僕のラジオ

 ラジオのことを信頼していたから、部屋でひとり布団をかぶってうずくまっていた。

 耳を澄ましたら、聴きなれないバラードがまるで泣けるようで、涙は流れなかったけれど、胸がつぶれるみたいに死にたくなった。

 僕のラジオ。僕の大好きなラジオ。

 こちらのことを何も知らないで、一方的に語りかけてくる、僕の信頼するラジオ。

「僕もあなたのことなんて何も知らないし、知りたいという欲求もない。けれども、このままいつまでも、僕に語り続けてくれないか」

 そう言葉にしてみたら、震えるほどのひねくれた孤独がはっきりと見えて、とうとう涙がこぼれてしまった。

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