#4






 騒ぎを聞きつけた初老の男がレインらのいる場所にやってきた。たたずまいからして町長だろう。


 町長は半数は後ろで手を結ばれた賊と、半数はなぜかエビのように反り返って結ばれている賊を見て呆気にとられた。


 「どうだ、俺のエビ縛りは!」


 「おいおい、可愛そうだからほどいてやれよ。体勢がキツそうだぞ」


 町長は二人に歩み寄った。


 「これは……あなた達が?」


 ハガンが応えた。


 「あぁ、そうだ」


 「この賊には手を焼いていました。これで王国に突き出すことが出来ます。ありがとうございました。せめてものお礼を」


 レインが口を挟んだ。


 「乾きもので頼む。長旅だから、あと水」


 町長は町へ引き返した。


 「なぁ、レイン」


 「なんだ?」


 「エビ縛りはいいんだが、その反った腹の上に荷物を置くのはなしだ」


 「えぇー」


 





 

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