ねえ、神様。
「ただいまー」
そう言いながら私は玄関で靴を脱ぐ。
私の声に反応して、母親がおかえりー、と廊下に顔を覗かせる。
「ただいま、お母さん」
そう言って私は自分の部屋に行った。
荷物を置いて、洗面所で手洗いとうがいをすます。
部屋に戻る最中、記憶を辿った。
「嘘つき!」
思い出した優以とのケンカの原因。
断片的に。優以にそう言われたことだけは思い出した。
その時の罪悪感。
今の私にもある。先輩に嘘を吐いてる。今の状態の私。
先輩には正直でいたい。だって、好きだから。
誇れる自分でありたいんだ。
私は決意して神様を呼ぶ。
リセットボタン 春顔 @writer_harukao
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