Archiv1 戦況日誌 第167851号 第4巻より抜粋

 通暦1940年8月29日 ラヴォージュ・シュル・カンタン村より


 早朝より、無人地帯から回収された兵士の身元確認を開始。先週より行方不明になっていた者のうち5人の死亡が記録された。


 10時10分頃、わが軍の第36歩兵連隊の陣地に対し、敵方の攻勢有り。我が方も即時応戦し、奮戦の末これを撃退。戦闘終結は午前11時20分頃である。


 我が方の損害は以下の通りである:

死者54人(内兵卒38人、軍属16人)、負傷者106人(内兵卒87人、軍属19人)

機関銃10挺、重砲3門、牽引車1台、馬12匹、いずれも塹壕付近に集中。

また食糧庫より出火し、被害の全容は未知数であることを司令部へ報告。


 12時より後方における遺体の収容を開始。防戦の際に”回収人”が犠牲になったため、数日間無人地帯での活動は断念せざるを得なかった。兵営内にまで腐臭が漂っており、一部兵士の士気の更なる低下が懸念される。


 15時頃、本部より前線視察に訪れた下士官2名が到着。損失した人員と物資の補充について相談。その際善隣教会の司祭より“回収人”の所在について問い合わせがあったことも把握した。諸々の算段を付けた後、すぐに司祭に返答を送るように指示を出した。


 18時、本日唯一の食事。以後、前線の巡回を経て担当士官と防衛計画について協議を実施。帰着後22時、少尉に引継ぎ完了し、本日の任務を終了する。


以上

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