第48話 近所の水門で。
有給の消化が始まった。
今度の職場は三交代。これまでみたいに「会社から帰って毎日のよーに釣り!」とゆーワケにはいかないのよね。
だから、
今のうちに釣り貯めしとかないと!
と、なんかよー分からん気合を入れてみました。
気合も入ったところで、まずはタックル編。参りますかな。
今回活躍したのは、
ファンタジスタFNC-69MH TORQUE CORE SHAFT+リョウガ1016H。
ここ数話でいちばん出番の多いセットなのよね。だから、こいつらは説明する必要がないのかな、と。
ん~なわけで、今回は活躍したルアーを紹介することにしまぁ~す。
その名はシャッドシェイプワーム。
ゲーリーヤマモトとティムコの合作でありまして。
で、ティムコのウェブサイトによりますと、
『スーパーヘビー級サイズのシャッドシェイプ。
フォール中に受ける水の抵抗を、微妙なバイブレーションとナチュラルなフォール姿勢に変化させます。シャッドシェイプの特徴のひとつであるピンテールは下部面に配置されたドットによってウネリを発生させます。ボディのリブは従来のシャッドシェイプよりも深めに彫り込み、水をしっかりと捉え、バルキーなボディに生命感を与えます。もちろん上面のスリットによるロールアクションも健在です。ノーシンカーのみならず、テキサスリグやヘビキャロ、ワッキーリグでも使用可能。使い手のアイデア次第で様々なメソッドに対応します。バルキーなボディにひるむことなく、果敢に使っていただきたい、ゲーリー史上最大最強ワームです。』
とのこと。
ここからは自分のショボイ言葉でお送りいたしますよん。っち、今回は大人の事情で特にショボイかも。
シャッドシェイプワーム自体は自分の釣り方に於いて、かなり出番の多いルアー。
3インチと4インチはスピニングやベイトフィネス、フツーのベイトでよく使うのよね。
けど、6インチはさすがにデカいから、使うのにかなり躊躇する。
とはいえ。
大きさ的にはDDDシャッドやドライブスティックの6.5インチなんかとそんなに変わらないから、同じように使えるはず。
ゲーリーマテリアルなので、
高比重で飛距離が出る。
フォールスピードが絶妙。
自発的な動きで魚を誘う。
といった特徴があり、それプラス、このワームの特徴であるピンテールのチロチロした動きが超絶なまめかしいはずで、長所になる。…と思われる。
短所はテールが細いから、ギルやチビの多い釣り場じゃチョッカイ出され、食いちぎられる…と思う。
ま、ちぎられてもヤマセンコーの代用品として使えば釣れるんじゃねーのかな?っつー想像はつくけどね。
う~ん…やっぱ欲しくて買ったわけじゃないアイテムの説明すんのはなんか難しいな。そして説得力がさらにねぇな。
こんな感じで中途半端なタックル編を〆たいと思いま~す。
でわでわ。
ここからは実釣編、参りまぁす。
なんか、ちょい梅雨らしい雨が降った。
おかげでなかなか涼しかったりするワケで。
降水量はかなりのモノだったので、減水傾向にあった川の水も元の水位に戻った。
朝飯兼昼飯を食ったあと、タックル弄りながらどこに行くか考える。
ここ最近、子供は金欠で給油することができないらしくて、ワタクシの愛車のどちらかに乗っていく。今日はパジェロミニに乗って行ったから自動的にハイエース。そんな走破能力低いクルマを雨降った後のベチャベチャ河川敷に乗り入れよーもんなら、ソッコーイボってJAF。そーゆー未来が手に取るようにわかってしまうから、クルマで出ることは却下。
家の前で我慢することに。
と、ここで思いついたのがこっち岸の水門。
この水門、「巻きで釣れたらいいよね!」に度々登場する、『近所の水門』のモデルになった場所です。といったどうでもいい情報はさておき。
行くとなると超絶久しぶりなのよね。
なんでそんなに久しぶりなのかといいますと、田んぼの時期限定だから、というのは勿論あるけど、今回のバスブームによる人出が異様なまでにエグくてね。激しく撃たれることにより、とにかく釣れないポイントに成り下がっちまったのよ。そんな中、テレビにまで出てしまい、訪れる人間がさらに増えるとゆー悪循環。
おかげで行く気がしなくなり、レパートリーから外したってワケ。
参考までに、10数年ほど前は釣り人も少なく、入るタイミングによっちゃ大爆釣!しかも釣れる魚は全部デカい。自己最高記録の56cmもここで出たっちゃんね。
たとえ先入者がいたとして抜かれていても、少し待てば魚はまた入ってくる。
調子悪くてもボーズはほぼないとゆー魚影の濃さ。
本流側ではトップでも出るとゆー、今じゃ有り得ないほどのパラダイスだったのよね。とか、そんな昔話に浸るのは虚しくなるから、これくらいにしときます。
この場所狙うなら、落ち込みに浮いた草の塊の中から力ずくで引きずり出し、なおかつ高い足場へとブリ上げないとなので、強いサオ&太糸のヘビーなタックルが必要。
色々悩んで選んだのは、
ファンタジスタFNC-69MH TORQUE CORE SHAFT+リョウガ1016H
って…結局これか~い!とツッコみたくなりますな。
糸は数日前巻き換えてまだ一回も使ってない新品16ポンドフロロ。
ルアーはOSPの名作スピナーベイト、ハイピッチャー1/2オンス。色はブルーバックチャートの金色ブレードを直結する。
用意できたので、土手を見る。
クルマは止まっていない。っちゅーことは、先入者はいない…はず。
歩いてポイントへ。
玄関開けたら2分で…到着してポイントの状況をみる。
人間はいない。
水位はいい感じだけど、水の色が×。
田んぼの水が流れ込んでいて、濃淡はあるものの全域でコーヒー牛乳色。
スピナベで正解やな。ナマズくるかもね。
なんてコト考えながらの一投目。
振り抜いてスプールから指を離した瞬間、
あれ?投げ心地っち、こげなんやったっけ?
引き摺った感がハンパない。そして思っている飛距離じゃない。
二投目も結果は同じ。
イマイチ納得いかん投げ心地。
まさか、もうぶっ壊れたとか?いやいやいや、そんなはずはないでしょ!今年の一月に買ったばかりやし、そげん無茶な使い方してねぇし。なら、どこが悪い?
レフトサイドプレートを外し、Tシャツでスプールとフレームに付着した余分な油や水を拭き取る。
それでも不調は変わらない。
なんで?ゼロアジャスターは扱ってないし…。
しばし考え、
…!
思い当たる節が一つあった!
レフトサイドプレートのマグダイヤルを見てみると…、
やっぱし!
原因判明。
ブレーキダイヤルの目盛が「20(最大)」を指しているじゃ~ないのよ!これじゃ飛ぶわけねぇやんか!そーいや糸巻き替えるとき、バックラッシュせんごとブレーキ力最大にしちょったんやった。コレ、結構よくやるんよねー。あ~、壊れてなくてよかったよ。
ホッとしてブレーキを「4.5」に合わせ投げると、そりゃーもー気持ちよくぶっ飛んでいく。
無事解決。
楽しくて、しばらく巻きまくったんだけど、異常無し。
撃ちに変更する。
糸を切り、ハリを結ぶ。
足場が高いし、デカいのくる可能性あるから頑丈なハリがいい。
そんな理由から選んだのは、がまかつの「ワーム316」。太軸で頑丈なオフセットフック。これの3/0を結び、ルアーはゲーリー×ティムコのシャッドシェイプワーム6インチ。
初めて使うアイテムでございます。
早速セットしてぶら下げてみると、重い重い。
でったんぶっ飛びそう!というのが第一印象。
ま、近距離しか狙わんき、ピッチングしかせんけどね。それでもこの重さならやりやすいはず。
で、その一投目。
水門からの落ち込みに浮く、ダゴんごたー(訳:団子みたいな)枯草の際にそっと送り込む。
着水し、クラッチを戻す。
ゆっくりと沈んでいくルアー。
水の中に引き込まれていく糸。
とここで、
ん?
異変。
真下に引き込まれていた糸が、突如本流に向かって動き始める。
食った!
いきなしのアタリに戸惑いながらも思いっきし後ろに仰け反ってアワセると、一気に流心に向かって突っ走る。
キュ―――ッ!
糸が鳴る。
バットからブチ曲がるサオ。
でったん強い!
最初の突進をやり過ごすと、強引にリールを巻く。
サオを立てると一気にこっちを向いた。
さらに巻くと浮き上り、そのままの勢いで吹っ飛んでくる。
軽っ!
とゆーのがこの魚の第一印象。
食ってから上げるまで30秒ぐらいか?
強い引きの割に軽い魚体。
草の中でバタバタと暴れまわっている。
サオを立てて魚を引きずり出すと…頭でっかちで、長さはあるけどガリガリに痩せ細った超どアフターの女の子。
軽いはずやん。
この魚体を見て想像するのは冬の姿。多分ボッテリお腹で相当にカッコ良かったはず。卵抱いたら1.5kgとかそれ以上はあるかもね。
痩せているとはいえモーレツに元気。
数m先で食って、暴れる間もなく抜き上げられているもんだから、全く体力を消耗していない。
写真を撮るため口に左手親指をねじ込んで持ち上げようとするのだけど、その度暴れられ、指の力が負けて振り切られ、落としてしまう。それほどまでに強い。
二、三度振り切られながらもやっとのことで掴む。それでもなお抵抗するもんだから、親指の付け根が歯で擦れてザリザリに。
ヤスリ状の歯は結構痛い。
バス釣り人の勲章の出来上がり! ←指にできる歯形はバス釣る人の自慢で、ボロボロなほどエラい。たくさん釣ったとゆー証拠だからね。
右手でズボンのポケットからスマホを引っぱり出して、カメラを起動する。一瞬大人しくなったトコロで記念撮影&大きさ測定。指でザッと測ると45cmぐらい。サオの模様でキッチリ測り、記念撮影終了。
足場が高いから、体勢をできるだけ低くし、水面に魚体を近付けそっと落とす。
着水と同時に勢いよく深場へと消えていきました。
この場所で今年初の魚。
上にも書いたけど、この場所複数回テレビに出てしまい、激熱ポイントと化しており、競争率が高くてなかなか入れん上に、魚が警戒しきっていて、よっぽど条件が揃わないと食ってこない。
まぁ、今はどこもこげな感じの場所ばっかなんやけどね。
昔と比較し、その豹変っぷりに戸惑いと不満を覚えつつも、
水位が高い間にあと何回か遊んでもらえたら嬉しいな!
そう思うのでした。
魚は帰って測ると48cm!
思っていたよりもデカかった。
逃がす時にも思ったけど、この魚、回復したらまた会いたいな。
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