第65話 これくらいの大きさになると。

 釣れた!


 しかも、ヘタクソスピニングで!


 とゆーワケでまずはタックル編、いってみまっしょーかね。


 と、その前に。

 パジェロミニを失ってハイエース一台となり、走行距離が爆発的に伸びだしたのですよ。

 このままだとエレーコッチャなコトになっちまうから、急きょもう一台買うことにしたんですわ。

 とにかく金は掛けたくないから軽の4ナンバー!しかも、ボンバン!

 ボンバンとはボンネットバンの略で、アルト、ミラ、ミニカの4ナンバーがそれにあたるんだけど、これだと中古価格も税金も安いのよね。まぁ、後部座席がオニのよーに狭いっつーデメリットはあるけど、基本一人しか乗らないから問題ないもんね~♪てな具合でクルマのタイプは決めたけど、もぉちょいこだわりたい。条件これだけだとかなりの確率でATが来るもんね。通勤距離が長いから運転していて面白いのがいい。だからミッションはMT。4速でも5速でもどっちでもいいけど、選ぶ余地があるのなら5速がいいかな。

 あと、安全装備は大っ嫌いなのでエアバッグ無しがいいな。

 快適装備は必要ないな。パワーウィンドウもパワステもいらん。ただ、できればリヤガラスの熱線とエアコンは付いていてほしいけど、これも無ければ無いでいい。

 と、こだわりの条件はこげな感じ。

 これを友達に伝えると、


「え~…ミッション?今、オートマしか乗りきらん人ばっかしやき、なかなか無いばい?すぐには見つからんばってんが、それでもいい?」


 渋い返事。


 でもまぁハイエースがあるワケだから、少しぐらい長引いても全然問題ない。

 いよいよ無い時はまた改めて考え直せばいいし。


 と、すぐには手に入らないことを覚悟したわけなんだけど、10日ほどすると、


「あったよ。アルトばい。会社帰り見にこん?」


 だって。


 早っ!もっと長期戦になるものかとばっか思いよったっちゃけど。ともあれ見っかってよかったよ。


 だから次の日見に行くことに。

 友達の家に到着すると、そこには銀色の軽自動車。


 平成16年式スズキアルト(HA23V)


 新規格のボディサイズになった最初の型。マイナーチェンジ後のヤツでございます。

 実は室内が広いミニカを密かに期待していたのだけど、売れている台数考えたらやっぱコイツが来るよね。


 早速ドアを開け、運転席に座ってみる。

 ちゃんとミッション。しかも5速!

 大っ嫌いなエアバッグ付いてないじゃないの!ステアリング交換できるやん!

 パワーウィンドウ無し。

 快適装備はエアコンとパワステのみ。


 う~ん、ほぼ希望通りの装備!ここまで理想に近いとは!


 マジで感動していると友達が、


「走行距離、見てん?」


 キーをオンにし、液晶に表示された数字を見ると、走行距離はなんと55000km!


 15年落ちなのにハイエースより少ないっちどーゆーコト?


 さらに感動したのでありました。


 この日は現物見ただけで終わり。

 次の日から納車するまでの間、何日間かかけて勇ましくなってゆきますよ!

 足回りにはスーパーダウンサスを入れて、ベッタベタに車高を落とす。つもりが…アルミ16インチ!とか、デカ!ハイエースよりもデカいじゃないのよ!おかげで車高は全く落ちませんでしたとさ。まぁ、フェンダーアーチの隙間がいい感じで埋まったから良しとしときましょう。

 オーディオはスピーカー一体AMラジオしかついていなかったので、パジェロミニからブルートゥース対応CDデッキを移植。スピーカーは無いからメルカリでクラリオンのヤツを購入して装着。

 車内を見られるのが嫌だったから、荷室とハッチバックのガラスにスモークを貼る。透過率5%のスーパーブラックだから完全に真っ黒。

 ステアリングは納車後交換する予定。ボス頼んでいるけどまだ来てないから装着できないのよね。

 こ〜んな感じでなかなかカッコよく仕上がり納車したのでありました。

 これで総額17万円はハッキシ言って安くない?


 運転してみると、これがまたなんとも味があっていーのよね。ボディが軽いから、最高出力54馬力、トルク6.4kg・mという至って平凡な数値にもかかわらず、キビキビと走ってくれる。しかも燃費がいい!引っ張り回しても、渋滞に引っ掛かっても20km/L下回るコト無いもんね。


 何これ、良い!


 とか調子コイていたら、庭と会社の駐車場には油が漏れた跡。下回りを覗いてみると油の滴。オイルシールがイッてエンジンオイルダダ漏れやし。


 中古って、持ち主変わったら壊れるよね~。


 といったことがあり、すぐさま修理となったのでした。

 でもまぁオイルシールを交換した後は特に不具合も無く、元気に走り回っておりますよん。っち、壊れそうな電気仕掛けほとんどついてないもんね。


 シンプルなのがいちばんだ!


 そんな前置きはこれくらいにしといて。


 まずはタックル編に移ってゆきたいと思うのですよ。

 本日活躍してくれたのは、久々のスピニング。


 ブラックレーベルSSS 6101MLXS+ルビアス2506


 スピニングタックルの主力兵器でございます。

 このタックル、42話「チビ3本。」にて活躍したのが最後だったかな。まぁ、しょっちゅう出撃させてはいるんだけどね。

 とゆーワケで、まずはサオ。

 特徴&長所としては強いことが挙げられるかな。カタログによるとフィネスができるパワースピニングという位置付けみたい。よって、3000番のリールを組むことができたりだとか、8ポンドフロロが使えたりだとか、スピニングなのにまあまあ重いルアーを扱えたりする(上限1/2オンス)。

 割と鋭敏なティップ(穂先)にも好感が持てる。ベイトのジグロッドみたいに「コンッ!」って感じの金属的なアタリが出るもんね。

 6フィート10インチとかなり長い部類なので、遠投が効くのもありがたい。

 自重が云々ってブラックレーベル全体の説明にあるけど、そんなに重くは無いよ。ごくごく普通のスピニングタックルって印象だし。

 と、こんな感じかな。

 短所は、これ、ブラックレーベル全体に言えるコトなんだけど、塗装がヘボい。買ってから2年くらい経つと、ブランクスに塗布してあるクリアーが虫食い状に浮き上がってかなり残念な見た目になる。実力至上主義なのはわかるけど、せめてもう少し剥がれにくい塗りにしてほしいよね。

 あと、「鋭敏なティップ」って長所で述べたけど、吸い込むアタリに対して鋭敏なのであって、居食いには鋭敏じゃないのよね。気付いたら重くなっていて、既に見えないくらい奥深くまで飲み込まれ大出血。結果魚が死んでしまったことも一度や二度じゃないもんね。

 といった短所はあるけど、使用範囲が広くて扱いやすいサオですよん。


 リールは07ルビアスと呼ばれるヤツで、結構な名機だとゆーハナシ。ネットではそんなネタをいくつも見ることができますよん。

 特徴&長所として上げられるのは、まず「ザイオン」と呼ばれるカーボン繊維を含んだプラスチックでできているということ。なんでもこの「ザイオン」マグネシウムにも匹敵する強度を持っているのだとかなんとかで、今やダイワのリールの色んなパーツに採用されている。ベイトの時は頼りなさをかなり感じていた(ノーマルT3ね)けど、ルビアスに関しちゃ全くそんなことは無い。そもそもベイトみたいに強引なファイトはしない、とゆーかできない。フィネスドラグを搭載した機種なので、ボディ歪む前に糸が出るからね。

 プラスチック製なので錆びない。そして軽い。厳寒期、手が悴みにくいのもありがたい。

 ドラグの利きがとてもいい。走られるとスムーズに糸が出る。

 回転性能がかなりいい。

 といった感じかな。

 短所は…無いな。

 プラスチック製なので、傷がつきやすかったり熱に弱かったり衝撃に弱かったりといったことは想像できるけど、常識的な使い方している限り熱や衝撃には曝されないでしょ?傷は…まぁ、小傷程度は使っている限りしょうがないよね。ただこれ他のリールでも同じことが言えるのだから、ルビアスが特別弱いってことにはならないよね。

 だから、短所は無しってことで。

 こんな感じでタックル編、〆させていただきま~す。




 それでは実釣編、イきますよん。

 本日はお休み。

 ならば釣りに行かなくては!

 クルマがパジェロミニからアルトに変わったため、使い勝手を試したい。

 選んだタックルは、

 巻き:ブラックレーベルFM701MHFB+スティーズA TW 1016-CC。糸はナイロン16ポンド。

 スピニング:ブラックレーベルSSS 6101MLXS+ルビアス2506。糸はフロロ5ポンド。

 撃ち:ファンタジスタYABAI FNC-69MH+リョウガ1016H。糸はフロロ16ポンド。

 の計三本。

 早速積み込んでみるけど、室内長がパジェロミニよりも長いので1ピースでも楽々収納。

 なかなかいいぞ!とゆーワケで、いざ、出撃だぁ!


 目的地はゴムの場所。

 到着すると、誰もいない。

 クルマを止めたらまずは巻き。

 タックルをおろし、本命場より少し上流の消波ブロック帯に入る。

 草をかき分け水辺へ。

 水位は減水気味なので、あんまし潜ると引っ掛かる。チョイスしたのはピーナッツⅡSR。色はクラウン(レッドヘッド&ゴールドボディー)。が、しばらく巻き続けるけどこれじゃない感。


 やっぱ潜らせよう。


 とか考えを変えたのが良くなかった。ジャッカルのクランクベイト、ダイビングチェリー48にチェンジ…するものの、数投後には、


 ゴッ…


 根掛り。

 サオを小刻みにあおるけど、外れない。

 立ち位置を移動するけど、やっぱし外れない。

 ハリが伸びて外れることを期待し、スプールを押さえ、サオに無理が掛からないよう一直線に引っ張ると…


 プチッ!


 ロスト。


 は~~~(泣)


 でございますよ。


 心がボキボキに折れたので、撃ちへとチェンジ。

 タックルをおろし、本命場に入る。

 自分の流儀である「まずは弱い方から」とゆーことで手にしたのはスピニング。

 ルアーはノイケのケムケムシャッドで、リグはスプリットショット。

 底に沈め、チョンチョン跳ねさせるイメージで引いてくる。が、しばらくすると根掛かりでロスト。


 再度ノーシンカーを結ぶ。


 中古から使おう。


 そう決めて、タックルボックスを眺めていると、目についたのはゲーリーヤマモト6.75インチプロセンコーの切れて短く成ったヤツ。

 このワーム、ネコリグで使うのが一般的なんだけど、結んだハリはオフセット。しかも今日はネコやる気分じゃないからストレート掛けに。

 早速投げてみる。

 糸に指を掛け、ベイルを起こし、バックスイングからの~、


 ビュッ!


 シャ―――――…ポチャ。


 下流側からの風が強いため、着水すると同時に糸の出を制御。弛んだ糸が水面に落ちる前にできるだけ回収する。

 最大限真っ直ぐになったのを確認し、沈む糸の動きを見ていると沈むスピードが突如速くなる。


 マジか!一投目で食ったぞ!


 一呼吸置いてアワセると、重さが乗った瞬間、


 ジ―――――ッ!


 突進されて悲鳴を上げるドラグ。


 うっひゃ~!強ぇ~!マジ恐怖やし。


 必死こいて巻くけど、


 ジ―――――ッ!


 スプール逆転しまくって、寄ってきやしねー!


 それでも巻くのを止めたら障害物の中に入られてバイバイ。だから、サオを立てて巻き続ける。

 何度も何度もいろんな方向に突進したり飛んだり。

 その度にビビりまくる。

 それでも巻き続け、なんとか寄せてくる。

 足元の深場でまたもや大暴れ。突進されまくる。

 引き出された糸を巻き取って取り込み体勢に入るのだけど、またもや突進。

 これを何度か繰り返しているうちに魚の動きが一瞬止まり、護岸に接岸。


 お腹を鷲掴みにして…取った!


 口に左手親指をねじ込み持ち直す。

 キレーな魚。

 腹の膨らみ具合から考えると、産卵に関係ない女の子か男の子。

 いつもの如く記念撮影して逃がしてあげました。

 っち、あ!また長さ測るの忘れたよ。でも、30cmは楽勝で超える立派な魚。


 やっぱこれくらいの大きさになると、スピニングはスリルあるよね!




 割と早い時間でのヒットだったため、当然の如く次の一本を期待するワケなんだけど、このプレッシャー。

 そんなに甘くはなく、追加できず。

 撤収することになったのでした。


 三交代が始まって、突如眠気が襲ってくる毎日。

 釣行回数絶賛減少中です。

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