は眼鏡をクイクイ上げるモーションを繰り返していた。
「「・・・・・・」」
ボクとヨメはどう反応すればいいのかわからず、しばし沈黙して彼女の
行動を見守っていた。
『―――なんか反応してくれない?』
「あ、した方がよかった?」
「芸人気質なのも時折、反応に困るからね・・・(笑)」
『まあいいや。もう一度言うけども半纏っていいよね♪』
「めげないねぇ・・・というか急に唐突だね」
そんな彼女の頑張りを(若干呆れながら)称賛しつつもボクとヨメは
彼女の唐突な半纏ブームのことについて聞いてみる。
『うん、唐突にブームが(゚∀゚)キタコレ!!ってヤツ』
「ホントに唐突だったんだね」
「いつも通りというべきかな・・・」
だけども彼女の言葉はボクの脳内想像イメージを加速させた。
半纏を着たヨメの姿は確かに良いと思う。
その後、ボクは無言のサムズアップをすると
彼女もそれを察したのか同じ様にサムズアップを返す。
なお、ヨメのみボクらの行動に疑問符を浮かべる状態だった。
『よーし創作意欲とモチベがトクダイマックス!!
次のイベントはキョヌー人妻の半纏イラスト集(ノットRー18)で
いくぜー!!!(゚∀゚)』
「気合入ってるねーっと思ったけどもまさか」
『ウィ!オヨメちゃんやキミたち夫婦にも一仕事して貰うよ!
報酬も50:50で弾むよ?』
「やっぱりかー!!」
コントの様なやり取りを終えたボクらは一息付くために
リビングに足を運んでいた。
机には氷の入った炭酸ジュースのコップが置いてあり、床暖房との
相乗効果で美味さは倍増だった。
床暖房を入れているのあってか我が家のペットであるネコも
まるで溶けたお餅の様に伸び~としたポーズでリビングの中央を占拠していた。
そんなネコを見ながらボクとヨメは先ほどの話の続きをする。
「なんだかんだとトントン拍子に話決まってたね」
「うん、私も創作イメージがガンガン湧き上がってきた」
「やっぱ話し合いは創作の畑でもあるね」
ちなみにボクも1話分だけ半纏話を寄稿してくれと頼まれてそれは承諾した。
「私たちも半纏欲しいね」
「本格的に寒くなる前に今度買いに行こうか」
そんなこんな話をしていくと唐突に
あ、と何かを閃いたヨメはそれを口にする。
「そうだイラストに猫抱いている半纏美女のイラストとかもいいんじゃないか?」
「それって浮世絵とかであった」
「そうそう。歌川国芳とかの浮世絵みたく今風なヤツで・・・おk?」
「―――(ニヤリ)」
ボクのリクエストに黙ってニヤリながらサムズアップする。
その後のイベントでもなんだかんだとみんなで盛り上がったのは別の話である
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