第31話 オタクの方言

「ねえねえ、方言って好き?」

ある日のお昼。

お昼の焼きそばを食べながらヨメがふとそんなことを聞きに来た。

唐突な質問だが何となく理由がわかった。

その理由に関しては後で聞くとしてとりまヨメの質問に

答えることにした。

「そうだね。嫌いではないね。むしろ興味はある」

「だよね、なんかこう・・・いいよね」

ニヤリとしたヨメに苦笑をしながらボクは焼きそばを口に入れる。

そんなボクを見ながらヨメは更に話を続ける。

「ちなみにどんな方言が好き?知ってるヤツでいいから」

ヨメの言葉にボクは箸を口元に入れたままうーんと悩んだ。

印象的な方言となると自分の知ってるだけなら一つしかないが

好きな方言だと悩む・・・

真剣に悩んでいる為か、それがポーズとして形に

出ていたといたようでヨメはそれを微笑みながら見ていたようだが

その時のボクはそこら辺気づいてなかった(後で聞いて少し恥ずかしくなった)

しばらく考えた末、ボクはこう答えた。

「大阪弁、というか近畿の方言が好きかな」

「ほうほう」

意外な返答だったのかヨメは興味深々に頷く。

「それはどうして?」

「やっぱり一番よく聞く方言なのもあるかもしれないし、キャラに

よっての印象も違ったりとかかな?無論他の方言にも言えることだけども」

ボクの言い分にヨメも確かに、と頷く。

「京都のはんなり感や東北とかのちょっと田舎的な感じもキャラや言い回しで

変わってくるね」

それに続くようにじゃあさとヨメがグイッと顔を近づける。

「私だったらどんな方言が似合うと思う?」

「あー・・・うーん・・・」

その問いにボクは本格的に考え始めてしまう。

ヨメ本来の出身を抜きにしても何が似合うかそれをあんまり考えてなかった。

というかどれを選んでもヨメなら何でも似合うんじゃね?という色眼鏡など

自分の脳内リニアモーターカーによる周回プレイ状態になっているのを

ヨメも表に出ていたのか、ふと見ると今にも噴出しそうに笑いをこらえている様子が

見えて途端にボクの顔が一気に赤くなるのを自分でも感じ取っていた。

色々と憂鬱なこともあるけどもこんなそんなで楽しめていくのもオタクな毎日なのかもしれないと思う1日でした(やっぱり後日、友人「爆ぜろ」と血涙で怒られたが)

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