第22話オタクの予防
「はい、はい…わかりました。いえ、そちらこそお気をつけて」
スマホの通話を終えるとボクは一息、溜息にも感じる様に吐く。
それを見て心配したヨメがボクに一声掛けてきた。
「仕事、一つ無くなったの?」
「いや、ただ最近の情勢もあってか編集とかに時間が掛かるから
今までの様に仕事がしにくくなるみたいでね」
「どこもやっぱり状況的に苦しいみたいね…ウチもイベントの中止や延期で
納品する予定だった作品がお流れになっちゃって…」
そっか、とボクもヨメの気持ちに察したのか元気出してと肩を手を当てる。
昨今の情勢的にかどこもかしこも延期ないしは中止の様相を呈しており、
仕事方面にも影響が出始めていた。
だが決して全部がそうなっている訳ではなく、一部の仕事は依頼先の配慮のお陰も
あってかどうにか収入などは貰えるなどしてはいるがそれも長くは続かないだろうという不安もないわけでもないのが現状だ。
「けどウチの方も依頼料に関してはちゃんと払うみたいだしそこだけはまあ良し、かな」
「だね。この状況下だといつどうなるかわからないのが現状だからね」
ちなみに備蓄などに関しては普段から仕事の関係もあってか常にある程度のまとめ買いをしていたこともあってかここ数日は普通に家で作業をしていたのだがそろそろ備蓄も減ってきたのでそろそろ買い出しに行きたいところだが・・・
「とりあえず、何が減ってる?」
「お米と麦茶はまだ大丈夫だけど他の飲料水やカップ類がちょっとピンチかな?」
カップ麺などを入れている戸棚を見ながらヨメが言っているのをボクはメモに書き込んでいく。
他に何か足りない?とボクはヨメに聞くとヨメはえーっと言いながら戸棚を見ながら
「今のところはそんな感じかな?お菓子はちょっと足りない感じだけど」
「じゃあ足りないのはそんな感じでOKだね」
書き出したメモを冷蔵庫に貼り付ける。
「ふぅ…やっぱこんな状況だと出歩きたくなりたいけど、ここは我慢しないとね」
「うん、外出の際にもマスクも必要だし、手洗いもうがいも大切だからね」
ヨメの言葉にボクは同意を行う。
「消毒とかも大事だけどもやっぱ栄養も付けなきゃね。今日のご飯は美味しいもの作ろっか!」
「材料は足りてる?買い出しの時に一緒に買うけども」
ボクの言葉にヨメはダイジョーブ、ダイジョーブ、と笑顔で応えた。
「有りものでも十分美味しく作れるから問題ないよ。期待して!」
その言葉にボクも笑顔で応える。
色々と世間的にも苦しい状況にはなってるけどもこういう時だからこそ身体と心に栄養は大事だとも思うのであった。
ちなみにこの後、友人たちとオンライン通信で対戦を行ったのだがボクらが惚気ていることが通信で聴こえていたらしく、友人から「畜生、もっと栄養寄越して爆発しやがれ!!!」
と意味不明な言葉を投げ掛けれたのはネタとして今後も使うことにした(本人からも了承済み)
何度も言うが大変苦しいからこそ自分らでも楽しく心を満たしていくのは大事だと心から思う
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