第47話 やっぱし凛牙‼️

 今日、社長はずっと会社にいる。


 と、ゆーわけで♪


 帰りがけ、退職願を出すぞ!お~っ!!


 と気合?を入れ、ワクワクしながら仕事を軽ぅ~く流すのです❤


 無事流し終わって終業時間がやってきた。

 事務所をのぞくと社長は営業の社員と雑談中。


 ちょっと今はバレたむねぇな…でもまぁどーせすぐバレることやし、いっかぁ。突入だぁ!


 社長のトコロに行き、


「ねぇっちゃ、〇〇〇(←社長のニックネーム。社長は中一ん時の同クラで、余所の小学校で初めてできた友達)?ちょっといー?」


 声をかけると、


「な~ん?どげしたん?」


 普段と変わらない調子で返事。

 ここで、


「あの…えっと…ちょっと…ね。」


 わざと言葉を濁し、苦笑。すると、何かを察したらしく、


「ここじゃ話しにくいことなん?」


 警戒しながら聞いてくる。


「ん~…まぁ…そう、かも?」


 曖昧な返事をすると、


「なら、ちょーこっち来ぃ。」


 手招きして社長室の中へ。


 不思議な顔をして自分と社長を見送る営業社員たち。

 戸を閉め、改めて、


「で?どげしたん?」


 聞いてきたので、


「あの…コレ。」


 ポケットの中から封筒を取り出す。


 テレレレッテレ~♫退職願ぃ~❤


 封筒にデカデカと書かれたヘタクソな文字を目にし、


「はぁ?何、それ?なんで?何があったん?」


 かなり驚いた様子。

 封筒を渡し、今にも自殺しそうな雰囲気を醸し出して、


「せっかく厳しい時期に拾ってくれたのに…ゴメン。仕事も捌けんで、何もしきらんで、結局雑用に回されるげなことになっしもーて…マジ、申し訳ない。逃げるみたいなカタチになるけどホント、ゴメン。情けなさ過ぎてみんなに合わせる顔がない。お別れの挨拶やら、みんなの前じゃ恥ずかし過ぎてとてもやないが無理。送別会やらも無しっちゅーコトで、そっと去らせて?」


 辞めたい理由を告げた。


 このことをそのまんま朝礼で他の社員に伝えたら面白いな。


 な~んてことを考えつつ、ね。


 それを聞いた社長はしばしの黙考の後、


「わかった。」


 と、縦に首を振る。

 続けて、


「んでお前、次行くトコとか決まっちょーん?」


 聞いてくる。

 会社名なんかを全て伝えると、今後のハナシになった。

 その内容とは、

 ・明日から月末までの約一カ月間、有給消化。

 ・退職金30万円。

 ・夏のボーナス有り。

 といったもの。


 特に何も思うことがなかったから素直にその条件を呑むと、この会社での何もかもが終わった。

 部屋を出る際、


「ホント、今までメーワクばっかかけてゴメンやったね。」


 もう一度謝った。

 全然悪いとは思ってないけどね。


 休憩室をのぞくと直属の上司はまだ帰ってなかったため、辞めることと明日から来ないことを告げ、別れの挨拶をして会社を後にした。


 家に帰り、言われていたとおり名刺の番号に電話すると、来月1日より出社ということが決まる。


 このような流れを経て、転職大作戦❤は無事成功したのでありました。

 よって、これから有給の消化に入りま~す♪




 朝。

 目覚ましはセットしていないため、これまでよりもかなり遅い時間に目を覚ます。

 なんとな~く朝食を済ませ、部屋でダラダラとしていたのだけど、それじゃなんか暗ぁ~い気分になってくるので、とりあえずハイエースにワックスをかける。

 昨日、坊ちゃんがバイトに乗って行って水洗いしているので、純粋にワックスをかけるだけ。

 脚立を引っ張り出してきて作業開始。

 今回使うワックスはシュアラスター。

 付属のスポンジを湿らせ塗り広げていく。

 一度には塗らない。例えば天井は半分塗ったら拭き取る。そしてまた半分塗る。といった具合で少し塗ってはあとに戻り、乾いたところを拭き取っていく。

 2時間ほどで作業は完了。


 う~ん、流石に水洗いしてあると早いなぁ!これで梅雨対策はバッチシばい!


 と満足感。

 そして思う。


 銀色はマジで磨き甲斐がねぇな。


 と。

 磨き甲斐の無さは、これの前の前に乗っていたタウンエースノア(後期)のベージュメタリックに匹敵する。

 ホ・ン・ト、ただ艶が増すだけで、全くキレイになった気がせんもんね。

 ハイエースの前に乗っていたレジアスエースなんか、磨くたんびにウットリやったんにな。ちなみに紺色のメタリックで~す。このクルマ、子供の高校の入学式に行く途中、制限速度40キロの道で80キロぐらい出していて、交差点に黄色で入ったら、右折のクルマに突っ込まれ、電柱に激突して廃車になっちまったけどね。


 ワックスがけも終わり、昼飯も食った。

 すると、釣り欲がむくむくと湧きあがってくる。

 流石に平日だから釣り人も少ないはず。ゴムの場所か、その下流まで行ってみるかな。人が少なかったら巻きも試してみたいな。

 などと考えながら選んだタックルは、

 スピニングがギャレット・ディツアーエディションGDES- 622L+セルテート2500。糸はナイロン8ポンド。


 巻きがブラックレーベルFM701MHFB+T3 1016SH-TW。糸はナイロン16ポンド。

 この組み合わせ、久しぶり。

 前回までカルカッタコンクエスト100を組んでいたんだけど、リールフットが小さくて薄いから、どーにも固定が上手くいかない。飛ぶ感じは物凄く気持ちいいし、巻く感じも好きなんだけど、魚掛けた時の感触がどーにも…ファイト時グネグネしやがるのよね~。勿論できる限りの対策はしている。アブのリールフットに被せる樹脂のパーツ着けて、さらにその上からアルミ板切って作ったハサミものを着けて締め上げる。これでだいぶん治まるのだけど…やっぱ完璧じゃないのよねー。だから思い切って変えてみた。

 T3 1016SH-TWとの組み合わせは、ブラックレーベルFM701MHFB買った当初のモノ。これでかなりの釣果を叩きだしたのよ。

 やっぱロープロリールは加工無しで、カッチリと固定できるから良い!ただ、ギヤ比が7.1と高いので、巻きトルク細いのがちょびっとダメやけどね☝️

 で、カルコンはどうなったかといいますと。T3を着けていたブレイゾン661MBに着いております。ブレイゾンはリールシートの形状がブラックレーベルとは異なっていて、小さなリールフットのリールでも固定できる。カルコンみたいな丸型のリールフットでさえ、何の加工も無しにカッチリと固定できてしまうのよ。使い心地を確かめてみたトコロ、これがまたなんとも良いのですよ。相性バッチリ感がブラックレーベルよりも高い。

 今後、巻きはこの二本体制でいくことにいたします。って、カンケー無いこと書きすぎか?


 撃ちは今回活躍してくれたギャレット・ディツアーエディションGDEC-622M+ミリオネアHL-SLC凛牙103。糸はフロロ14ポンド。ルアーはゲーリー4インチシュリンプでリグはノーシンカーとゆー名の板オモリ巻きウェイテッドフックもどき。


 こいつらをハイエースにぶち込んで、いざ、ゴムの場所下流へ!


 土手の上から見た限り、クルマは一台も止まっちゃいない。っつーことは、下流まで行かなくてよい。ゴムの場所に決定だ!

 スロープを下りてすぐのところにクルマを停めると、まずは巻きのタックルだけを出す。

 ルアーはダイワの超名作かつ超ロングセラーのクランクベイトであるピーナッツⅡで、色はクラウン。

 消波ブロックが沈む場所を狙う。

 まずは少し離れたトコロから足元を狙うけど異常無し。

 次に水際まで接近し、岸と平行に投げトレースしてくる。消波ブロックの上っ面を叩きつつ寄ってきて、今にも食いそう!なのだが、現実はそんなに甘くないみたい。

 上流側、下流側、真正面と扇形に万遍なく攻め続けるも、一切反応なし。


 今日はどーやら巻きじゃないみたい。


 そう判断し、この場所を見切る。

 数10m下流のいつものストラクチャーへと移り、スピニングを投げ倒すがイマイチこれでもないみたい。

 撃ちのタックルにチェンジしてノーシンカーとゆー名の板オモリつきゲーリー4インチシュリンプを投げ倒す。


 しばらくして。

 真正面に投げてクラッチを戻し、底を取るため糸の動きを見ていると…


 フ―――…


 なんか、糸が水中に引き込まれる速さがルアーの重さのそれじゃない。


 食っとるやん!


 反射的にアワセると、重さが乗った!

 直後、重さがみるみる失われ、


 飛ぶ!


 リールを全力で巻いた瞬間、


 バシャバシャ!


 ド派手なエラ洗い。

 そして下流方向へと突っ走り、いつも根掛かりするストラクチャーに潜り込もうとする。

 潜らせないようにサオを立て、リールを強引に巻く。

 どうにか障害物への突進は回避できた。

 かなり強引に巻き取って、障害物の上っ面をかわすと、足元の深場で口を目いっぱい広げエラ洗い。

 掛かり具合が確認できた。


 あれ?ルアーは?


 見えないということは飲まれているということ。


 しまった!活性高過ぎる!


 どうやらアワセ遅かったみたい。

 魚の出血具合が気になる。

 護岸へと引き摺り上げて、口に親指をねじ込むと、あと少しで見えなくなるほど深くまで飲んでいる。そしてエラ孔からは大量に出血。ただ、幸いなことにエラのパーツには傷がついていない。ハリを外すと、見た感じ出血は治まっているっぽい。大きさだけ計ってすぐに逃がしてあげました。

 しばらく気にしながら釣りしていたけど、浮いてもがき苦しむようなことはなかったからひと安心…なんかな?


 ゴメンね、魚。


 心の中で謝った。

 参考までのこの魚、お腹ぺっこんぺっこんに凹んだどアフターな女の子で、42cmもあった。口の中には大きなテナガエビのハサミが見えていたからちゃんとエサは食えていたみたい。

 だから、


 お願い!死なんでね!




 それにしても。


 またもや凛牙!


 でございます。

 このセット、魚と出会える確率高いなぁ。

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