第15話オタクの秋

新年号になってから初の秋。

だけどもまだまだ残暑が続いている初秋でもある。

秋ということもあってか幾つもの秋の風物詩が存在している。

読書の秋、食欲の秋、スポーツの秋とetc.

冬へと至る束の間の季節ともいえるがそれ故、インスピレーションも高まるというもの。

しかしそれでもネタというものは簡単に降りないのまた現実であった。

「うう…ネタよぉ…出てくれぇ…!!」

作業部屋でもある自室でボクはパソコンの前で頭を抱えながら唸るように声を漏らす。

新作の話のプロットを練っていたボクであったが先の通り、ネタが思い浮かばずに現状悩んでいるという。

「おーい、コーヒー淹れたから一息いれたらー?」

外からヨメの声を聴いたボクは言葉通りの息抜きを兼ねてリビングに向かうべき席を立つのであった。

「ネタ出しで苦労してるっぽいねやっぱ」

「あ、聞こえてた?」

ヨメの言葉にリビングのソファーに座ってコーヒーを口に入れながらもちょっと疲れた表情でボクは答えた。

そりゃあねぇと言いながらコーヒーを飲みながらヨメはボクをソファーの自分の隣に座るように促してきたので

ボクはそれに応える為に彼女の隣に移動する。

するとヨメは自分の額をボクの額にコツンと合わせると同時にこう言い出した。

「ネタよ~出てこい~出てきて早く~…」

「…あの…これは…」

「おまじない」

そう言いながら離れたヨメの顔は恥ずかしかったのか若干頬を赤めらめいた。

ヨメのその様子にボクは若干クスリと笑ってしまった。

「なによー!!ネタ出しの為にやったのにー!!」

「ごめんごめん~」

まあそんなおふざけを数分程、やっていたのであった(おまえらホント仲いいな

( ゚Д゚)ペッby知人)


「ねえ、気分転換も兼ねてお昼は外食にしようよ」

「うーん…そうだね。外の色鮮やかな景色も見るのも秋の醍醐味だしたまには良いね」

「それで何食べる?饂飩?それとも蕎麦?」

ヨメの言葉にボクはしばし考える為に沈黙する。

「…そうだ。饂飩にしよう。美味しい天ぷらも食べれる所があるんだ」

「いいね。あと食後は近くの公園を散歩しない?」

「別にいいけどもその理由は?紅葉の秋ってだけじゃないよね?」

ボクの言葉に一瞬、ヨメが固まった。

しばしば無言の視線を合わせた沈黙合戦の応酬をした後、ヨメが白状した。

「白状します。ちょっと最近体重が…」

「なるほど…増えたのね」

コクっと静かに頷くヨメにボクは苦笑しつつ

「まあボクも少しは身体動かさないといけないと思ってたからね…」

「じゃあ善は急げ。美味しいもの食べて運動しましょう!!」

お互いに笑みを浮かべながらうどん屋に向けて出発するボクら。

そんなこんなで秋をそれなりに満喫しているボクらであったのであった。

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