第22話 もう一つの釣れないタックルで!

 カタは小さいけど、今日も釣れた!

 タックルはバロウズBRSC-64H+タトゥーラ103H-TW。


 釣れないセットの中の一つでございます。これを機に、どれも釣れるようになってほしいものですな。



 アルディートのセットはリールがダメダメだったけど、こっちはサオの方がダメダメで。

 ちゃんと用途とかバランス考えて買ったサオなのに…。

 使い始めて一カ月以上ボーズが続き、どうにか魂こもってからも釣果は芳しくないまんま。で、今に至る、って感じなのよね。


 リールの方は、それなりに飛んだり、それなりに軽いの飛ばせたり、50UP釣ったり、まだ寒い時期にもかかわらず、ミノーで釣ったりといった感じで、総合的に見てもかなりのお利口さん。

 でもね。

 巻きだとスプールのどっちかに糸が偏るから、でったんストレス溜まるのよ。

 といった理由で、撃ちやってみたら、まあまあ平行に巻き取れる。

 テキサスなんかだと、軽い部類である7gシンカーでもぶっ飛んでくれる。

 となると、撃ち用に変更するしかないじゃない。なので、修理したカルコンと交代していただきました。


 バロウズとタトゥーラのスペックや使い心地なんかは、14話にて説明しておりますので、もしも、万が一、何かの間違いで興味を抱いていただけたのでしたら、どーぞ、そちらを見てやってちょーだいまし。




 しかしまぁ、なんつーか…今回みたいに前置き少ないと、ファイトシーンショボいから、すぐ終わっちまうのよね。だからここは、無理矢理スーパーグラブの説明でもやって、字数稼いどきますか。

 ではでは、まいりましょうかね。


 ゲーリーヤマモトといえば?


 と質問されて、真っ先に思いつくのがグラブじゃなかろーか。

 それほどまでにド定番。超有名なルアーでございます。

 グラブといえば、今では4インチグラブを指すんだけど、売り始めた初期の頃はスーパーグラブのコトだったのよ。だから、初めて4インチグラブ見た時は「ちっちゃ!」と思ったね。

 以下の説明は4インチと共通なところもあるけど、スーパーグラブとゆーことで、理解しといてくんなまし。


 たしか、売り始めたのは自分が高校二年か三年ぐらいやなかったかな。

 当時は通販が主で、ごく一部の釣具屋にしか置いてなかったし、アイテム数も少なかったな。フラスカート(ラバジのラバースカートっぽいヤツ)付きのフラグラブとノーマルのグラブだけやったような。

 フラグラブが10本入りでグラブが20本入り。

 ワームとしては高額な方で、どっちも1500円ぐらいしよった気がする。

 釣具店が置きだしてからは、店が独自にバラ売りとかもしよったな。「20本入りは多過ぎるよ!」って人結構いたもんね。このシステム、いろんな色揃えられるから何気に良いと思う。もしかしたら、今でもやっている店あるかもね。


 特徴は何と言ってもマテリアル(素材のことね)がいいコト、かな。色んなメーカーがゲーリー手本にするらしいよ。

 どんな特徴かとゆーと。

 まず、塩がたくさん入っていて高比重だから、よく飛ぶ。

 で、沈む速さも丁度いい。

 かなりソフトな素材なので、自発的な動きが超絶なまめかしいのよね。

 だからこれが弱点にもなって、「脆い」とか「すぐ切れる」とか「すぐ裂ける」ことになるんだけど、余所メーカーの方がさらに脆いような…ここは人によって感じ方が違うみたい。


 カタチは…説明しにくいな。画像を見てもらうのがいちばんいいんだけど、言葉で表すと、4cmくらいのずんぐりした芋虫みたいなボディーに、カールした大きなテール、といった感じ。わかりにくいよね?

 色のバリエーションが豊富で、様々なリグに対応するよ(太さに対して短いから、ネコとかワッキーにはあまり使わないかな)。中でもジグヘッド(ラバージグ含む)とテキサスは定番中の定番。

 誘い方はリフト&フォールが基本。


 変わった(?)使い方としては、グラビンバズかな。グラビンバズとは、ノーシンカーのグラブを着水と同時に巻きはじめる方法で、バズベイト(=トップで使うスピナーベイト。音が大きく、食性よりも威嚇して追い払う行動を利用する)みたいに使う。

 巻き物としても使えてしまうといった、大変芸達者なお利口さん。


 裏ワザ的な使い方としては、イモグラブかな。ってコレ、まあまあ有名なんやけどね。

 ショートバイトだったり、ギルについばまれたり、投げるとき草とかに当たったりしてテールがちぎれることがあるけど、それで捨てたら勿体ないよ。

 ちょん切れたら、逆刺しでもノーマルでも、マスバリチョン掛けでもいいからノーシンカーで使いましょ!

 沈むときの予測不能な不規則スライドアクションが、とんでもなく効くことがあるのよね。

 自分の場合、沈む速さを調整するため、ハリの直前にスプリットショット打つか、シャンクに板オモリ巻く。

 誘い方は、やっぱしリフト&フォール。

 いろんな場面で出番がある優れたアイテムだけど、短所もある。

 それは糸ヨレ。

 動かす度に必ず回転するから、糸がチリチリになったりサオに絡んだりする。

 だから、回収したら吊り下げたままにして、回転させてやったり、スナップスイベルで接続したり、途中にヨリモドシ入れてシンカーのないキャロみたいにすれば解決する。あと、根掛かり少ない場所なら、ショートリーダーダウンショットという手もありまする。

 参考までに、テールのないグラブは、イモグラブとかテールレスグラブといった商品名で、実際売られてますよん。


 ここで。

 ティムコの商品説明よりますと、

 永久不滅。元祖にして究極。King of Grub。

 ゲーリーマテリアルの伝説はここから始まった。グラブの威力は今までも、これからも変わらない。

 もはや言わずと知れたゲーリーの代表作。ゲーリーマテリアルの伝説はここから始まったのです。ジグヘッドやラバージグの組み合わせはもちろん、ノーシンカーによるグラビンバズやテキサスリグによるベジテーション攻略もグッド。あらゆるリグに対応してしまう、まさにスーパーなグラブです。

 ということらしい。




 無事説明も終わりましたので、実釣編へと移りましょ。

 ではでは。


 前の川は最近土手の草刈りがあったので、短いサオでも快適に釣りができる。

 ならば、あえて釣れないセットであるバロウズを使おうじゃないのよ!ということになりまして。

 糸はフロロ14ポンド。ルアーはゲーリーヤマモトスーパーグラブの10gテキサス。

 場所は前の川対岸。

 いつもの水門からスタートして折り返すまでは全く異常無し。

 去年は、折り返し地点の杭に、少ないながらも魚は付いていて、釣果もそれなりに出せていた。

 がっ!今年はどーだ?全く出せてないじゃないか!

 自分が思うに、これはボートのせい。

 ここんとこ、自分が釣りはじめる前後にボート出すやつ多いのよ。下手したら毎日ガチ会うし。

 このポイント、杭はうっすら見えるし、岸にはガマが生えていて、それはそれは美味しそうに見えるのよ。目につくから奴ら必ず撃っていく。そうすると、場が荒れるから、あとでサオ出すヤツはかなり不利になる。ただし、撃たれていなくて魚がついていると勝負は早い。杭にタイトについているから少し先に投げて、寄せてくると確実に食ってくる。見た目にもゴージャスなストラクチャーだから、ギルの悪戯かなりあるけどね。


 引き続き、戻りながら撃ってゆく。

 そして、石畳が終わり、消波ブロック帯。

 対岸の護岸の手前、数mに撃ち込み、底を取りつつリフト&フォール。

 そしてその数投目。


 モゾ…モゾ…


 生命感。しかし待っても持っていかない。


 ギル?


 バスの可能性はあるので一応アワセを入れてみる。すると重さが乗って生命感。


 って、ここ、前回アルディートで釣ったトコやんか。根掛かり多発地帯やもんね。魚も寄るくさ。


 強引にリールを巻くと、糸が下流方向へと走りだし、


 バシャバシャ!


 水柱とエラ洗い。

 かなり小さい。

 派手に暴れているけど、引きはそんなに強くない。

 呆気なく浮いてきて…抜き上げる。


 太いわけじゃないけど、ガリガリでもない。産卵は関係なさそう。

 傷が無いキレーな魚体。

 タックルが強すぎて、楽しむことができなかったけど、それでもやっぱ嬉しい。

 釣れん呪いから少しずつ解放されていく気がするもんね。

 いつもの如く、サオと並べるバージョンと、手に持ったバージョンの写真を撮り、そっと水に浸けてやると、勢いよく深場へと戻って行きました。


 ホ・ン・ト、ありがとね!


 …あっ!大きさ測るの忘れちょった!

 でも、30cmはないね。

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