第28話 オタクの忘年会
なんだかんだと年の瀬も迫りつつある12月も半ば過ぎ。
今年の仕事もひと通り終わらせ来年の仕事に関しても一息付いたりと
様々な師走に相応しい出来事も終わってきた中、ボクらは一つの準備を進めていた。
「準備はどう?」
「こっちはOK。そっちは?」
「大丈夫、料理も飲み物も問題ナッシングよ」
ボクの問いにヨメはバッチグー♪と表情付きのサムズアップしてくれた。
一体何の用意をしているかというと“忘年会”の準備である。
今年は流石にお店に集まってというのは(前々から)難しいと感じていたので
リモートを使った自宅での飲み会を行うということに相成ったのだ。
好きな食べ物や飲み物を並べて気心の知れた面々と楽しく宴会の上、
自宅であればすぐに床に付けるという利点の元、仕事仲間やプライベートの親しい面々も同意して実行とそうなったのである。
「いや~みんな結構ノリノリだったのがまさかだったね」
「今年は色々あってサークル参加とかも少なかったからね。打ち上げ含めても難しかったからね」
ヨメの言葉にボクも相槌を打つ。
同人イベントもさることながら、今年は色々と諸事情によって中止・延期となったものが多く、それによる混乱や振り回しはボクらにも少なからずの影響があった。
そういった面でこれといったイベントへの想い出が少ないという後々のネタ作りにも影響を考慮してた友人が今回のリモート忘年会を企画したのである。
リモート飲み会の感じで自分らの好きなタイミングで“自分ら”の忘年会をやれるのではないかと食いついたのだ。
その後はすんなりと決まり、クリスマスのこの時に開催することとなった。
「いわゆるクリスマス忘年会だね」
『いやーまさか。ここまでやる気があるとはこの私の眼を以てしてもry』
『お前さんのは金髪巨乳を中心とした審美眼だろ(笑)』
モニターには二人の今回の参加メンバーが準備を終えたのか雑談を介しており、
ボクのコメントにもしっかりと対応し話を弾ませていた。
ちなみに参加メンバーは“おっぱいソムリエ”である彼女と普段はゲームショップに努めており、
同人イベントにも多々参加していた“オトコ店長”の男女二人だ。
何故オトコ店長なのかは本人曰く『文字起しすると感じ1文字だけだとなんかインパクト不足だろ?』・・・だそうだ。
「とはいえ、お店はいいの?一応雇われとはいえ店長なのに」
『それは大丈夫。ウチはここ最近は通販とかも導入したりしたこともあってか
対面販売は少なくなったけども売り上げは上がってるのよ』
『アンタん所は結構メジャーのみならずな所もあってかマイナー好きからも好評よね』
『それでも昨今のご時世と状況からか仕入れは一苦労だけどね』
『ホントテンバイヤーって最低よね~』
二人の話を聞きながらボクは時折合いの手の様に割って入ったりなどトークも弾む。
そこへ鍋を完成させてテーブルへと持ってきたヨメがコンロの上に載せると同時にコタツへと入る。
「はいおまたせー!話弾んでるのもあるけども始めましょうか」
「「「おおおおおおおおおお!!!!」」」
ヨメの開始の言葉にボクらは意気揚々と声を重ねる。
代表としてボクが乾杯の音頭を務めることとなった。
「えー本日はお誘いいただいた上、参加できたことを光栄に思います。あまり長いのもアレなんでここまですが今年は色々あった中、皆さんお疲れ様でした。来年もよろしく!!乾杯!!」
「「「カンパーイッ!!」」」
モニター越しとはいえ、向こうの二人も色々と多種多様な料理を用意していた。
中には今話題となっている料理宅配サービスのものもあったりと二人とも話題作りの為か奮発したと思しき料理もチラホラあった。
「なんというか頑張ったね~」
『フッフッフ、偶には贅沢も大事と思ってね~』
『何、課金と比べれば軽い軽い♪』
「それもどうかと思うけどね」
二人のドヤ顔しながらの発言にアハハ、と乾いた笑いをするボク
ちなみにウチの食卓も負けず劣らずで鍋は元よりクリスマス仕様の某フライドチキンなど様々な料理が並んでいた。
『いやーそっちは奥さんの手料理もあって羨ましいよ。こっちはからっきしなんでね』
『そうよね~あ~アタシもヨメが欲しいわ~』
『おまえさんは金髪巨乳と銀髪巨乳は全てヨメなんだろうが』
『フハハハハハ(゚∀゚)』
無暗やたらなテンションの高さを見せるおっぱいソムリエの彼女。
(イベントがフイになって溜まってるなぁ~・・・)
『とはいえ、こういうご時世とはいえども気心の知れた連中とリモートでも飲むのは悪くないねぇ』
「確かに直に話さないから色々気まずくなるとか変な先入観はあったかもしれないね」
鍋をよそいながらボクはそう答える。
それに呼応するようにヨメも続く。
「私たちはまあいつも通りだけどもやっぱ今回の状況下だとガラリと環境変わっちゃう人も多いだろうしねぇ」
『だな。ウチも最初ヤベェんじゃねぇのって空気はあったがなんだかんだと大丈夫だったな』
『まあ、いつどうなるかわからないけどねぇ・・・ウチらは【手に職】有りだからまあ大丈夫だけどね』
「人の繋がりは大事だねぇ」
だね~と全員が頷く。
そんなこんなと雑談トークもそろそろお開きといった雰囲気となった。
『さ~て宴もたけなわな訳でそろそろ締めますか~』
「今日は楽しかったよ~ゲーム対戦とかも考えたけども雑談が弾んでそんな感じじゃなかったね」
『まあそれはまた今度で。来年も新年会でやるか?』
「別にいいよ。今年は実家に帰るのも気が引けるし」
『じゃあ三が日のラストにやりましょう!おせちが飽きる頃合いだろうしその頃がいいわよ!!』
「ホント最後までテンション高いね」
『(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)』
うん、なんかよくもうわからないw
そんなこんなで楽しかった忘年会というなのクリスマスパーティを兼ねた飲み会はこうして幕を下ろした。
こんな風に楽しむことも大事だよねと新しい作品のネタを考えながら残り少ない今年の日々を過ごしていくのであった。
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