第15話 大雨後の一本目。
今年の梅雨は酷かった!
どげな風に酷かったかと申しますと。
災害一歩点前なくらいの集中豪雨。
梅雨入りしてから、降ってなかった分をほぼ一日で取り返したとゆーね。
そんな感じだったもんで、降りはじめから尋常じゃない雨音。「これっち、でったんヤベーっちゃないと?」とか思っていると、スマホに避難情報や交通情報、被害の状況なんかが届きだす。
スマホに換えてから初めての出来事。
ピーク時には、数分間隔で着信。これがしばらく続く。
もぉ、怖かったぁ~。
記録的な大雨だったらしくて、前の川は超久々(10数年ぶりじゃなかろうか?)に水位が土手の真ん中の段を越え、あと少しで溢れちまうトコロでした。
ここ何年か、梅雨はとゆーと。
梅雨に入ったと思われる日から数日間、ショボショボと降り続き、それが止むとずっと晴れ。七月の真ん中辺りまで「今年は空梅雨やな。このまんま夏に突入か?」っち、油断させといて、明ける寸前に集中豪雨!しかも記録更新!
といったパターン。
ショボショボ降り続き、「鬱陶しいな」と感じる梅雨じゃない。
そんな大雨も、夕方になると徐々に弱くなる。
増水した川は、それほど時間をかけずに元の水位。次の日の朝には「普段よか、ちぃ~と多いかな?」程度まで減水。
このような激しい雨だったため、減水直後は濁りがキツくて、流石に出撃する気にはなれなかったけど、数日後には水質も元通り。
やっとのことで釣行となるのです。
今回みたいな激しい降り方したら、魚は流されてしまって少なくなるし、見えるトコロも見えないところも地形が劇的に変化する。それが原因で、付場が大きく変わっちまったりするのよね。
「魚、少なくなったっちゃろーね」とか、「ポイント、変わったやろーね」とか、「今までの釣り方で通用するんかな?」とか、色んな不安を胸に抱きつつ、クルマにタックルぶち込んで、フィールドへGO!なのでありまする。
では、タックル編。
今回活躍したタックルはこいつ。
サイラスSYC-63MH+T3 SV 6.3R-TW。糸はフロロ14ポンド。
激変したであろうフィールド。複数のタックル持ってくと、迷いが生じ、いよいよ釣れなくなりそうと判断し、集中する意味を込め、これ一本のみ。
まずはサオから。
サイラスSYC-63MHは
長さ:6.3フィート
アクション:MH
テーパー:レギュラーファースト
と、こんなサオ。
カタログによると、
『行動派の満足感を煽る性能か、実戦派の戦力となりうる高性能か、この二者択一に止まっていたバスロッドのスタンダードに、革新の波をもたらしたのが「サイラス」。
「遊技の釣り」と「競技の釣り」を融合させる。DAIKOの挑戦はそこから始まった。そして、遊ぶ行動派を満足させる操作性能は、弾性率のメリットを生かした高いキャストアキュラシーを示し、攻める実戦派を納得させる高性能は、弾性可変素材ならではの操作性とパワーを併せ持つバットセクションとなった。早すぎた誕生に、そのブランクス特性に対して違和感を覚える向きもあるが、実際に魚を掛け、全く新しい竿であることを知って欲しい。
SYC-63MH
リグの重みに負けない張りの強いティップセクションが特徴。ジグ&ワームはもちろん、シャローカバーをスティックベイトのスキッピングで正確にアプローチし、誘って喰わせ、強烈なフッキングに持ち込めるレギュラーファストテーパー設計。』
らしいです。
使った感じはね、いかにもワームザオらしい「コン!」って感じの金属的なアタリを伝えてくれる。
自重はそんなにないから、持ち重りもしなくて使いやすい。
そして、寄せる力が強い。
買ってすぐ、ミリオネアCV-Z 205(中古)との組み合わせで、当時自分史上最大である54cmを釣ったとゆー、輝かしい経歴の持ち主。2月だったため産卵前。それはもうブリンブリンで、恐らく2kg近くはあったんじゃなかろうか?アワセた瞬間、フルロックのドラグ(ドラグ力5kgもある)引き出されまくったコトを思い出す。そんな大物にも、のされることなく寄せてこられたお利口さん。
中古でまあまあ出回っている品だから、見つけたら買いかも。
目印は深緑色のブランクス。バットの部分に黄色い字で「SCYLAS」と書いてありますよん。
とまあ、こんな感じでなかなかの高性能なサオなんだけど、欠点もある。
まず一つ目は、丸型ベイトのセットがシッカリとできない。
なぜかとゆーと。
リールシートの可動範囲の最小幅が大きいのよ。だから、リールフットが薄くて小さい丸型は、そのままだと固定できない。セットする場合、何か挟まないと、とゆーか、挟んでも若干だけどグネグネする。おっきいの掛かるとコレ、かなり気になるっちゃんね。
参考までに、「何か」とは糸やルアーのパッケージであるプラスチックの箱で、要はプラ板。これを適当な大きさに切り、リールシートに挟んで締め込む。
それでも完璧じゃないので…メーカーさん!何か対策してくださいよ!リョウガとカルコン、キチッと固定できません。そして、これから出すサオは、全てのリールがきちっと固定できる形状のリールシートにしてください!それか、リールフットの形状、検討し直してください!どーか、どーかお願いします。
次に。
ロッドエンドのキャップというかエンブレムというか、それの接着が甘くて取れやすい。何度着け直しても力が加わると外れてしまう。外れると、キャスト時に左手の感触が悪くなるため集中できなくなる。参考までにバロウズもよく外れる。
とまぁ、サオに関しちゃこげな感じかな。
ここで。
触れておきたいのがワタクシのサオ事情。
これ、かなり深刻なのよ。
とはいっても、決してチ●ポのことじゃないよ!そっちは大丈夫だから! ←何が?
間違えないよーにね。
●ンポネタはさておき。
どんな事情かと申しますと。
所有しているサオの「折り癖」について、なのでありますよ。
近況ノートにも書いたことあるんだけど、自分、ちょいちょいやらかすんです。ベキッ!とね。
で、このサオがその記念すべき?一本目とゆーワケ。
それは、買ってから半年くらい経った頃だったかな。
前の川の高い足場から、アシに引っ掛かったデカいの強引に抜き上げていて逝っちまったんですわ。
その時のショックといったらもう…涙無しでは語れません。
保証書と折れたサオを持って、すぐに釣具屋へ。
修理代一万数千円也。保証期間内だったため、半額で直す(新品と交換)ことができました。けど…勿体ねぇ~。
これがきっかけとなったのかは分からんけど、新しいサオ買う度折れ(折り?)まくり。
他の犠牲者はとゆーと、サイラスSYC-68MG、ブラックレーベルPF701MFB&FM701MHFB、ギャレット・ディツアーエディションGDEC-622M、ラグゼ・エクスプラッシュB70H、オロチXXX F6-68K。
この中でサイラスSYC-68MGと、ブラックレーベルの二本は、硬いものをぶつけたことによる破損。
根掛かりを外す際、ルアーが自分に向かって弾丸のようにぶっ飛んでくることが多々ある。ま、こっち向きに引っ張っているんだから、当たり前といえば当たり前なんだけどね。
ただ、ぶっ飛んでくるのはしょうがないにしても、これがまた何故か上手いことブランクスに直撃するのよ。飛んでくるのが柔らかいもの、(プラスチック製のプラグとかノーシンカーのワームなど)なら深刻な事態にはなりにくいんだけど、硬いもの(テキサスやジグヘッド、メタルバイブなど)は、激しく当たらなくても致命傷になり、次に力が掛かった時、そこから折れる。
説明書には「根掛かりは手にタオルなどを巻いて、糸を引っ張って切ってください。」的な注意書きしてあるので、ちゃんと守れよ!って感じなんだけど…ついつい、ね。
他は、抜き上げミスったり、サオの強さの過信だったり、品質に問題があったり。
とにかく、どんなパターンでも折れたら泣きが入ります。
みなさん、道具は大切にね!
サオの次はリール。
T3 SV 6.3R-TWは、第6話で既に紹介済みなので、性能とか使い勝手の説明は省略で~す。
そのかわり、不具合について書きたいと思いま~す。
実はこのリール、巻きに使っていた時からハンドルが重かった。
買ってから結構経つのに、なんで今?とか思うかもしれないけど、巻き用として買ったリールだから、あまり出番がなくて、気付くのに時間が掛かっちまったっちゅーワケ。
ちょうど、SS AIRを修理に出す機会があったから、ついでに一緒に出したのだが…。
戻ってきて、店で動作確認した時はたしかに軽く回っていた。
納得して持って帰り、家でタックルを組む際、ドラグをフルロックして巻き取ってみると…重いのよ。
全く直ってないじゃない。
なんで店におるとき、ドラグ締めて確認せんやったっちゃろ?
とか、悔やんでみても仕方ない。
釣具屋で説明するために原因を究明しなくては。
しばらく眺めていると、
!!!
気付いてしまう。フルロックの状態まで締めこむと、スタードラグとボディのクリアランスが無くなることに。
ノーマルT3と比べても差は明らか。こちらはフルロック状態で1mmほど開いている。
試しにスタードラグを緩めると、そこに隙間ができてスムーズに回る。再度締めると隙間が無くなり重くなる。
原因の個所判明。
なんで隙間が無くなるのかとゆーと。
ドラグワッシャーの枚数が不足しているからですよ。
これは明らかに組み立てるときの入れ忘れ。
判明した時点で、確認のため分解しようかとも考えたんだけど、そのことにより自分が紛失したと疑われる可能性がある。そうなってくると、部品代+工賃を払わなきゃならなくなるので、そのまんま釣具屋へと持ち込むことに。症状を説明し、売り物と比較させると、店側も納得してくれたらしく、すぐにメーカー送り。二週間程して戻ってくると…ちゃんと直ってましたよ。
明細を見ると、修理項目に「ギヤーシャフト部の組み直し」とか書いてあったけど、ん~なワケないやん。問題の個所っち、部品の数が決まっているから、組み直しただけじゃ寸法変わるわけないんよね。
「ウソ言わんでも」とか思ったけど、タダで直ったから許してやることにした。
実釣編は、こげな感じ。
会社から帰ってタックル準備。
準備中にリールの不具合発覚したけど、初めての組み合わせ。どんな使い心地か知りたかったから、クルマにぶち込んで釣り場へGO!
今回選んだ釣り場は、ゴムの場所下流の消波ブロックエリア。
到着すると早速釣り開始。
ルアーはゲーリー4インチシュリンプ。カラーは薄い緑にラメ。リグはノーシンカーとゆー名のハリのシャンクに板オモリ。いつもの仕様でございます。
組合せ変更後の第一投。
クラッチを切って
ヴ――――ン…
おぉ~。なかなか飛ぶじゃないの!しかもバランス良くて使いやすい。
以前、ノーマルT3と組んだときも思ったんだけど、巻きよりもシックリくる。相性いい感じが伝わってくるのよ。
この組み合わせ、成功かもね。
ん~なことを考えながら釣ること約30分。
こちら岸のテトラ際を狙うため、下流方向に浅い角度でキャスト。
すると…ファーストフォールで思いっきし糸が走る。
しかも、その勢いでサオがひったくられる様に絞り込まれる。
うぉ!活性高っ!
こんな時は結構やらかす。
焦って反射的に大アワセし、アワセ切れ起こしちまうか、すっぽ抜けるか。
しかし、このときは皮肉なことに、不具合がプラスの方向に作用する。
ドラグがフルロックできていないため、走られた瞬間上手いこと糸が出てくれて、ミスを回避できたとゆーね。
なんとも複雑な気分。
サオを立て、弾力を利用しながら耐える。
ゴリゴリ…
テトラの角で糸が擦れる感触。
ヤバイ!
糸は14ポンドフロロなので、相当無理が効く。がしかし、傷が入ると話は変わってくる。
極端に強度が落ちるのよ。
ただ、幸いなことにドラグはフルロックじゃない。
ドラグのセッティングはそのままにファイト。
強く引かれれば、スピニングリールのように糸が出まくる。
サオを立てて、強引に巻き続けると…普段よりは時間がかかったものの、徐々に寄ってきた。
寄せる力がない。
ドラグ締めたい衝動に駆られる。が、我慢してそのまま巻き続ける、と…姿が見える。
引きの割に小さい。
抜き上げることができないため、体勢を低くしてハンドランディング。
右手にサオを持ち替え、高く上げる。
魚が寄ってきて…
口に親指をねじ込み、取った!
キレイな魚。
大雨後の初フィッシュは、お腹が一旦凹んで膨らみかけているアフター回復系の女の子。
よかった…釣れてくれた。
思ったよりも流されてなかったみたい。
記念撮影し、サオで大きさを測って(帰ってちゃんと測ったら37cmあった)リリース。
掴んでいたアゴを開放してあげたら、「ガボ!」っと水しぶきを上げ、勢いよく深場へと帰って行きましたとさ。
おしまい。
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