第16話 交換後の初フィッシュ! SS AIR編

 出撃する頻度が極めて高く、キャラ的にも釣れないといけないのに何故か釣れない。

 そんなタックルが2セットある。


 ブラックレーベルPF6101MLFB+SS AIR 8.1Rと、AIR EDGE 681MLB+REVO LTX。


 どちらも今流行(?)のベイトフィネスでございます。

 では、なんで釣れないのか?

 ベイトフィネスって、ベイトタックルの中じゃ、かなり切り札的存在じゃないんかな~とか思うワケよ。どれくらい切り札的存在なのかとゆーと…スピニング一歩手前か同等くらい、かな?小さいルアーを使って、食わせの最終手段!みたいな感じやね。だから、こいつら使うと他のタックルよりも「釣らないと!」という気持ちが強くなる。それが焦りとなって、操作が知らず知らずのうち不自然になり、食わなくなるんじゃないのかな?

 あと、考えられるのは…タックル投入するタイミングが違うとか?

 他には…ヘタクソだから、とか?実はコレがいちばん大きな理由かも。


 こげなふうで、釣れないから意地になる。意地になると出撃回数増えるから、消耗部品が早くダメになる。その部品とは何かとゆーと、スプールベアリング。普通のベイトよりも小さいから、耐久性がちょい低いもんね。

 購入して二年くらい経った頃だったかな?キャスト時に異音が出始めた。「あ~あ、ついにこのときがやってきたんやな。」とか考えながらも誤魔化しつつ使うこと数か月。出撃の度に音は大きくなり、回転にも粗さが目立ってきたため、交換することを決意。前もって買っておいたベアリングを7話の手順で入れ替える。

 作業後動作確認すると、異音は見事治まって回転も滑らかに。


 が、しか~し!

 交換後の一投目で異音。


 新品なのになんで?


 偶然だと思いたくて使い続けてみるのだけど、音は止む気配無し。

 あまりにも納得いかないから、釣具屋に持ち込み状況を話すと即修理。

 10日ほどして釣具屋より修理完了の電話。修理内容を見てみると、スプールベアリングの交換だそうで。


 っつーことは何?新品が不良品やったっちゆーコト?それとも、間違って再び悪い方のベアリング組んでしまった?


 なんかもぉ…自分で交換した意味全く無くないし。



 ってな具合で、意味わからん不具合もありつつ、交換後の初フィッシュ!SS AIR編、参ります。

 いつもの如く、タックル紹介からね。


 まずはサオから。

 ブラックレーベルPF6101MLFBは、

 長さ:6フィート10インチ

 アクション:ML

 テーパー:F

 と、こんな感じ。


 カタログによりますと、ブラックレーベル全体としては、

「価格の高さでも、見た目の煌びやかさでもない。釣りに必要なのは、実釣性能という真実だけ。本質のみに研きをかけたダイワのバスロッド「ブラックレーベル」は、過剰なるモノへのアンチテーゼとして誕生。贅肉のない漆黒のブランクスと、必要十分なパーツ類。虚飾を削ぎ落としつつ、その内側にはロッドメイキングのパイオニアであるダイワだからこそ成し得る先進のテクノロジーが息づく。バスフィッシングにおける「本物」を知るアングラーだけに贈るダイワからの提案。」

 こんな感じ。


 で、PFシリーズ全体では、

「『誘う・掛ける・獲る』という機能に特化させたPF(Pitchin’& Flippin’)シリーズ。いたずらに軽量化だけを追求しているのではなく、掛けてから竿を立てているだけでもバスを浮かせることができるリフティングパワーがこのシリーズの真骨頂。ブランクは高密度HVFカーボンを肉厚に巻く事で強靱なリフティングパワーを持つベリーからバット部。ボトムやブッシュのタッチ感を出しつつ、スタックさせることなく乗り越えるための適度な張りを持たせたティップ部。グリップはあえてセパレート化は避け、グリップ周りに重心を置くことで自重には現れない実釣上でのバランスを重視。むやみに軽さを求めただけのピッチング・フリッピングロッドとは一線を画している。」

 こんな感じ。


 PF6101MLFBは、

「カバーやウィードポケットを打てるベイトフィネスロッドで3/16oz.以下のライトカバージグやスモラバ、ライトテキサス、ロングワームのネコリグ、4インチ以下の高比重ワームノーシンカー、ヘビダン、さらに1/4oz.以下のパンチショット、ネコパンチに対応。ティップ先端に張りを持たせる事で、感度とリグの操作性が向上し、カバーやウィードへのタッチ感を捉えながらリグをホップさせたりウィードを切ったりする動作が容易になった。フィネスな釣りに特化したロッドでありながら、バスを掛けた後は、ワンランク上のバットパワーにより一気にカバーから引き離し、魚にファイトの主導権を与えないシリーズ共通の設計思想は堅持している。ガイドセッティングは超小口径ガイドシステムのライン放出抵抗を低減し、ノーシンカーのフリーフォールやリグの操作性を向上させたDAIWA独自の『RR-spec(Reduced Resistance)ガイドシステム』を採用。使いこなせば今までに無い武器になる、無限の可能性を秘めたロッド。」

 と、こんな感じのサオでございます。


 ここで。

 ホントはこの回、PF6101MLFBの説明だけでいいはずなのよね。

 所有しているブラックレーベルって、PF701MFBやFM701MFBが活躍しているから、上二つのカタログから抜粋した説明は、こいつらの初回登場時にしとくべきやったんよ。

 今更説明とか…ワタクシ、一体何やってるんでしょーね、まったく。

 いい加減で、マジ、スンマセン。


 実際使った感じは、かなりシャキッとしていて硬い印象を受けるよ。

 長所は、といーますと。

 長さがあるからまあまあ遠投が効く。

 PF全体の説明で「軽量化しすぎない」的な表現がしてあるけど、このサオ充分軽いからね。


 次に短所。

 寄せるパワーがない!

 この一言に尽きるかな。

 カタログではパワーが強調されているし、タックルインプレッションでも「強すぎる!40UPでも抜き上げることが可能」とか、「オレの求めていたベイトフィネスロッドじゃない!」とか、「魚の引きを楽しめない」とか、そんな意見が多く書かれている。

 けどでも。

 パワーがあるとはいえ、至って標準的なベイトフィネスロッド。同じアクションの他機種(自分が所有するモノの中ではエアエッジ681MLB)と比較すると、若干強いのかな?程度の差でしかない。よって、普通のベイトみたいに掛けてからゴリ巻き!なんてことはまずできません。一つ上のパワーであるPF701MFBや、ギャレット・ディツアーエディションGDEC-622Mなんかと比べるとあからさまに弱いよ。感覚的にはスピニングロッドやね。だから、40cmクラスが掛かるとそれはそれはもうスリリング。サオを立てるコトもままならないから、スピニング同様利き手でサオ持つ人が多いのも頷ける。でもまぁこれって、裏を返せばあまり大きな魚じゃなくてもファイトが楽しめるってことだから、一概に短所とは言い切れないんだけどね。

 あとは…繊細なサオだから、アタリを鋭敏に伝えてくれそうなイメージだけど、これがあんましなのよね。「コツン」って感じの金属的なアタリが出ないときがまあまあある。特に、居食いされちまうと判断が難しく、飲まれてしまって大出血!なんてことも一度や二度じゃないもんね。ごめんね、魚。

 あとは…塗装がヘボいかな。これ、ブラックレーベル全体に言えることなんだけど、2~3年経つとブランクス表面に塗布されたクリアが劣化し剥がれてくる。コスト面で切り詰めてあるみたいだから、ある程度諦めろってことなのかな?ま、剥がれても見た目が悪いだけで、性能には影響しないから良しとしとこう。


 とまあ、欠点多目な紹介だったけど、実際は使いやすくて良いサオよん。



 次にリール。

 SS AIR 8.1Rは、

 ギヤ比:8.1

 標準自重:145g

 最大巻き取り長さ:81cm

 最大ドラグ力:4kg

 標準糸巻き量:8ポンドフロロ50m

 R=右巻き

 と、こんな感じのリール。


 T3 AIRに続いてデビューした、淡水専用ベイトフィネス専用機でございます。

 カタログによりますと

「ダイワにおけるベイトキャスティングリールの最高峰モデル「STEEZ」。そのクラッチ感やサイズ感、握り心地を継承しながら、先端テクノロジーの塊である「T3 AIR」が持つ性能とキャストフィールを融合したのが「SS AIR」。T3 AIRにおいて世界で初めて採用された超々ジュラルミンと同強度でも軽量な“G1ジュラルミン”を使ったAIRスプールをはじめ、ZAION製のスタードラグ、ハンドルノブを搭載。145gという驚きの軽量化を果たした。

 特筆すべきは、1円玉クラスまでキャストできるフィネス性能。調整も容易で、ピッチングとキャスティングをマグ調整無しでも高レベルに両立。またトラウトフィネスゲームにおける渓流でのアップストリームキャストにも余裕で対応するスペックを備えている。」

 だそーです。


 長所はと言いますと。

 AIRブレーキが優秀!

 カタログの「1円玉クラスまでキャストできる云々」は、サオや糸とのバランスが関係してくるので、組み合わせているブラックレーベルだと実感しにくいけど、それでも4インチカットテールのノーシンカーなんかは問題無く使える。実釣じゃ沈むのが遅いため、ハリのシャンクに板オモリ巻くから、さらに投げやすくなるよ。

 で、もっとすごいのは、それをピッチングできてしまうこと。かなり感動モンですよ!

 これ、普通のベイトでやると、スプールの自重の関係(重い)で、回転の立ち上がりが若干遅れるため、指を離した瞬間ルアーの軌道が浮き上がる。しかも狙ったところまで届かない場合がほとんど。

 ボディ形状は、初代スティーズやアルファスなんかとほぼ同じなのでコンパクト。手が小さい人でも握りこみやいよ。

 あとは、自重を見てもらうと分かるけど、でったん軽い!リョウガ2020の半分以下。流石マグネシウム製!といったトコロかな。

 見た目もカッコイーよ。黒のボディに赤のアクセント(スプール、メカニカルブレーキ、マグダイアルの内側のリング、ハンドルロックプレート、ハンドルノブのシャフト、クラッチ)がなかなかなイケてます。


 短所はドラグ力が少々弱いコト。贅沢言うと、あと1kg欲しい(T3 AIRは5kgある)かな。インプレッションでもそのことが多く書かれていて、社外品でドラグ力上げるパーツが発売されていたりする。でも、弱いからダメかというと、そうでもない。細糸使うリールだから、デカいのとのやり取り中、不意の突っ込みにも勝手にドラグが滑って糸が出てくれる。上手いコトやり過ごせるのよ。あえてフルロックから2~3クリック緩めて使ったりもするからね。


 以上、タックル紹介でした。




 では実釣編、参りましょっかね。


 会社帰ってクルマにタックルぶち込んでGO!なのですよ。

 選んだのはゴムの場所。

 運よく先行者はいない。

 狙いたかったポイントすんなりGET。


 まずは、ゲーリー4インチシュリンプノーシンカー(板オモリは巻いている)、ブルーギルカラーから。

 しばらく頑張るも、根掛かりでロスト。

 次に、3.5インチドライブスティックspec2、ブルーギルカラー。

 しかし、引いているうちに、これじゃない感が漂ってくる。


 何がいいかな?


 考えながら引いていると思いつく。


 テキサス。


 このポイント、根掛かり多発地帯だから、シンカーが重いと一撃でロストしてしまう。でも、今回のタックルはベイトフィネス。オモリを小さくできるから、かなりいー感じで回避できるはず。シンカーをさらに小さくするため、タングステンバレットの2gをチョイス。


 さて、ワームは何にしよう?スレまくったポイントやし、定番のヤツじゃ食ってこんかもね。


 すぐには思いつかなかったので、バッグの中を見ながら決めることにする。

 しばらく「あーでもない。こーでもない。」と考えていたら、


 !!!


 あるワームに目が留まる。

 ゲーリー・スモールリザード。色は黒。

 ちょっと前、たまたま中古で買ったヤツ。

 前回のバスブームでは、リザード系ってかなりメジャーな部類だったんだけど、近頃何故か売ってない。


 流行が去ったとか?


 ま、理由はどうであれ、売ってないとゆーことは誰も使っちゃいないワケで。


 もしかしたら反応してくれるかも!


 と、期待するのですよ。


 投げて沈め、底を取る。

 根掛かりに気をつけながら、サオ先をチョンチョンあおって引いてくる。

 扇形に撃ち続けることしばし。

 真ん前にあるゴロタ地帯を通過中、


 ゴリッ…ゴリッ…


 障害物を越える時とは全く別の、引っ掻くような感触が伝わってくる。


 ん?アタリ?


 引くのをやめ、待つと


 グッグッグ…


 サオ先が徐々に、重々しく絞り込まれてゆく。


 食った!


 一呼吸待ってアワセたら、一気に流心方向へと突っ走る。

 タックルのパワーが無いもんだから、リールを巻くことができなかった。

 そのままサオを立て、第一波をやり過ごす。

 止まったところで巻き取り開始。


 強い!


 ロッドエンドを左ひじに当て直し、固定しないとやり取りができないほどに強い。

 

 ポンピングで寄せている最中、突如重さが失われてゆく。


 水面に向かった!飛ぶ!


 糸が弛まないよう、急いで巻いてテンションを保つ。

 直後、


 ガボッ!


 飛沫が上がる。

 水面で反転し、銀色の魚体が見えた。

 大きさはよくわからなかったが、本命だ!

 反転後、すぐに障害物の中へ潜ろうとする。サオを逆方向に寝かせて潜りこませないよう誘導し、引き離す。

 やっとのことで足元まで寄せると、今度は目前の深みに突進。

 走られる度にドラグが、ジリッ…ジリッ…と逆転。

 こんな反撃を数度、必死こいてやり過ごすと、魚も流石に疲れた様子。

 サオを高く上げると浮いてきた。


 あれ?こんなに小さいと?


 これがこの魚の第一印象。引きと大きさが一致しない。


 んじゃ、抜き上げ…無理無理無理。


 諦めて、体勢を低くし、左手を高く上げ、魚を寄せる。

 上アゴど真ん中、100点の位置にハリが確認できた。

 これならハンドランディングできる。

 右腕を魚の方へと伸ばす。

 口の中に親指をねじ込み、下アゴを掴んで…取った!

 丸々と肥えたキレイな魚体。

 ハリを外し、サオと並べて記念撮影。

 同時に大きさを測る。

 左手に持ってもう一枚。

 最後にもっかいマジマジと眺めた後、そっと水に浸け、手を離すとゆっくり元居た場所へと戻って行きましたとさ。



 思ったより早い時間に出てくれた一本目。

 っつーことは、まだまだ釣れる可能性あり。

 結び直し、誘い続けること15分。


 コツッ!


 やっぱし来た!


 待つと、


 グッグッグ…


 持ってったのを確認し、アワセを入れると…スポッ!

 何の抵抗もなくすっぽ抜け、リグがすんげー勢いでぶっ飛んでくる。


 今、確実に持ってったよね?アワセのタイミングもよかったはずなんに…なんで乗らん?


 まったく意味不明でございます。

 このあとも、同じようなアタリが5~6回続いたけど、何をどうしても乗りやがらん。

 さらに続けるものの、アタリ自体が遠退いて、生命感なっしんぐ。


 今日はもう終わりやな。


 とゆーことで、撤収するのでした。


 家に帰り、ちゃんと測定すると38.5cm。

 意外とデカかったんやな~…と、思わず感動。


 それにしても、繊細なタックルでのファイト、楽しかったな。


 思い出してニヤケまくり。

 またこのタックルで釣ってみたくなる釣行なのでした。


 おしまい。






【用語の説明っぽいヤツ】

 ポンピング:おっきい魚を寄せてくるテク。まず、リールを巻かずにサオを立てて寄せる。次に、サオを寝かせながら糸を巻き取る。これを繰り返して魚を寄せる。

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