第13話 キャロ🐟

 釣れた!

 しかも二本!!


 もぉ、ホント、う・れ・し・過・ぎっ♥ 


 っち、二本でこれだけ喜べるとか…どんだけ釣れてないかがよく分かるっしょ?

 あまりにも嬉しかったから、これ書きながら、釣った時の様子を思い出しつつ、もっかいニヤケたいな~と思います。

 ん~なわけで、今回も張り切って参りましょーか!



 六月も半ば過ぎ。

 梅雨入りしたはずなのに、雨なんかこれっぽっちも降らず、暑い日継続中。

 川の方は、田植えが終わり、水も澄んできた。

 このタイミングで土手の草刈り完了。

 背後の草も気にしなくていい。

 とゆーことは。

 短いサオが使用可能なのですよ!


 ならば。

 あのタックルを使うしかないじゃないの! ←使う=×、縋る=○かも。何故縋るのかは下記参照。 



 で。

「あのタックル」とはコイツら。


 ギャレット・ディツアーエディションGDEC-622M+ミリオネアHL SLC凛牙。糸はフロロ14ポンド。


 このセット、所有するサオとリールの中でも屈指の魚出会い率を誇るのよ。

 そのせいで、既に紹介済みだとばかり思っちょりました。

 でも、まだやったっちゆーね。


 じゃ、紹介いくよ!

 まずはサオ。

 ダイコーギャレット・ディツアーエディションGDEC-622Mのスペックは以下のとおり。

 長さ:6.2フィート

 アクション:M

 テーパー:ファースト

 真ん中で継ぐタイプの2ピース


 真っ赤なサオなので、でったん目立ちます。

 ファーストテーパーとはゆーものの、振ってみるとやや軟らかく、巻きのサオに近い感じかな。でも、分類はバーサタイル。

 シャキッと感は弱いけど、感度が良くてバットもそれなりに強いから、テキサスやジグ、ノーシンカーなんかの撃ちの釣りもバッチシこなす優れもの。

 こんな特徴を持ったサオだから、1kg超えるような冬バスでもなんとか抜き上げることができたりしてしまうとゆーね。

 弾力も丁度よくて、短いにもかかわらず遠投が効く。

 絶妙なバランスで高性能。

 割と出回っているサオなので、中古で見っけたらマジ買いっす。



 こんな使えるサオだから自然と出番が多くなるもんで、哀しい事態に遭遇してしまう確率上がってしまうのよね~。

 で、その哀しい事態とは。

 去年の冬、初フィッシュを釣った時のハナシ。

 無事魚を掛け、ファイトを楽しみ抜き上げると運悪く振り子のように魚がこっちに寄ってきてしまい、キツい角度がついて、


 パーン!


 イヤな衝撃とともに魚が地面に落下。

 ティップ側が継ぎ目のところから折れちまいやがったのよ。

 当然ここで修理という考えになるのだけど、ダイコーは原則的にカタログ落ちしてから10年過ぎると修理を受け付けない。となると、このサオはかなりギリギリのはず。

 魚との相性いいからどうにかして復活させたい!

 釣具屋に持ち込み相談したのだけど、


「古いサオですもんね。メーカーが在庫持っていれば修理できるのですが…。」


 と、返事は渋い。

 諦め半分で待つことに。

 すると数日後、在庫があるとのことで、修理(とはいっても2ピースなのでティップ側を送ってくるだけ)を進めるかどうか確認の連絡が。

 返事は勿論OK。

 それからさらに数日後、なんとか復活できたとゆードラマがあるのですよ。

 パーツ残っていてホントよかったよ。

 このサオ失うの、マジ辛いもんね。

 多分もっかい折れると修理は不可能だろうから、以前より出番少な目に、なおかつ大きい魚は抜き上げるのを控え、ハンドランディング。

 大切に扱っております。


 ベタ褒めしたから短所も挙げんと、とは思うけど…このサオに関しちゃ「無い!」と言い切ろう。

 強いて言うならば「短い」とか「1ピースの方がいい」なんだけど、そんなことチャラになるほど高性能。それに加え魚との相性がいいとなると、ここはもう「悪いトコロなんか無い!」としか言えんでしょ。


 ここで。

 ダイコーとゆーメーカーは何年か前につぶれてしまっており、今現在修理のみを受け付ける会社となってます。とゆーことは、最後に出たサオが10年経つと、全てが消滅してしまうのかな?国産の高性能なサオを安く売る(他のメーカーの同じ価格帯だと、ダイコーの方が2ランクぐらい上の性能といわれていた)、大好きなブランドだっただけに残念でしょーがない。

 マジ、いつか復活してくれんかな?



 んでリール。

 ミリオネアHL SLC凛牙のスペックは以下のとおり。

 ギヤ比:5.8

 自重:220g

 ドラグ力:4kg

 標準糸巻き量:16ポンド100m


 当時、丸型ベイトで最上位機種だったミリオネアCV-Zの103をベースに、チューンしたのがミリオネアライト。これにオカッパリで有名な村上晴彦氏が手を加えた、とゆーのが凛牙だったような…違ったかな?説明書にはそんな彼の言葉が載ってます。


 ノーマルCV-Zとの違いはというと。

 まずは外見から。

 ボディーの色が違う。

 ノーマルは金と銀のツートン。ボディー自体は銀(アルミ色)、その外周を取り巻くリングが金なのに対し、凛牙はボディーもリングも銀一色。

 スプールはノーマルがV型浅溝タイプなのに対し、凛牙は深溝タイプ。

 赤いスプールで、底部に白で「凛牙」と誇らしげに書いてある。糸巻くと見えなくなるけどね。

 あとは90mmロングパワーハンドル+コルク製I型ハンドルノブ。

 それと、外調整マグダイヤル。


 ミリオネアって工芸品っぽい方向に振ってあって、かなり見た目重視。ビスとかマグダイヤルが隠してあんのよ。ビスはともかく、マグダイヤル隠されると、調整する度いちいちマグ側のプレート開けんといかん。これがもぉ面倒臭くて。釣り場で落しでもしたら、ベアリングに砂噛んじまうじゃないの!っちゆーか、水没させたりして紛失するよ?苦情がたくさん出たんかは知らんけど、オプションとして外調整式のプレート売っていた。

 凛牙はココんトコロが良心的で、標準装備(ミリオネアライトもじゃなかったかな?)されている。


 次に内部。

 スプールベアリングは防錆処理が施されているヤツを使っているため、海でも使える。たしか、ノーマルCV-ZやCV-Xは淡水専用だったような。

 ブレーキは、ノーマルがインダクトローター可動式のマグフォースVなのに対し、凛牙は固定式。とはいえ通常のマグフォースみたいな圧入式とは違い、削り出しの一体成型で、軽量化されている。SLC(スーパーロングキャスト)スプールとゆーらしー。

 とまぁ、こげな感じかな。


 ミリオネアシリーズはCV-Z205とCV-X105を所有(いずれも中古)しているのだけど、どちらもマグブレーキの調整が微妙。1~10まで目盛りがあるくせに0、2、4、6、8、10しか使えない。奇数の目盛りにはセットできないので、メカニカルでなんとかするしかなく、最適なブレーキ力を得にくい。

 その点、凛牙はお利口さんで、ちゃんと10段階使える。

 自分はだいたい3、4、5を使うかな。

 評価では「ピーキーな性能」的なこと書いてあったように思うけど全然そんなことはなくて、逆に使いやすい部類だと思う。

 よくできたリールだから短所らしい短所はない。


 ただ、絶版となって既に10年以上経過しているのでメーカーが部品を持っておらず(持っているのはたしかカタログ落ちして5年間じゃなかったかな?)、オーバーホールや修理を受け付けてもらえないのが欠点といえば欠点。

 古い道具は捨てろ!新しいの買いやがれ!っつーことなんかな?


 ただ、最近ちょっと期待できる動きがあって、船用に同じ型のミリオネアが復活した。だき、もしかしたら、修理受け付けてくれたりするんかな?とか思ったりする今日この頃。



 そしてそして。

 本日のテーマであるキャロ。


 キャロとは何ぞや?とゆーワケで、まずはその説明から。

 本名はキャロライナリグ。

 略してキャロ。

 リグの形状はエサ釣りであるブッコミ釣りの仕掛けと全く一緒。

 ブッコミ釣りとはコイやウナギなどを釣る方法で、中通しオモリの先にヨリモドシ、その先にハリスとハリといった一本針の仕掛け。

 変わった使い方(もしかして結構メジャー?)としては、ハリの代わりにクランクベイトやシャッドみたいなプラグを結ぶこともある。

 ハリスの長さは20cm~1m。その間がフリーとなるためナチュラルな動きを演出できる。

 重いオモリを使ったのを「ヘビキャロ」、軽いのを「ライトキャロ」といいますよん。


 長所はと言いますと。

 広範囲を狙うのに適したリグ…らしい。

 やる人が少なく、テキサスやダウンショット、ネコやワッキーに慣れてしまった魚に効果がある…らしい。

 と、こげな感じ。

 言い回し的にはかなり切り札っぽいけど、ホントにそうなんかな?よぉわかりませんが。

 短所はといいますと。

 まず、根掛かりが多い。オモリからルアーが離れているため根掛かりする範囲が広いのよ。テキサスやジグヘッドの場合、オモリやアタマが障害物をスルーできたら同時にリグ全体がスルーできたと考えてよいが、キャロはオモリがスルーできたとしても距離を開けてついてくるルアーが引っ掛かりやがる。底がゴロタ場とか消波ブロック帯などの複雑な障害物がある釣り場には向かない。

 次に、投げ辛い。リグの総重量は重くてもオモリとルアーが離れているため、投げ方によっちゃ回転しながら飛んでしまうのよね。そうなると飛ぶ力が打ち消されてしまい、飛距離が出ないっつー結果になる。投げ方にコツがいるのよね。そのコツとはサオをゆっくり目に大きく振るってこと。テキサスやジグヘッド投げるみたいにサオを速く振ってしまうとオモリとルアーが回転し、飛ぶ力が失われて遠投出来ない。

 長所で挙げた「やる人が少ない云々」というのはリグるのが面倒っちぃから。具体的にはテキサスよりも結び目が二個多い。

 てな具合で、割と扱いにくいリグなのよ。

 そりゃ、やる人おらんわな。


 以上でタックル関係の説明は終わり。




 で、ここからは実釣。

 会社から帰ってタックルの準備。

 とりあえず橋脚を狙うからノーシンカー。

 オフセットフックを結んでゲーリーヤマモトシュリンプ4インチ、ブルーギルカラーをノーマルセッティング。シャンクには板オモリ。


 仕掛けを作り、徒歩でいつもの橋の下(「巻き」でモモとユキがえっちぃコトをしていて菜桜に見られてしまったモデルになった場所)。

 まずは隣に立っている水位計を撃つが…異状無し。

 続いてメインである橋脚を撃つが…これも異常無し。

 少しずつ歩きながら上流へ。

 と、その前に。


 ここから先は飛距離が必要。

 リグり直さなきゃだ。


 どんなのがいーかな?暑いから活性低いかも。

 となると…ゆっくり動かせるのがいいよね?でも、対岸付近を狙いたいから軽いリグはダメ。


 飛距離を出すとなると10g以上のバレットシンカーを使用したテキサスなんだけど、それじゃフォールスピードがあまりにも早過ぎる。


 もっとゆっくり動かしたい。


 で、思いついたのがキャロなのでございます。

 ハリスは30cmくらいかな。その辺りで糸を切る。

 リールからの糸にナツメ型3号を通し、そのあとビーズ。

 ヨリモドシを結んで、そこに先程のハリスを結びつけると完成!

 シャンクに巻いていた板オモリは外します。


 早速投げてみるものの…異状無し。

 数m上流側に移動し、投げる。


 ま、そう簡単にはこんよね。


 勿論想定の範囲内。

 投げては移動を繰り返しているうち水門までやってきた。

 足元が広くなったのでバッグをおろし、再びキャスト。

 ハンドルを回し、クラッチを戻すと同時に糸がグイ~ン!と引っ張られ、サオが一気に絞り込まれた。


 何これ?でったん活性高いやん!


 焦ってアワセると、ものすごい重量感。

 だいたいこのパターンのアタリって、アワセが上手くいかなくて糸を切られることが多いんだけど、今回はなんか分らんが上手くのった。

 ゴリ巻きすると、突如フワッと軽くなる。


 ヤバイ!飛ぶ!


 思うと同時に、


 バシャバシャ!


 エラ洗い。


 ん?あんまし大きくない?なのにエレー強いぞ?


 川の真ん中辺りでモーレツに抵抗中。

 対岸へと向かおうとしている。

 ドラグは出ないが強い。

 サオを立て、弾力を利用し、耐える。

 止まると強引に巻く。

 これを続けると、どうにか寄ってきた。

 足元まで寄せても尚、反転して抵抗を見せる。さっきエラ洗いしたときよりも大きく感じた。

 サオを立てるとようやく水面に顔を出す。

 やっぱ、思っていたよりもデカい。

 掛かり具合を確かめると、ガッツリ上アゴ。


 大丈夫!


 さらにサオを立て、抜き上げた。

 改めてマジマジと観察。

 尾ビレの下の方が少し欠けているけど、なかなかのプロポーション。

 多分アフター回復系の女の子。

 ハリを外し、口に親指を突っ込んで、バス持ちして記念撮影。

 サオで長さを測り(たいがいでメジャー持ってけってハナシやんな)、再度記念撮影後そっと逃がしてあげましたとさ。

 帰って測定すると38cm。


 逃がした後はリグり直す。

 結び目が弱っているとそこから切れるので、釣れた後やキツイ根掛かりを外した後は必ずリグり直しましょ!それやらないと、肝心な時におっきいのバラしちゃうかもですよ!


 思いの外早い時間に釣れたから、さらにもう一本を期待するわけでして。

 ワームがぼろっちくなったから新しいのと交換。

 流石に狙いすぎた感があるから、水門の溝を飛び越え上流側に場所を取る。対岸から2mほどのところに着水させ、そこからゆっくり引いてくる。しかし、現実はそんなに甘くなく、ギルアタリすら無い。


 投げ続けることしばし。

 流心を通過し、川幅の1/3ぐらいのところまできたところ。ぼちぼち回収しようかと思っていたところで「モゾッ…」といった感じの異変。


 ギル?


 待ってみるけど持って行かない。聞いてみると重さが僅かに残る。


 食った?


 半信半疑でアワセると、重さと共に生命感。


 しまった!居食い!飲まれたかも。


 そこそこ引いてはいるものの、距離が短いためすぐに足元。

 そのまま抜き上げると、ハリは飲まれずにちゃんと口へと掛かっていた。


 二本目!


 大してデカくはない(帰って測定すると32cm)けど、そこは問題じゃない。

 複数釣れてくれたことが純粋に嬉しい。

 例の如く記念撮影をし、リリース。


 それからもうチョイ粘ってはみたものの、流石に次は出なかったので、片付けて帰ることに。



 ここまで釣れなくなってしまった今、「もう一本」絞り出すのがどんだけ難しいことか。

 マジで、価値ある二本目なのですよ。


 ホント、魚に感謝!

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