第26話 オタクなチャレンジ

「ただいまー」

「おかえりー、買い物ご苦労様」

冷蔵庫から飲み物を取り出しているところに買い物から帰宅してきたヨメが

両手の袋を床に置くとふぅーとため息を付く。

「また結構買ったねぇ」

「まあ仕事柄何度も買い物にはいけないからね。買い置きも結構あるよ」

そう言いながら再度買い物袋を持ち上げてテーブルの方に置いて中身を取り出していく。

牛乳や食パンと定番の食材などを並べ一部は冷蔵庫に入れていくヨメであったが

彼女が買ってきたあるものにボクは視線を移す

インスタント食品だ

普通のインスタントであればボクもそんなに気を留めなかったのだが

ヨメが買ってきたそれはそう普通のではなく、限定的なバージョンであったのだ

「・・・また買ってきたんだね」

「え?ああ、うん・・・どうしても気になっちゃって・・・」

ちょっと照れ恥ずかしいのか視線を若干逸らすヨメ。

「いやまあ、別に買ってくるのはいいけどもさ…キミの買ってくる限定版のカップ麺やカップ焼きそば

の当たりはずれのブレの大きさは結構凄いと思うよ?」

「そうかなぁ~?でも前のカップラーメンは美味しかったでしょ?」

「カップラーメンはね…カップ焼きそばの方は割と高いよ?」


「うぐっ!!」

「みたらし団子味とか激辛焼きそばとか…割とアレで泣き寝入りしたのはどこの誰だったかな…」

少し意地悪な感じでボクはヨメの買ってきて悲惨な目にあったことを言ってみる。

当の本人は完全にうう、と項垂れる感じに当時のことを思い出していたようだ。

「別に責めてる訳じゃないけどもそれでも巻き添えでボクも処理してたりしたんでそこだけはね?」

「はい…すみませんでした…」

流石にやり過ぎたかと思ったボクはしょぼくれるヨメをどうにかフォローしようと思った。

「でもチャレンジすること自体は決して悪いことじゃないと思うんだ。むしろ、経験して自分の

糧にすることはとても大事なことだと思うよ。ただ単に食べ物に関しての失敗は多いけども…」

「…ありがとう。だけどそれフォローになってないと思うよ?」

「あれぇ!?」


いつの間にかめそめそしていたヨメも笑涙込みの笑顔を見たのだから結果オーライと考えるボク。

「チャレンジと言えばSNSとかでも色々とチャレンジとか流行ったね」

「ああ、スマホチャレンジとかボトル開けるとかなんかよくわかんないチャレンジね。

スマホチャレンジはやったことあるけども」

「やったのね」

「キミが仕事で外出している時に。SNSに載せるほどじゃないぐらいにありきたりだったからその時だけどね」

瞬間、ボクはヨメの(大きな)胸を見て無言で納得の頷きをしたが直後に笑顔のビンタを食らったのはお流れにして

「どうして人間って変なチャレンジしたくなるんだろうね?」

「あれかな。マンネリとか刺激を身体とかが求めたいからかな?多分」

「ああ、なんとなくわかるね」

ヨメの言葉に相槌を打つボク

「絵とか作品も新しい刺激を持たせる為にチャレンジしたりするんだよね。まあ結構外れるけども」

「ハハハ…身に覚えありまくりで泣きそう…(泣)」

というかもう泣きたい、と思ったその時、ぐぅ~とヨメのお腹が鳴るのであった。

「そういえばご飯まだだったね」

「なんだかんだと立ち話になっちゃったし、手軽く済ませちゃおうか」

「だね、話の元になったカップ食品も買ってあるしそれ食べよう」

「掘り返すようで悪いけど、大丈夫だよね?」

「大丈夫、ちょっとお値段高いけどもスタンダードで美味しそうなのを買ってきたから」

サムズアップしながらいい笑顔で応えるヨメにちょっと不安を抱きながらもボクもカップ食品を選択していくボク

なんだかんだと移り変わる秋のそんなひと時でした。

ちなみに買ってきたカップ麺などはとても美味しかったです。

なお、ヨメはドヤ顔でご満悦でしたことも追記で

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