第54話 途方も無い数
そんな訳で。
検査から帰ってきた三崎君の顔を拝見して。
それから病状を聞いて帰ってきた。
特に目新しい事は無い。
強いて言えば三崎君の寝顔は思ったより整っていた事。
何せ苦虫をかみつぶしたような顔でノートを取っているところとか。
ため息をついているようなところどか。
見た目にも困っているようなところとか。
そういった表情メインでしか私は見ていないから。
笑顔とか見ればまた印象が変わるのだろうけれな。
そんな事をふと思う。
知佳さんは三崎君のそういう表情もきっと知っているのだろう。
ずるいなと思う。
ちょっとだけだけれども。
さて。
向こう側の本人コピーに感想でも連絡してやる事にしよう。
ただ病院の中で電話という訳にもいくまい。
かと言って家の中で電話というのも声が色々聞こえてしまいそうだ。
家の中で声を出すのは極力避けたい。
今日は家に親がいるから。
それに病院から家に一気に帰るの、ちょっと遠い。
なので中間地点をちょっと外れるけれど図書館まで10分少々自転車を漕いで。
自転車置き場に置いてベンチに座ってスマホを取り出す。
コール2回で向こうは出た。
「どうした。何かあったか」
「今、三崎君の顔を寝顔を拝見してきたところ。病室も確認した。知佳の病室の2つ隣の部屋」
「そうか。ありがとう」
ちょっと落ち着いた口調に戻る。
突然の電話で心配させたかな。
「どうせ病室を確かめる必要があるしね。で、そっちの方はどう」
「概ね順調、というところかな」
声の調子からその言葉が嘘では無いと感じる。
「それで結局、どういう事をするの。最初知佳は駄目かもしれないって言っていたけれど」
ちょっと考えるような間が空いた。
「段階的に説明した方がいいな。向こうの攻撃とこっちの防御、そしてこっちの攻撃について。それぞれ分けて説明した方がわかりやすいと思う」
そう三崎君は言う。
「どうせ私は何もわからないから、話しやすい順番でいいよ」
「わかった。それではまず、敵の攻撃からだ。
ルートサーバに仕事を送りつけるって話まではしたよな」
思い出す。
「インターネットの大元の住所を管理しているコンピュータが13団体あって、それに処理出来ない量の仕事を送りつけるって話だっけ?」
「まあそんなところだ。
その大量の仕事を送りつけるために、今回はホームオートメーションや自動車等に埋め込まれている
送り込まれた
既に千億を超す
「千億を超すって、そんなにあるの」
ちょっと想像を超える。
「例えば自分の周りを考えてみればいい。
スマホがあるだろ。腕時計型のウェアラブルデバイスがあるだろ。自転車の盗難防止チップだって今ではネット対応だ。
家の中の電気製品だって、スマホで電源入り切りできるものは全部そう。照明と冷蔵庫は当然として、エアコンとかAV機器あたりもほぼ全部ネットワーク化されている。家の鍵とか車とかも当然。
そう考えると1人で10位の
そう考えたら千億なんて簡単に行くと思わないか」
確かにそうだなと私は頷く。
三崎君には見えないけれど。
「そういった小型の
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