#2


 「俺たち暇なんだよ。ちょっとくらい付き合えよ」


 ラウスは短い髪を手で掻き上げた。


 「遠慮する。三神に会えたから、挨拶だけでもしようと思ったんだ」


 「三神なんて滅多に会えねぇからな。気持ちは分かるぜ」


 レインがそわそわし始めた。


 ラウスは気になり、レインに話し掛けた。

 

 「どうしたんだ?」


 レインは立ち上がった。


 「あのおっさん、荷物を持ち上げようとして、持ち上がんなくて、また持ち上げようとして、やっぱり持ち上がんなくて……」


 「それがどうしたんだ?」


 レインはやれやれと両手を掲げた。


 「お前には一生分かんねぇよ、なぁ、ハガン」


 「いや、俺も分かんねぇよ」






 

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