SFの形をした、ごく素直な青い恋のお話しです

 文章そのものはとっても読みやすいです。一話あたりの文字数も短め。
 でも最初はちょっとわかりにくいかな。もう少し丁寧に人間関係を描いてくれるとわかりやすいかなと思います。でもある程度話が進んで、主要人物三人の位置関係がわかると気付きます。これは三人の青い恋の物語なんだなと。
 出てくるSF的コンピュータ用語は、気付くと現在とそう遠くない水準。コンピュータを攻撃する方法も全く派手さはなく、むしろ地味でリアルです。
 そういった構成上の部分や技術的な部分をはぎ取れば、中身はとっても素直なお話です。最初の2話のつながりが悪すぎて、読みにくくなっている気がします。もう少し色々分かりやすければ★3かな。
(後程訂正です。全部読み終わって、やっぱり★3にしました。後半に行くほど読みやすく、また物語が強くなっていきます。登場人物が皆さん知性的なので怒鳴るとか手が出るようなシーンは一切無い、静かなお話しなのですけれど。それでもかなり感情が揺さぶられます)