第113話 今年最後じゃなかったよ!

 昼飯食ったらちょい前母親から頼まれていた運転をしてやることに。


 行き先は小倉南区。

 家と目的地との間にはデカい山があって、かなり距離がある。

 ルートは大まかに二つ。


 山越えるルートとそうじゃないルート。


 山越えじゃないルートはただひたすらに遠い。家から出る時は右折。

 山越えのルートは走り屋さんが出没する峠道で、山越えんルートより少し短い。家から出る時は左折。

 時間は山越える方が1時間弱、そうじゃない方が1時間半かかる。


 とゆーことを頭の片隅にでも置いといて。


 用意ができたので発射おぅるらいと。

 母親は峠で揺さぶられるのがきついとのことで、乗る前からやたら山越えんルートを勧めてくる。

 でも。

 運転すんのは自分。

 長時間転したくないし、クルマは母親のデミオ(1.5リッターのターボディーゼルだから、加速スゲーし走りがいい)。


 こんなの山走るしかないぢゃない!


 家の敷地から出る時、何も言わずにウインカー左に上げたときから母親の激しい口撃が始まったよね。

 でも、そげなモン、受け付けてやりませ~ん。

 完全に無視して左折!

 峠道で情け容赦ない走り方すると、後部座席で転げまわる母親。

 その度、クソんごと文句。

 これを完全無視してさらに走り屋さんのマネゴト。


 到着し、用事を済ませると、またもや峠道から帰る。

 再び文句を言い始める母親。

 その度、


「なら、自分で運転せぇ!そげ、文句ゆーんなら運転せんぞ?」


 と言って諦めさせる。

 そのまま年寄りに厳しい運転をし続け、帰り着いたら15時半過ぎ。

 家に着いたら母親グッタシ。


 いや~…自分の性格の悪さを十分発揮したよね~。


 とゆーワケで、タックル編。


 今回活躍してくれたのは


 バロウズBRSC-64H+タトゥーラTW-103H


 おさらい的な何か、しときましょうそうしましょう。


 まずはバロウズBRSC-64Hから。

 デビューは20年ぐらい前だったかな?ダイコーとゆー今はもう無いメーカーのサオで、グレード的にはかなり高いはず。たしか、上から2番目とか3番目やったと思うよ。


 通販屋さんのサイトに64Hの説明あったので載せときま~す。

 多分これ、当時のカタログに掲載してあったヤツやもんね。


『取り回しやすいレングスのパワフルモデルです。リグのウェイトに負けないティップセクションを備え、ディープレンジでのフットボールジグ、テキサスリグでのストラクチャーへのピッチングなどに最適です。』


 とゆー特徴のサオでして、スペックは


 Model:BRSC-64H

 BAIT CASTING MODELS

 Length(ft.):6’4"

 Lure(oz.):3/8-1・1/4

 Line(lb.):10-20

 Action:Regular Fast

 HDGS=Heavy Duty Guide Setting (オールダブルフット‘T-LNSG’ガイド装着)

 メーカー希望小売価格(税込): 45,100 円


 とゆーことになっちょります。

 改めて値段見ると、ビックリするほど高いよね。

 なんでこげん高いの買ったっちゃろ?っち疑問しか湧いてこんけど、多分これね、セールで安くなっちょったと思うんよね。じゃないと、こんなに高い品物選択肢に入れんし。


 使ってみた感じはシャキッと感がかなり強いかな。いかにも「撃ちのサオ」っち感じよね。でも、テーパーはRF(レギュラーファースト)だから、適度にしなるよ。

 ティップは敏感でバットが強靭。

 6フィート4インチという長さはボートでの取り回しがいいんよね。

 あと、信頼のmade in Japan!


 短所は…無いかな。

 ただ、グリップエンドのエンブレムが外れやすいのはかなりイタダケナイ。

 大体使っている最中に中途半端に外れるもんで、グネグネして気になってしょーがないっちゃん。

 これ、ダイコーのサオあるあるなんよね。サイラスでもアグレシオンでもなりよったし。

 唯一、ギャレット・ディツアーエディションだけはならんかったかな。

 といったことはあるけど、性能的には文句なく良いサオです。



 タトゥーラTW-103Hは14タトゥーラといわれるいちばん初期もの。

 ビックカメラの通販サイトに当時のカタログの説明あったんで、載せときます。

『よく飛び、バックラッシュが少なく、ルアーのフォールも速く、ピンポイントキャストしやすい。TWSはこれらベイトリールの基本性能をすべてアップさせ、TATULAではタフコンセプトボディとの相乗効果で全世界のルアーゲームに旋風を巻き起こす。』


 とのことで、スペックは


 巻取り長さ(cm/ハンドル1回転):67

 ギヤ比:6.3

 自重(g):220

 最大ドラグ力(kg):5

 標準巻糸量(ナイロン 号-m):12-120/14-100/16-85

 Tウイングシステム採用

 スプール径(mm):34

 ベアリング(ボール/ローラー):7/1

 メーカー希望小売価格:27,500円(税込)

 となっちょります。


 使ってみた感じは至って普通。

 巻きは滑らかで、巻く力もそこそこ強いかな。んで、そこそこ飛ぶしね。

 ギヤとスプールにしか金が掛かってないため売値がかなり安く(セールだと2万切る)、コスパが高いのが大きな特徴であり、長所やんね。

 あとは壊れにくいかな。

 ブレーキ性能もいいかな。バックラッシュもそんなにはせんしね。

 オプションカンケーも充実しとるよ。

 といった感じの長所があるよん。

 短所はTWS。材質に問題があったっちゃろーね。巻き取り時、糸押さえる部分(T型の穴の横棒部分)が削れて溝ができるんよね。で、そこに糸が入ってしまうから、偏って巻き取ってしまう不具合が出る。この現象が多発して、インプレッションでの評価は散々。自分もこの不具合の餌食になって修理に出したもん。タダで直ったっつーことはメーカーも分かっていたっつーことなんで、多分リコールとかそげな感じやったっちゃろーね。修理から帰ってきて以来削れてないトコロをみると、材質変更したのかもね。今はバッチシ巻き用として使えてますよん。

 シャフトが長いタイプのスプールなんで、スプールベアリングが本体側にあり、注油する時メカニカルブレーキのノブをいちいち外さんといかん。だき、その都度メカニカルの調整せんといかんのが夜露死苦ないかな。

 あとは…無いかな。

 セットプレート(ブレーキ側)が樹脂製だから、ここがアルミになれば剛性がどう変わるのかな?って興味はあるけど。まぁ、弄りようがないし、考えてもしょうがないことではあるけどね。


 このリール、エントリーグレード並みに安いのに高性能なもんで、プロがトーナメントや撮影で使っていたりするのよね。だから、初心者にも安心してオススメできるよね。


 タトゥーラシリーズは種類が豊富なのも特徴の一つ。

 ノーマルの他にフィネス寄りのウェイトまでカバーできるSV、小さいサイズの80、ビッグベイトや大物専用の300&400、スピニング、サオといったアイテムがあるから、タトゥーラブランドだけで揃えるってこともできるもんね。


 こげな感じでタックル編は終わろうと思いま~す。




 続きまして実釣編、参りたいと思いま~す。


 帰りがけ、ゴムの場所を土手の上から見るとクルマが二台もいやがる。しかも何の断りもなしにオレの場所で釣りしやがりよる(自分、何様のつもりなんやろ笑)き、行く気が失せた。

 だから、前の川対岸で済ますことに。


 とはいえ、ですよ。


 112話の翌日に水門は開けられちまい、水位は激減。

 見た目で1m近くは引いているご様子。


 まぁ、本気でするわけやないし。


 釣れないこと前提で釣り具の準備。


 どうせ釣れんなら、釣れないタックル使っちゃろーじゃないの。


 な~んて、投げやりな気持ちで選んだのは、


 バロウズBRSC-64H+タトゥーラTW-103H。


 しばらく使ってなかったので少しメンテするよ。

 両サイドのスプールベアリングとハンドルノブに注油。

 ピニオンを支持してあるベアリングとレベルワインドのウォームシャフトはグリスアップ。

 メンテが終了するとルアーをセット。12gテキサスがリグってあったので、ゲーリーヤマモト4インチグラブをセットする。色は赤。

 準備完了。

 バッグをπ/に掛け、いざ出発だ!



 ポイントまでは徒歩。

 でったん運動不足だから、歩かないとね。


 県道を渡り土手に出る。

 草刈り重機はかなり下流の方まで移動している。


 良かった。入れた。


 ポイントに到着し、水辺に立つと…


 うっわ~…底、丸見え。


 浅い上に水が澄んでいる。

 これだけでヤル気が半分ぐらい失せた。


 とりあえずルアーを投げてみると、思っていた以上にぶっ飛んでくれた。

 重いリグだから飛んで当たり前なのだけど、それ以上に気持ちいー!本気汁がほとばしってしまいそうなほどに!


 といった冗談はさておき。


 ぶっ飛んでくれたことで、下がったテンションが少しだけ持ち直す。


 対岸の木に引っ掛けないよう、力加減に注意しながら周囲を狙う。

 異常無しだから小移動。


 次は護岸。

 ブロックに直撃させないよーにね。オモリは鉛なので直撃したら一発で変形するからね。そうすると糸に傷が入って切れる恐れがあるからね。



 そのまましばらく釣り上がっていくと、根掛かり外れた衝撃でワームのみロスト。

 5インチカットテールのプロブルーにチェンジ。

 上流方向に移動していくと、いつも折り返す旧橋脚跡のちょい下流辺りで激浅になる。


 ここで折り返しやな…リグ換えよ。


 糸を切り、オモリを外し、ヨリモドシを結ぶ。その上20cm付近で糸を切り、リールからの糸をヨリモドシに結ぶ。

 ハリを結ぶとヨレ対策仕様のノーシンカーリグの出来上がり!

 ワームはゲーリーヤマモト3インチファットヤマセンコーで、色はプロブルー。

 手返しをよくするため、ハリのシャンクに板オモリを3cmほど巻く。


 釣り下っていくと、石畳が切れた辺り。

 底を取ると、


 コンッ!


 弾くようなアタリ。


 食った!


 巻くのを止めて待つものの、持って行かない。

 聞いてみると、僅かに重さが乗っているような気がする。


 居食い。


 アワセると、


 スポッ!


 何の抵抗もなくルアーがぶっ飛んできた。


 タイミングは間違ってないのに、なんで?


 ワームを見るけど歯形は無い。

 オモリを見てみると…引っ掻いたような跡が!


 バスやん!食っちょったんやん!ここまで口に入っちょーんに、なし掛からん?意味不明やし。


 今ので精神的ダメージ極大。

 テンションダダ下がり。


 同じところに投げ込むけど、そうそうウマいハナシなんかあるはずがない。


 ガッカリしながらスタート地点まで釣り進む。



 ついに戻ってきてしまった。

 ボーズを覚悟しつつ、真正面に投げる。

 が、案の定異常無し。


 少し上流方向に投げるけど、やっぱし異常無し。


 下流方向ならどうだ?


 大して期待もしないまま底を取り、チョンチョン躍らせながら引いてきていると、


 コンッ!


 弾くようなアタリ。

 巻くのを止めて待つけど持って行く気配がない。


 吐き出したかな?


 ゆっくりサオ先を上げ、聞いてみる。

 すると、


 クンッ…クンッ…


 チビみたいな元気のいい反応の後、


 グッグッグッ…


 持ってった!


 ひと呼吸置いてアワセると、重さが乗って下流方向へと突っ走る。

 強引にサオを立ててこちらを向かせ、ゴリ巻きして寄せてくる。

 途中、


 バシャバシャッ!


 ド派手なエラ洗い数発。


 とゆーことは本命様。


 さらに巻くと足元まで寄ってきて反転。


 姿が見えた!結構デカい。


 既に日は落ちかなり暗いから、掛かり具合が全く見えない。

 少し上流まで引っ張って行き、水門の溝に下りて抜き上げた。


 口に左手親指をねじ込み持ち上げる。

 お腹が凹んで膨らみかけている女の子。


 っち、あれ?なんか見たことあるような魚やな。


 どうも112話で釣った魚に似ている、な~んてこと考えつつ、ハリを外す。

 掛かり具合を見てびっくり。とても抜き上げていいような掛りじゃない。唇をすくうように掛かっちょーだけやし。


 あっぶねー!


 超絶ビビり上がったよね。

 ハリのシャンクを持ってちょっと捏ねてやると、ポロッと外れた。


 ともあれ。


 バレんでよかった~。


 っちゆーか、たいがいで網買えよってハナシなんやけど。


 スマホのカメラを起動し、記念撮影するとサオの模様で大きさを測る。

 下アゴ持って体勢を低くし、そっと落としてやると、勢いよく深場へと戻って行きましたとさ。


 既に真っ暗。

 いい時間なので、撤収だ!


 帰って測ると45cm。

 この前の魚かと思い、写真を見比べてみたけど少し違うみたい。痩せ方は似ているけど、頭でっかち具合がだいぶん違う。今回の方が少し肥えていて、頭が小さく見えるのよ。



 今回は水がないのに釣れてくれた!


 とゆーことは、寒くなるまでもぉちょい楽しませてもらえるのかもね。


 釣り場の選択肢が広がったみたいで嬉しくなった釣行でしたとさ。


 おしまい。

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