第104話 デカいの二本❤

 デカいの、キター!

 しかも、二本もばい!!


 こげなことあったら、


 これからも、ずぅ~っと!


 な~んて期待、してしまうよね~。


 でも、現実は…。

 通いまくり、必死こきマクってやっとのことで一本を搾り出す、といった状況。

 こ~んな夢みたいな出来事、そうそう起こらんし。


 と、悲しくて厳しい現実噛みしめたところで、本編。イッとくとしまっしょーかね。


 まずはタックル編から!…なのだけど、活躍してくれてのは、


 リべリオン661MHFB-G+スティーズA TW1016-CC


 と、


 ファンタジスタYABAI FNC-69MH TORQUE CORE SHAFT+リョウガ1016H


 なんよね。

 で、ルアーがピーナッツⅡ黒金と、2.5インチヤマタヌキ。

 全て割と最近、ヤマタヌキに関しちゃ前回活躍したばっかなので、今回のタックル編は無し。


 とゆーわけで。


 実釣編、はっじまっるよ~!


 昨日は「さぁ、行こう!」とゆー段階で見事に寝落ちしてしまい、一日まるっとパーになりました。

 そして今日は休みの最終日。


 釣りに行くのだ!とゆーワケで、朝から色々と考えた。

 仕事以上に考えた。


 まずは場所。

 今日の気分は前の川。

 でも、何日か前から草刈り(正雄)やっているので、入れるかどうかわからないんだな~、これが。

 だから、タックル準備する前に偵察だ!


 スウェットの下を穿き(←下がパン一だったため)、庭に出る。

 門からニョキッと顔出して土手を見てみると、スタート地点付近ではユンボが絶賛稼動中。んで、2トンダンプ(平成最初ぐらいの年式。マツダタイタンの青)が河川敷を走り回っておりまする。


 これはダメだ。あ~あ…でったんモードやったんに。


 いきなし出鼻を挫かれ、テンションダダ下がり。

 ならもう自分のレパートリーの中じゃゴムの場所しかないよね。

 クルマ出さないかんとか…イヤやな。


 場所は決まったから、次はタックル。

 本日は晴れ。でも、昨日は雨やった。


 なら、水がよくなっちょーかもね。


 っつーことは。


 活性、上がっちょーかも。巻きで釣れちゃったりするのでは?


 膨らみまくる妄想。


 モッコリと膨らんだところで一本目は巻きに決まる。

 リベリオン661MHFB-G+スティーズA TW1016-CC。

 糸はナイロン16ポンド。


 二本目はスピニング。

 ちょい前初代ルビアスにPE巻いたっちゃんね。だき、使ってみたいやん?

 とゆーワケで。

 ハートランド・クロスX HL-CX601LRS-G+ルビアス2004。

 糸はPE0.8号で、リーダーはフロロ10ポンド。

 ルアーはゲーリーヤマモト・ディッシュワーム。色はダークブラウンブルーギル/クリスタルクリアー(ノンソルティ)。リグはノーシンカー。


 三本目はフツーのベイト。

 ファンタジスタYABAI FNC-69MH-TORQUE CORE SHAFT+リョウガ1016H。

 糸はフロロ16ポンド。

 ルアーはヤマタヌキ。色はスカッパノン/スモールブルーフレーク。リグはノーシンカー、とゆー名のハリのシャンクに板オモリを巻いたヤツ。


 タックルの準備完了!

 こいつらをハイラックスの助手席にぶち込んで、いざ出撃だぁ!



 ゴムの場所のスロープを下りたらクルマが三台もいやがった。

 入りたいポイントに人はいないものの、十分干渉する距離にはいる。

 ここで釣りしようものなら引っ掛けられてイラッとくること必至。


 や~めた。


 せっかく上がったテンション再びダダ下がり。


 河川敷をパリダカの如く激走して下流の消波ブロック帯に行くことにしたのだが、昨日の雨で河川敷はベチャベチャ。ところどころ水たまりもある。


 イボるかな?このクルマでイボったら、JAF助けに来れんのでは?


 心配になってくるものの、突っ込んでいくとそんな気配一切なし。

 呆気なく走破できたし。

 とゆーか、四駆にすら入れてないよ?


 流石「生きて帰ってくるクルマ」の一つ(他はランドクルーザー)なだけある。走破能力、激しく高いよね。

 感動しているところで思い出す。


 そーいや、パジェロミニもそうやったよな。


 と。

 もし、あん時子供が事故って廃車にしてなかったらハイラックスとの出会いは確実に無いわけで。

 間違いなくハイエースのスーパーロングハイルーフを買っているものと思われ。


 といったワタクシのifなクルマ事情は今ホントにどーでもいー。


 無事到着したからまずは巻きから始めるよ。


 只今の気分はクランクベイト。

 タックルボックスを開けて眺めていると、ピーナッツⅡSR(シャロ―ランナー)の黒金が目に留まる。


 コイツをスナップに繋いで、いざ!釣り開始!!


 釣り場に立つと、上流からはオニのよーな爆風。

 いきなしバックラッシュすんのも嫌だから、まずは下流側に投げてみる。

 すると、追い風に乗って飛ぶ飛ぶ!

 これがもぉ気持ち良過ぎて。

 カウパー漏えいしちまったよ。ま、ウソやけどね。


 川は昨日の雨でちょっと雑炊(ヒガシマル)=×、増水=○していて、前回よりも20cmほど水位が高い。


 うん、いー感じ。


 一定スピードで巻くと、時たまサオに伝わってくる消波ブロックの感触。


 この感じ、いい!よすぎる!!これは貰ったな❤


 っち、気が早いぞ、オレ。


 おっと、あまりの良さに思わず「オレ」とかゆってしまったよ。セシリア様から「オレって言った!」っち言われそうやな。


 ん~なクソしょーもないジョーダンはさておき。


 巻き心地を堪能し、回収すると次は上流方向にキャスト。


 すると…。


 モーレツな逆風にもかかわらず、想像以上に飛んでくれた。


 些細なことやけど、こーゆーのっち嬉しいんよね。


 着水し、サミングするとリトリーブ開始。

 そして、着水地点から1/3ほど巻いたところでドラマは起こるのです!

 リトリーブ中、クランクのプルプルに集中していると、


 ゴッ!


 強い衝撃。

 同時に巻く手が止まる。

 今引いているピーナッツⅡSRの潜航深度は1m程度。

 立ち位置より上流に消波ブロックはない。


 と、ゆーことは…食った?


 そう思った時には反射的にアワセていたよね~。

 直後、


 キュ―――――ッ!


 水切り音を発する糸。

 大きく弧を描くサオ。


 うぉ~~~っ!でったん強いき!!


 強引にリールを巻くと、水面に向かう気配。

 一気に失われていく重量感。


 飛ぶ!


 必死こいてリールを巻く。

 こんな時はもう少し早いギヤ比の方がいいよね。

 数瞬の後、


 バシャバシャ!


 ド派手なエラ洗い。


 この様子をちょい上流にある橋の下で釣っていた集団から見られていたようで、


「おぉ~!」


 歓声が上がる。


 しまった!あいつら見ていやがった!近いうち間違いなくこのポイントつぶれるな。


 ヤな想像してしまうけど、それはそれ。

 来てくれたことがとにかく嬉しくて!

 とゆーのもこの魚、今年二本目の巻きフィッシュなのよね。


 サオを少し寝かせ気味にして、不意の突進に警戒しつつ巻き取ってゆく。

 消波ブロックの際まで寄ってくると、軌道が変化する。

 隙間に潜り込もうとする気配。

 それをタックルのパワーでねじ伏せる。


 こんな時、ローギヤっちいいよね♪ハイギヤやったら左手弱いき力負けするし。


 消波ブロックから引き剥がすと、目の前数mのトコロまで寄ってきた。

 そしてまたもやド派手なエラ洗い。


 うっひょ~!こーゆーのっちシビレ上がるよね~。


 さらに巻くと、お魚さんは足元に。

 サオを立てると顔を出す。

 かなりデカい!そして、やっとのことで掛かり具合が見えた!

 ハーモニカ食いしていらっしゃる。

 糸は16ポンド。


 この掛かり方ならバレんやろ。


 せーの!でサオを立てて、一気に抜き上げた。


 河川敷で暴れる魚を押さえ、ラジペンでハリを外すとじっくり観察。

 擦り切れた尻尾は既に元通り。お腹は一旦凹んで膨らみかけている、アフター回復系の女の子。


 う~ん、いーね❤


 と思ったけど、右目がダメになっていたよね~。

 ファイト中にハリが刺さったかなんかしたっちゃろーね。黒眼が歪やもん。

 この頃こんな魚がちょいちょい釣れるけど、やっぱブームの影響なんやろーね。


 スマホのカメラを起動して、いい方の目ん玉が写るような持ち方で記念撮影。

 何パターンか撮ってサオの模様で大きさを測ったらリリース。

 そっと水に浸け、アゴを解放してあげると、


 バシャッ!


 水しぶきを盛大にあげ、元気に深場へと戻っていきましたとさ。


 おかげでビショビショになっちまったワタクシ。

 思わず、


 もうこんなに濡れてるじゃないか❤


 そんなセリフが口からこぼれ落ちたよね。


 それはいいとして、二投目で釣れるとか、今日はなかなか調子いいぞ!


 おかげさまで心に余裕ができた。

 ならば、今度はスピニングじゃ!

 持ち替えると糸を指に掛け、ベイルを起こし、バックスイングからの~…ビュッ!


 シャ―――――…ポチャ。


 完全ノーシンカーなのにかなり飛ぶ。


 やっぱ、PEは飛ぶよねー。


 感動しながらベイルを戻す。

 ルアーを沈め、チョンチョンサオ先を動かしながら引いてくると、時折、


 ブルッ…ブルッ…


 生命感はあるものの、アワセを入れても乗らない。

 これがしばらく続いた後、反応は無くなった。

 どうやら見切られたご様子。




 このタイミングでフツーのベイトに持ち替える。


 ヤマタヌキ、はたしてリョウガみたいなゴツイリールで飛ばせるモノなのかどうなのか。

 心配半分、期待半分の一投目。

 タラシの長さを20cmほど取って、


 カチッ!


 クラッチ切って~、バックスイングからの~…ビュッ!


 ヴ―――――ン…ポチャ。


 そんなに重くないけど空気抵抗少ないから、対岸近くまでぶっ飛んだ。


 なかなかEぢゃないのよ!


 今後も継続して買うことが決定した瞬間。


 底を取り、チョンチョン跳ねさせるイメージで引いてくる。


 しばらくこげな感じで頑張っていると、その瞬間は訪れるのです。


 流心らへんにある、たま~に根掛かる何かを通過中。

 ゴリゴリとした感触をサオに感じながら動かしていると、


 コンッ…


 明確な吸い込む系のバイト。


 食った!


 巻くのを止めて待つと、


 グッグッグッ…


 ゆっくりサオ先を絞り込んでいく。

 ひと呼吸置いてアワセると、重さが乗った。

 直後、重量感あふれる突進が始まる。


 ヤバい!そっち、消波ブロックある!


 力任せにリールを巻くと、みるみる重さが失われ、


 ガボッ!


 エラ洗い。

 魚の姿が見えた。


 デカい!


 飛んだ後は潜る

 お約束の抵抗。


 キュ―――ッ!キュッキュッキュ…。


 水切り音を発しながら走る糸。

 トルクフルな引き。

 強引に巻くと、川底と消波ブロックの境目を難なくクリアし、足元に。

 ここで数度の突進をやり過ごしたら、サオを立てて抜き上げる。


 さっきのよりもデカい!っち、ルアーは?


 口から出ているのは糸だけ。


 呑まれた~!でったん活性高いやんか!アワセのタイミング、バッチシやったのに…これ、大出血するかも。


 心配になってくる。

 口をこじ開けると、


 やっぱし。


 ルアーはエラの根元付近に見えている。が、糸を辿っていくと刺さっているのは上あごの内側。


 良かった~。


 ホッと胸をなでおろしたよね。

 エラ孔からラジペン突っ込んでハリを外す。


 改めて手に持って、まじまじと見ると…かなり太い。


 この子、自然なお腹のカーブやき♂かもね。


 写真を撮り、サオの模様で大きさを測るとリリース。

 今度はゆっくり帰ってくれたので、濡れ濡れになりませんでした。




 割と早い段階での追加。

 時間はたっぷりある。

 さらなる追加を期待して色々試す。

 優勝できなかったスポーツマンみたいに(カルアミルクby岡村靖幸)頑張ってみるけど…後が続かない。

 いよいよ反応が無くなったため、まだちょい早いけど撤収することに。


 っち、あれ?大きさ、なんぼやったっけ?せっかく測ったんに忘れたき。何とゆー失態!でもまぁ、どっちも40cm以上の大物やったとゆーことで。




 明日から早番。

 帰り着くのは16時ちょい過ぎ。

 可能な限り釣り場に行って、本数を伸ばそうじゃないか!

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